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俳優エピソード本

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あの日から。

あの日から。

2011年3月11日

新宿にあるアルバイト先に向かう途中だった僕は、遅刻しかけていた為、歌舞伎町の手前を走っていました。自分の走る揺れによって、地面の振動に気付くよりも先に、逃げまどう人々に目を奪われました。走りながら皆、空を見上げている。視線を追うと、四方そびえ立つビル群が、コンニャクみたいにグニャグニャと揺れていた。何を見させられているんだろうと一瞬混乱。ただ、高層ビルは耐震設計により上部を

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俳優エピソード本「Barで声かけてきた集団に付いて行った話。」(現役編)

俳優エピソード本「Barで声かけてきた集団に付いて行った話。」(現役編)

その日はなんだかちょいと一杯呑んで帰りたいなぁという日で、柄にもなくBarとか行ってみようと思ったんですが、行きつけ みたいのは持ち合わせてないし、広めのスポーツBarに入ってみました。入りやすそうだったものの、そんな陽気な場所には、みんなグループかカップルで来ていて、1人で来るなんて場違いだったなぁと、不慣れをした事を後悔しつつ、さっさと一杯飲み干して帰ろうとしたら、1人のめっちゃ笑顔な男性が話

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ただの大学生だった僕が芸能事務所に所属した方法

ただの大学生だった僕が芸能事務所に所属した方法

僕は、二十歳の時、映画「GO」を観て「こういう作品を作るメンバーの一人になりたい!」と思い立ち、その足で書店まで走り、映画コーナーにある一冊の本を手にとって開いた。どうしたら、映画を作る一員になれるか知りたかった。本には、照明部、録音部、演出部など、映画を作る上での各セクションに、どの様にすれば、成れるかが書かれていた。

「監督、映画学校に通わなければなりません。照明部、専門の知識を身に付けまし

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俳優エピソード本「海外版ホームレス中学生」(アルゼンチン編)

俳優エピソード本「海外版ホームレス中学生」(アルゼンチン編)

※こちらの文章は、山岡竜弘のエピソードトークを書き起こしたものです。実際に話し続けているうちに、尾ひれはひれがついて、もはや原型を留めていません。当時を知っている方は個人連絡にてご指摘下さい。

※登場人物の名前は全て偽名です。これらのエピソードを集め、いずれ製本して、一冊の本にする事を目指しています。製本の際は、全登場人物をご協力下さった方々のお名前にしたいと考えています。

※映像化、漫画

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俳優エピソード本「プチトマト事件」(幼少期編)

俳優エピソード本「プチトマト事件」(幼少期編)

これは、僕が小学校3年生の時のお話です。

当時の担任の先生が突然、なんの影響を受けたのか、クラスのみんなにこう言い放ちます。

「給食を全て食べ終えない人は、お昼休みに入ってはいけません。」

州ごとに異なるアメリカの法律の様に、先生の独断により、このクラスにのみ適応されてしまう、ストイックルールが、突如発動されてしまいました。学校によっては、そんなルールが存在する事は知っていましたが、まさか自

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俳優エピソード本「#テニミュ出てない人あるある」

俳優エピソード本「#テニミュ出てない人あるある」

これは僕が芸能事務所に所属していた若き日のお話。その日は珍しく担当マネージャーさんに個別に呼び出された。そんな事はなかなかなかったので、なんだろうと思って向かってみるとマネージャーさんは真剣な顔をして、しばらく僕を見つめた後、静かにこう言った。

「山岡、お前、坊主にできるか?」

何か重要な坊主の役があるんだと察した僕はすぐさま「はい!」と答えた。

そして返ってきた言葉は

マ「出るぞ。

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俳優エピソード本「修学旅行」

俳優エピソード本「修学旅行」

※こちらの文章は、山岡竜弘のエピソードトークを書き起こしたものです。実際に話し続けているうちに、尾ひれはひれがついて、もはや原型を留めていません。当時を知っている方は個人連絡にてご指摘下さい。

※登場人物の名前は全て偽名です。これらのエピソードを集め、いずれ製本して、一冊の本にする事を目指しています。製本の際は、全登場人物をご協力下さった方々のお名前にしたいと考えています。

※映像化、漫画

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