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食べ物にも“ベストバイ”の習慣を【八百屋から見た“食”no.14】

直近のあらゆる原材料&食品の値上がり要因は主に4つです。

①原料の供給減:稀少化・輸入減・不作
②動力費:ガソリン・電気・ガス
③輸入品:円安
④給与増:人件費上昇

小麦・大豆・食用油・砂糖・カカオ等含めた豆類は現地コスト増と円安の掛け算で値上げ続き。いま挙げた5種はほぼすべての食品でなにかしらの原材料となるため、今後も数段階の値上げが想定されます。また、輸入果物(&原料にしたジュース類)も安くなることはまずありません。

↓↓原価が上がり続ける理由を書いた投稿

✕ いままでずっと安かった
○ ずっと少しずつ上がっていた

少なくとも人件費(最低賃金)・ガソリン・光熱費は年々単価上昇が続いてました。その都度「値上げの真意」を伝えず/伝わらず/受け取らず、製造者/販売者/消費者ともに現実の課題から目を背け逃げ続けたこと。「安さとボリューム」しかウリにせず、製造現場も押しきれず、安さこそ是で価格維持が素晴らしいと勘違いしていた日本国内(製造/販売/消費者)全体の雰囲気にも、現在の状況を招いた一因があります。20年30年“安くたくさんいつでも食べれて当たり前”とと錯覚しただけ、“安い海外原料を輸入できる”と勘違いしていただけです。
物価が安い・食品が安いと勘違いさせたステルス値上げという企業努力。より安い原料輸入という企業努力。その20年30年の『企業努力という痩せ我慢』と『安くなきゃ売れない(買わない)病』が、このご時世でいよいよ耐えられなくなり、“安かった20-30年の一部分”が値上げとして跳ね返ったと考えています。

20-30年、値上がりしなかった分。
20-30年、価格維持という企業努力(というゴマカシ)を続けた分。
20-30年、食品物価は安くなきゃ困ると思い続けた分。
値上げは今後も続きます。
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価格高騰時の食品をどう買うか

✕✕✕ 少しでも安いモノを安い時に買う
“安いうちに”と買い溜めをして消費期限を過ぎる。冷蔵庫内で腐らせる。
“長期保管できるから”と缶詰・レトルト・冷凍食品を買って賞味期限を過ぎる。ストッカーの奥底・冷凍庫の奥底にあった食材が食べれるかどうか判断するほど使わない。冷凍庫冷蔵庫を詰め詰めにして電力を使う。生鮮品は冷蔵冷凍しても鮮度が落ち、栄養価も落ち、味も落ちる。なにもイイコトはありません。✕印を3つつけます。

✕✕ 不揃い・規格外品を買う
不揃い・規格外品にも注目が集まりやすいですが、
生産者本人発信でない限り「お得感を出して業者が儲けたい」だけです。
正品を定価で買う循環こそ継続性。
賞味期限間際の救済・有効利用に一理あっても買い溜めは厳禁です。

△ 冷凍食品を買う (△ 冷凍野菜を買う)
✕ カット野菜を買う
割高です。結果的に高くつきます。
冷凍野菜が“△”なのは、季節によっては割安の場合もあるため(ごく短期)。
冷凍/カットとも、ヒトの手が加わる以上コストはかかります。調理加工コスト+冷凍+冷凍輸送コスト。製造流通販売の各段階で値上げ要素が重なります。

ちなみに千切りキャベツは、正味100g入っていても丸1玉の1/15。見た目以上に割高です。

※キャベツ1玉は約1.5㎏

カット野菜は少人数で食べきる目的。冷凍食品/冷凍野菜/カット野菜は刻む/茹でるという労力・時間・手間を買っています。割安だから買っているのではなく“ラクを買っている”のが実際ではないでしょうか。

冷凍食品を△にしたのも、高い安いの基準ではないから。価格以外の目的で必要としていて、皆さん割り切って使っていますよね。とても美味しい冷凍食品も増えています。

まとめ

時計や服飾アイテムだけでなく、食べ物にもベストバイ・マストバイを。
安さに駆られず、本当に食べたいモノを買いましょう。
値上げを残念に思うより、このご時世でも原材料や製法を変えず、単価上昇の理由も示しながら作り続ける“お気に入り”の食品を、ぜひ買い続けてください。お店が近くにある方は直接そのお店で、必要な量だけ、その都度買い続けてください。販売店の人・製造元の人、買い続けてくださることが間違いなく一番喜びますし、経営的にも一番ありがたいです。

食べ切る量を買う。買いだめをしない。これに尽きます。

野菜くだもの(農産物&海産物)の“高い・安い”には別の側面もあります。
別枠で投稿できたら。

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