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第15巻

千川高校対栄京学園の試合を中心に腕に違和感を覚える広田、新球の開発をする比呂、揺れる島、大竹を描く。
春華のサービスカットがある。


第6話 ヨロシク
ハッキリした三幕構成。
P95~P101 借金取りに追われながらも息子の応援に来る島の父親。
P102~P108 試合前の練習風景。島と広田の絡み。大竹を見つめる広田。
P109~P112 試合開始。千川を動揺させようとした広田の機先を制する比呂。

島と大竹は、広田が千川高校に送り込んだスパイ。試合を攪乱して英京学園が有利になるためにいる。しかし野球の面白さと周囲の気持ちの暖かさにほだされ、二人は広田の元を去る。本回はその決別回。
第一幕の謝金でやつれた父親の姿や借金取りの柄の悪さはベタベタ。だがここは手順のための手順なので、変にリアルなものよりも様式を先行させた方が読者にはわかりやすくていい。こういう平易な表現は使い勝手が良いので恐れずに使うといい。
第二幕最終ページでのカットバックからの広田のクローズアップは素晴らしい。怒り、嫉妬、悪意…ないまぜになって読者に伝わる。次の場面で島と大竹に報復するだろうというサスペンスも感じられる。
第三幕P11の比呂のセリフは見習いたい。
憤りを笑いで覆い、仲間を傷つけさせない比呂の強さが存分表れた良いセリフである。

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