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コンセプトが伝わらないと、採用はうまくいかない

ある企業の人事責任者から「複数の人材サービスの利用やセミナーを開催しても、なかなか採用につながらないんです」という相談を受けて話を進めていくと、伝えていることがきちんと伝わっていないことが明らかになってきました。その原因を探っていくと企業のコンセプトに問題があることもわかってきました。


伝えること≠伝わること

企業の採用戦略は、求職者に自社を知ってもらう目的と学生(新卒)や社会人(中途)の採用を実現する目標を実現するために、様々なアプローチを検討して取り組んでいます。特に人事部や採用担当者は、自社の価値観、世界観、事業の内容、求人条件、将来性などを求職者に「伝えること」が求められます。しかし「伝わること」が十分にできていないと人材のマッチングは難しくなります。その原因は、コンセプトが明確に定義されていないことです。

原因①:企業のコンセプトがない

一番大きな理由は、コンセプトがきちんとデザインされていないことです。コンセプトが明確でないと魅力が伝わりません。たとえば、古くから存在するパーパスやMVVが、現在の社会状況に適していない場合があります。このような企業に求職者が魅力を感じることは難しいでしょう。なぜなら「古い体質」「変化しない会社」と捉え、企業に対して興味関心を失うからです。

原因②:採用のコンセプトがない

企業のコンセプトがなければ、採用戦略を打ち出すことも難しくなります。採用戦略を考える際は、どのような人材を採用したいのか、自社の魅力や可能性は何か、そして求める人材に何を伝えていくべきか、などを明確にする必要があります。企業のコンセプトは採用戦略の基盤で、採用活動全体の方向性を示す役割を果たします。それが曖昧だと採用活動は目的を見失い、求職者にコンセプトを伝えることは困難です。

原因③:採用担当者がコンセプトを理解していない

採用担当者が自社のコンセプト(パーパスやMVVなどを含む)を十分に理解していなければ、求職者に自社の魅力を伝えることは難しいです。もし伝えたと思っていても、表面上の情報しか伝えていないかもしれません。求職者は企業の将来性や魅力を実際に確認したいと考えています。そのため、採用担当者は企業のコンセプトを熟知し、それを具体的な事例や実績を交えて伝えられることが重要です。

このように、採用戦略のミスマッチは伝わらないことが原因の1つと言えます。これらを防ぐためには、①企業のコンセプトが明確で、②採用の目的と目標がきちんと定義されて、③採用担当者は自社のコンセプトを理解したうえで求職者とコミュニケーションをおこなうことが重要です。

採用の成功はコンセプトづくりにあり

コンセプトは、企業の魅力を引き出し、求職者との関係を強化するための重要な要素です。コンセプトを創ることで、企業の価値観、世界観、パーパス、ミッション、ミッション、カルチャーなどが伝わるようになります伝わるようになれば、求職者は企業との関係を深め、採用プロセスを通じて相互の理解、信頼、共感などを築くことができます。

採用のコンセプトは「自分が入りたい企業像をイメージする」こと

企業の責任者や採用担当者は、「この企業に入社したい」という求職者の立場(視点)で、自社の価値や魅力を振り返ることが重要です。この時に再発見できたコンセプトは、求職者に対して伝えたいイメージやメッセージを具体化して、求職者が入社したいと思える企業像が明確になってきます。

求職者が入社したいと思える企業像を明確に定義し、それに基づいて採用活動を展開することで、企業が求める人材の獲得につながります。その結果、求人エージェントのサービス企業に支払う対価の抑制を図ることができます。さらに採用率の改善によって人材育成開発の促進や退職率の低下によって、持続的な企業成長をもたらす好循環が生まれます。

OFFICE Pは「採用×コンセプトデザイン」をテーマに、多くの中小企業の採用を支援しています。

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