山野 靖博(ぷりっつさん)

声楽家、俳優、ミュージカル、歌の先生。山梨出身。歌って、教えて、考えます。

山野 靖博(ぷりっつさん)

声楽家、俳優、ミュージカル、歌の先生。山梨出身。歌って、教えて、考えます。

マガジン

  • やまののパトロンズ

    俳優の山野靖博です! お役立ち情報やどこでも聞けないマル秘話は書いてありません。 日々僕が考えていることのなかで、 少し発展的なことや、まだ結論に至らないこと、 あるいはもう少し気軽な生活のあれこれなど 他のSNSに載せる手前の事柄を書いています。 月3〜4回ほどの更新です! パトロンに、なってください!!!!

  • 歌と音楽について

    俳優で歌手の山野靖博が、歌や音楽について考えて書いた記事をまとめてあります。無料です。

  • 書き物

    僕が書いた詩や戯曲をまとめました。

  • いそがしいとき日記

    山野が稽古期間中や本番中、しっかりとした分量の文章を書けないぐらい余裕がないときに、「それでも文章でアウトプットしたい」という欲求を満たすための日記。基本、短文か箇条書き。

  • 芝居について

    俳優であり歌手である山野靖博が、芝居について考えて書いた記事をまとめてあるマガジンです。

記事一覧

固定された記事

名刺代わりのごあいさつ

はじめまして。 僕の note を読んでくださってありがとうございます。 「山野靖博」という人間に1ミリでも興味を持ってくださったあなたに向けて、自己紹介のかわりにこ…

そんな予感がある。

なんて素晴らしいことだろう。 朝起きて、天気が良くて、カーテンを開けて寝室に光を入れる。 リビングの扉を開けて、メンフクロウのジェームズ(一緒に暮らしている)が…

『スウィーニー・トッド』についての覚書

スティーヴン・ソンダイム(ソンドハイム)の作品に出演することが念願でした。 「難解だから」のひと言でなんだか分かったような気になりがちなソンダイム。けれどその作品…

森の中で言葉を探すとき

今日は、ウィトゲンシュタインの誕生日らしい。

【告知】山野靖博ソロライブ Vol.11-BIRTHDAY-

こんにちは!山野靖博です! この度、5年ぶりのソロライブを開催することになりました。 僕の誕生月である7月に、コロナ以前はずっとソロライブを開催していた赤坂のTona…

演劇のカチ?

小学生の頃は将来シンガーソングライターになりたいと思ってて、高校の途中からオペラ歌手を目指し、大学卒業してからお芝居の面白さに気づいて、いつの間にかミュージカル…

夢の香り。

新年度がはじまって2週目に入りました。 僕は舞台俳優という仕事柄、一般的な暦とは一致しない生活の仕方をしていますので新年度だからってあたらしい環境になるわけでは…

すっと立つ歪み。

日々、スウィーニー・トッドという作品と格闘しています。

たっぷり、とはいかぬ。

あっという間に3月も中頃になっちゃいました。 舞台の仕事をしていると、いちばん体力的にキツイのが舞台稽古の期間です。

拡大ばかりじゃ息も切れるし。

拡大と収束。 外へ押し広げていくことと、内へ向けて収まっていくこと。

いまはジョンソンとホガース

一次資料にあたるって、とっても得るものが多いのに、世の中的にはそれほど大切なことだと思われてないかんじがします。 大切なことだと思われてない、というのは語弊があ…

小さな世界と広大な世間

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年上の同級生。

僕が通ってた大学は、一浪二浪は当たり前、ほかの大学を卒業してきたり、一度社会人として働いてたけど改めて勉強のために入学したりする人も多かったので、学部のうちから…

許されざる呪文もある世界で。

僕は言葉が好きだ。 言葉を使っていろんなことを考えるのが好きだし、言葉を使ってその考えたことを人に伝えたりすることも好きだ。 自分の思い、気持ち、感じている質感…

立場と思考

柔軟な考え方を身につけるというのが、社会の中で役割を担う際の大切な要素なのかもしれないなと、さいきん殊に思います。

歌う身体は千差万別。

歌うという行為は、なんて繊細な身体操作を伴う営みだろうと、このところまたひとつ深く驚いでいます。 いま僕は、自分の出演する予定の作品稽古に参加しながら、歌唱指導…

名刺代わりのごあいさつ

名刺代わりのごあいさつ

はじめまして。

僕の note を読んでくださってありがとうございます。

「山野靖博」という人間に1ミリでも興味を持ってくださったあなたに向けて、自己紹介のかわりにこの記事を書いてみたいと思います。

だいたい全部で9000文字ぐらい。

気になったところだけ飛ばし読みしていただいてもOKです!

下が、この記事の目次です。

1、どんなことをしているのか

僕は「好きなことをして、楽しく生き

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そんな予感がある。

そんな予感がある。

なんて素晴らしいことだろう。

朝起きて、天気が良くて、カーテンを開けて寝室に光を入れる。

リビングの扉を開けて、メンフクロウのジェームズ(一緒に暮らしている)が元気かを確認して、「ジェームズおはよう」と声をかける。(当然彼は僕に対して特に興味もないので、こちらを一瞥したのちにまた自分の世界に戻っていく)

ポットのスイッチを押して湯を沸かしてそれを飲む。携帯とスピーカーをBluetoothで繋

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『スウィーニー・トッド』についての覚書

『スウィーニー・トッド』についての覚書

スティーヴン・ソンダイム(ソンドハイム)の作品に出演することが念願でした。

「難解だから」のひと言でなんだか分かったような気になりがちなソンダイム。けれどその作品の機微を注意深く読み解いていくと、難解というような言葉ではとてもではないが表せない程の、緻密な仕掛けが施されてるのがわかるのです。

僕だって、ソンダイムの全てがわかっているなぞ口が裂けても言えませんが、今回『スウィーニー・トッド』とい

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【告知】山野靖博ソロライブ Vol.11-BIRTHDAY-

【告知】山野靖博ソロライブ Vol.11-BIRTHDAY-

こんにちは!山野靖博です!

この度、5年ぶりのソロライブを開催することになりました。

僕の誕生月である7月に、コロナ以前はずっとソロライブを開催していた赤坂のTonaliteさんにて、川島茂トリオの皆さんとの共演でお届けします。

このスタイルのソロライブは2部構成で、入れ替えはありません。

どちらのステージでもジャズ・スタンダード、邦楽や洋楽のカバー、そして僕のオリジナル曲を演奏する予定で

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演劇のカチ?

演劇のカチ?

小学生の頃は将来シンガーソングライターになりたいと思ってて、高校の途中からオペラ歌手を目指し、大学卒業してからお芝居の面白さに気づいて、いつの間にかミュージカルの世界でお仕事をしている僕です。

世界が変容するスピードは凄まじくって、例えば2020年あたりには芝居やライブエンタテインメントは「不要不急」のものだと世間から認定されたことは記憶に新しいです。

そこからこちら、さまざまな映像配信系のS

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夢の香り。

夢の香り。

新年度がはじまって2週目に入りました。

僕は舞台俳優という仕事柄、一般的な暦とは一致しない生活の仕方をしていますので新年度だからってあたらしい環境になるわけではありません。

いま僕は大型ミュージカル(『スウィーニー・トッド』といく作品です)の東京公演と地方公演の狭間でして、久方ぶりのゆったりしたお休み期間を堪能しています。

休みだから人に会ったり、舞台やコンサートを観に行ったり、普段なら読ま

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すっと立つ歪み。

すっと立つ歪み。

日々、スウィーニー・トッドという作品と格闘しています。

たっぷり、とはいかぬ。

たっぷり、とはいかぬ。

あっという間に3月も中頃になっちゃいました。

舞台の仕事をしていると、いちばん体力的にキツイのが舞台稽古の期間です。

拡大ばかりじゃ息も切れるし。

拡大と収束。

外へ押し広げていくことと、内へ向けて収まっていくこと。

いまはジョンソンとホガース

いまはジョンソンとホガース

一次資料にあたるって、とっても得るものが多いのに、世の中的にはそれほど大切なことだと思われてないかんじがします。

大切なことだと思われてない、というのは語弊があるかもしれない。一次資料にあたることの大切さは否定しないが、自分がそれをする時間の余裕がない、みたいなことの方が多いのかもしれないですね。

大雑把に「一次資料にあたる」と書いちゃってるので、世の中のさまざまなことが当てはまっちゃってます

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小さな世界と広大な世間

小さな世界と広大な世間

グローバリゼーション。

経済や文化が国境や地域の枠を超えて交流し、交換される時代がきてしばらく経ちますし、インターネットやSNSの登場でその規模とスピードはますます増してきました。

人工知能を利用したchatGPTや翻訳アプリを利用すれば、違う言葉を使って暮らしている人同士も簡単にコミュニケーションが取れる状況にもなりました。

自分と違う文化に触れたり、"最先端の"欧米の価値観を取り入れるこ

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年上の同級生。

年上の同級生。

僕が通ってた大学は、一浪二浪は当たり前、ほかの大学を卒業してきたり、一度社会人として働いてたけど改めて勉強のために入学したりする人も多かったので、学部のうちからある程度年齢の幅が広く同級生がいました。

18歳やハタチそこそこの新入生と、30歳近くないし30歳を超えた新入生が、同じカリキュラムで勉強をするのです。

今だからわかるけど、年齢を重ねた上で学部に入学して、自分より10近く年下の同級生と

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許されざる呪文もある世界で。

許されざる呪文もある世界で。

僕は言葉が好きだ。

言葉を使っていろんなことを考えるのが好きだし、言葉を使ってその考えたことを人に伝えたりすることも好きだ。

自分の思い、気持ち、感じている質感にぴったりの単語や言い回しを見つけられたときは「僕って捨てたもんじゃないな」と思うくらいに嬉しい気持ちになるし、あるいは自分の表したいことを過不足なく伝えられるような表現がうまく見つからなくて思案を巡らせるときの焦れったさもそれはそれで

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立場と思考

立場と思考

柔軟な考え方を身につけるというのが、社会の中で役割を担う際の大切な要素なのかもしれないなと、さいきん殊に思います。

歌う身体は千差万別。

歌う身体は千差万別。

歌うという行為は、なんて繊細な身体操作を伴う営みだろうと、このところまたひとつ深く驚いでいます。

いま僕は、自分の出演する予定の作品稽古に参加しながら、歌唱指導として韓国ミュージカルの現場にも携わっています。

ミュージカルの現場における歌唱指導の役割というのは、本当に現場ごと・歌唱指導の方ごとに違ったりして、そこがとても難しく興味深いなぁと思うのですがそれはまた機会があるときに書くとして。

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