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映画レビュー「エドガルド・モルターラ ある少年の数奇な運命」
今年は実話をベースにした注目すべき作品が多い。
本作もその一つ。
1850年代のイタリアでカトリック教会が7歳になる少年を連れ去り、
世界で論争を巻き起こした史実をベースにしている。
解説を読んだだけでは、何のこっちゃ?と思ってしまう。
映画を観てストーリーは理解したが、問題の大きさは半分も理解していないと感じた。
まずは置かれた環境。
無宗教に近い仏教徒の僕では宗教の持つ力や影響力があまり認
映画レビュー「青春18×2 君へと続く道」
映画の観方は2種類あると思う。
ひとつは事前情報や解説をしっかり予習して臨む作品。
もうひとつは事前情報を何も入れず無の状態で臨む作品。
本作でいえば後者。
監督は藤井道人で主演女優は清原果耶ということだけで十分。
本来、主演はシュー・グァンハンになるけど。
あとは何も知らない方が映画を楽しめる。
何度なく観た予告編で、よくある恋愛映画くらいの気持ちで足を運んだ。
正直なところ、あまり期待もし
映画レビュー「アイアンクロー」
「RHEINGOLD ラインゴールド」に続いて実話を基にした作品を鑑賞。
侮っていた。
映画評論仲間からも評価の声は届いていたが、侮っていた。
プロレス一家の悲劇を描きながらも、単純明快なスポコンドラマと想像していたが、
その想像をはるかに超えていた。
80年代、プロレスはかなり人気があった。
中学、高校時代の友人もプロレスファンは多く熱く語っていた。
僕はアニメのタイガーマスクは好きだったが
映画レビュー「RHEINGOLD ラインゴールド」
本作はドイツ・オランダ・モロッコ・メキシコ合作。
お互いどんな接点があるんだろうと不思議に思ってしまう。
映画の舞台となるドイツ、オランダは理解できるが、
メキシコは一体どんな絡み方か。
どうでもいいことを考えてしまう。
映画が始まり15分ほど経過した時、重厚な社会派ドラマと錯覚した。
イスラム革命により迫害された音楽家家族が痛々しく映し出される。
紛争に巻き込まれた最中に子供を一人で出産するシ
映画レビュー「オッペンハイマー」
本年度のアカデミー賞の主要部門を独占した話題作。
何も考えずに映画館に足を運べばいいが、そうはいかない。
180分の超大作であり、難解作品の多いクリストファー・ノーラン監督。
気軽な気持ちで行くときっと後悔する。
素直な感想でいえば、予習は怠らない方がいい。
解説やあらすじを叩き込んで臨んだ方がいい。
僕は事前情報を頭に入れずに臨んだが、少し後悔。
僕の理解力もあるが、登場人物の関係性や会話の
映画レビュー「映画 マイホームヒーロー」
予定はなかったが、映画コラムニスト仲間が評価していたので、観ることにした。
原作漫画も知らなければ、ドラマ化も知らなかった。
過去の描き方がえらく雑だなと思っていたが、それはドラマで描いていたのが理由。
特別出演の吉田栄作の扱いが瞬間的なのもそう。
あとで確認して分かった。
どうやらドラマでは7年前が中心のようだから。
ドラマを見ていたら、本作はもっと楽しめたはず。
今更いってもおかしいが・・・
映画レビュー「アバウト・ライフ 幸せの選択肢」
まず映画館に入って驚いた。
お客さんの大半が高齢の女性。
どうだろうか、60代から70代ではないだろうか。
映画に関して敏感なのか、
シニア向けの情報誌からおススメされたのか、理由は不明。
出演者がダイアン・キートン、リチャード・ギア、スーザン・サランドン、
ウィリアム・H・メイシーら往年のスター俳優も原因かもしれない。
失礼な言い方だが、80年代に最も人気のあった俳優。
懐かしさが劇場へと足
映画レビュー「52ヘルツのクジラたち」
結構、評価が高いので観ることにした。
同様に評価の高い「夜明けのすべて」とは真反対の作品。
片方は日常で、片方は非日常。
僕にはそう映った。
どちらに感動するかは観る人によるが、感動させやすいのは非日常。
あり得ない世界の方が人の心は動かしやすい。
畳みかける展開が痛みや驚きや喜びを生み、心を動かす。
最終的に感動を呼び込む。
そんな点で本作は成功だろう。
物語は相当、辛い。
今も過去も虐待
映画レビュー「コットンテール」
夫婦役はリリーフランキーと木村多江。
どこかで見た風景だと映画を観ながら思い出した。
2008年に公開された「ぐるりのひと」。
映画コラムニストを語る前なのでブログは書いていないが、当時、DVDで鑑賞。
壊れゆく夫婦の再生を2人が演じたステキな作品。
誰も気づかないことを思い出すなんて、さすが映画コラムニスト!と自画自賛していたら、
映画サイトにインタビュー記事が当たり前のように掲載されていた。
映画レビュー「落下の解剖学」
原題はAnatomie d’une chute。
そのまま翻訳したタイトルが「落下の解剖学」。
あまりヒットしそうにない。
玄人好みの映画のように思えてしまう。
しかし、どうだろう。
カンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞したせいか、映画館は結構賑わっていた。
むしろ正々堂々と勝負した方がいいということか。
そして、映画を観終わってから、本タイトルの正しさを理解。
なるほど、解剖したわけですな・・
映画レビュー「コヴェナント 約束の救出」
解説には、「アフガニスタン問題とアフガン人通訳についての
ドキュメンタリーに着想を得て撮りあげた社会派ドラマ」と書かれてあった。
紛争が続く今の時代に批判的な社会性の強い映画と勝手に思い込んでいた。
いい意味で裏切られた。
そんな意味合いもあるが、むしろ男同士の友情を描いた作品で、
エンターテイメント性に富んだアクション映画。
余計な感情は持たずに観た方がいい。
舞台は2018年のアフガニスタ