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美と自然の町 真鶴ってどんなところ?

今回は、観音整躰ラボのある真鶴町の紹介をしたいと思います。

神奈川県西部にある真鶴町は、人口7千人弱。清川村を除けば、神奈川県で一番人口の少ない町です。
伊豆半島の付け根から相模湾に向かって伸びる真鶴半島と、箱根外輪山へと続く山地が含まれ、ほぼ全域が海に向かう南東向きの、長さ7km、幅1km、標高差730mという平均勾配10%を超える傾斜地で成り立っています。

山あり海ありの美しい景観、黒潮流れ込む相模湾に面した温暖な気候で、日本のリビエラとも東洋のアマルフィとも称される真鶴は、古くからリゾート地として多くの芸術家や文化人に愛されてきました。
明治政府によってドイツから東京医学校の教師として招かれた「日本近代医学の父」エルヴィン・フォン・ベルツ博士は、真鶴を「日本一の健康地」と評して、政府に療養所建設を進言したと言います。

真鶴半島は御留山であり皇室御料林だった「お林」で覆われ、樹々のつくる木陰や水面へ落ちる虫、地下水として海底へ流れ出る湧水が、良い魚を育てる絶好の環境を作ります。
昔から漁業で暮らす人々は、港に面する斜面沿いに家を建て、毎朝海の様子を観てその日の出漁を決めていました。
そのためどの家からも海が望め、逆に港からは全ての家々が見渡せる、独特の街並みが自然に形成されています。

この真鶴の景観や街並みを大規模開発から守るため、1993年、町は全国でも他に類を見ないまちづくり条例、通称「美の条例」を定めました。
聖なる所 豊かな植生 眺める場所 静かな背戸 海と触れる場所 斜面地 舞い降りる屋根 少し見える庭 座れる階段 さわれる花 小さな人だまり・・・
「美の基準」として並べられたキーワードは、文学的で、読む者の想像力や郷愁を喚起させます。
真鶴という小さな港町で、人々がより良く暮らすためつむぎ出してきた、細やかな暮らしの作法を、丁寧に掘り下げまとめ、共通言語化した生活コードが、この美の基準条例となったのです。

私たち家族が真鶴町にUターンIターンして、整体院を開業するための決め手となったのは、この「美の基準」の存在を知ったことでした。
美しい自然と暮らしを、町民の共有財産として、恒久的に守っていこうという強い意志。
国連がSDGsを採択する20年以上も前に、より深く優しい等身大の思想に添って作られた、生活デザインコードを実践する町。

「真鶴美の基準」と出会うことで、故郷の町をリスペクトする思いを強く持った私たちは、この街で暮らす人々と美意識を共有したいと願い、あれよあれよという間に真鶴町民になっていました。
それから2年、今では毎日のように背戸道を歩き、お林を探索し、海を眺める生活を楽しんでいます。

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