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多様化する生活の中で、専門店ができること 【八百屋から見た“食”no.8】

画一 と 多様 は対義語です。

皆、同じをヨシとしたり
ロールモデルがあったり
似たような価値観・人生観(死生観)・金銭感覚・生活感覚・宗教観・ブームでグループ分けをしづらくなった2010~20年代。Web・SNSの発展で、情報の囲い込みや仲間・グループ・コミュニティづくりに昭和旧来の画一した手法が通用しなくなりました。多くの個を内々につなぎとめることが難しくなった10年とも言えるでしょう。

ひとりひとりが持つ価値観・考え方が
「みんな○○が好き」→『私は○○が好き』に移り変わった現在。

「○○が好き」という近しい価値観を持ったグループ形成も、
ひと昔前の仲間意識の強い“囲い込み”ともいえるコミュニティから
『○○が好き』と表明する“個の繋がり”(≒ゆるい集合)へ、内容が移り変わっています。

『好き』が分散しただけではありません。
『好き』の内容や判断基準・優先順位・バランスまで、ひとりひとりひとつひとつ異なった『多様な価値観』をもつようになりました。

『多様(な価値観)を認める』生活は今後も進行します。
買い物に“個の嗜好“が際立つようになり、たくさんの選択肢がある2020年代以降も、専門店(八百屋)に期待するお客さんの共通項ってなによ?と考え突き詰めた結果…

【たべて美味しい】


この1点にたどりつき、現在に至ります。
八百屋=素材屋。味付けに左右されない、素材の美味しさ第一主義。

作る人、売る人、買う人。
いろんなこだわり・考え・優先順位を持っています。
こだわりは“拘り”と書きます。
こだわりが強すぎる(項目が多すぎる)人、商品スペック/文字やシールだけを見て悩む(優劣をつけたがる)人が多いように思います。商品スペックに対する“たくさんのコダワリ”の下、囲い込み・優劣比較・敵対するナニカと戦う“旧来の手法”で仲間を作りあげたのは過去の話。コダワリ・シバリが強すぎるあまり肝心な「食べて美味しい」という基本を忘れていませんか?単なるスペックコレクターになっていませんか?

個を尊重し理解し合う2020年代。
拘るよりも好きがたくさんあっていい現在。

見解・優先度・対立軸・気に入る/入らない範囲の差は必ずあります。
生活感覚・金銭感覚・買い物に対する皆さんの価値観と照らし合わせても
「私、コレ好き♬」といってもらえるような食材を。
美味しい野菜を、美味しい状態でお渡しできるよう日々準備しています。

美味しいもんたべて、ホッとしましょうよ。

八百屋の店頭に立ちながら話しながら。今の私の素直な気持ちです。

※尚、アレルゲンは今回提案の範疇にありません。食品摂取の最優先事項としてください。

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