竹村りゑ(アナウンサー)

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マガジン

  • 【美術館リポート】竹村りゑのアートめぐり

    各地の美術館に行ったリポートです。アートを見て、自分の中で色々考えたり解釈したりする時間が好きなので、同じようなアートファンの方と繋がりたいです。現代アートが多めです。

  • 【書評ラジオ】竹村りゑの木曜日のブックマーカー

    北陸放送で毎週木曜日の18:30~18:45に放送している(再放送は毎週日曜日の7:15~7:30)書評ラジオ「木曜日のブックマーカー」。Podcastで全国から無料で聞いて頂けるようになったことをきっかけに、その月に紹介する本のラインナップをご紹介することにしました。本好きな方も、最近読書をしていないという方も、聞いていただけると嬉しいです。 https://twitter.com/yorupara?t=M2m_hVRriMIg78b4G8OxPg&s=09 #書評 #ブックレビュー #ラジオ #木曜日のブックマーカー #竹村りゑの木曜日のブックマーカー

  • 【唯一無二のブックレビューの書き方】

    金沢生まれ金沢育ちのアナウンサーです。 MROラジオ「竹村りゑの木曜日のブックマーカー」で、毎週1冊本を紹介しています。 今まで200冊以上の本を紹介してきた経験から、「1冊の本を味わい尽くす」ためのブックレビューの書き方をご紹介します。

最近の記事

最後のネアンデルタール人は海を見て、∣江之浦測候所

「地球上で最後の一人になったネアンデルタール人がいたわけですよ」 今日は連休の中日で、首都高は渋滞が続いている。のろのろ進むスポーツカーのハンドルを握りながら、あなたは唐突に4万年も前の話を始める。 僕たちの祖先はホモ・サピエンスですが、同時代にはネアンデルタール人も生きていたわけです。結構近しい存在で、交配もあったらしいですけどね、結局ネアンデルタール人は滅んでしまうわけでしょう。 そうですね、と私は、子どもの頃に教科書で見た、人間の進化を描いた挿絵を思い出す。ちょっ

    • 最後の挨拶

      2022年9月29日(木)の放送をもって、MROラジオ書評番組「竹村りゑの木曜日のブックマーカー」は最終回を迎えました。 5年間続けてきた、毎週1冊の本を読み、レビューを考え収録するという生活も一段落です。ざっと計算してみれば、紹介してきた本は250冊ほど。小説もビジネス書も、新書も絵本も漫画も、ジャンルを選ぶことなく様々な本に触れ、リスナーの皆さんに紹介させていただきました。 色とりどりの本を手に歩んできた5年の旅路は、振り返ってみれば大変なこともあったなあと思います。こ

      • 土井善晴『一汁一菜でよいという提案』(書評ラジオ「竹村りゑの木曜日のブックマーカー」6月30日放送分)

        ※スマホの方は、右上のSpotifyのマークをタッチすると最後まで聴くことができます。 <収録を終えて> 大好きな料理研究家、土井善晴さんの著書。 言い回しは温かく、素朴ですらあるのに、そこに品性が漂う稀有な方だなあと思います。 品の良さというのは、相手に誇示するものではなく、相手に譲るときに表れるものだということを体現しているような気がします。 そんな土井さんの一汁一菜の勧めは、単に献立のことを言っているのではなく、生活のスタイルや、それを超えた「生きる上での美学」につ

        • 佐野洋子『おじさんのかさ』(書評ラジオ「竹村りゑの木曜日のブックマーカー」6月23日放送分)

          ※スマホの方は、右上のSpotifyのマークをタッチすると最後まで聴くことができます。 <収録を終えて> 『100万回生きたねこ』など、数々のベストセラー絵本で知られる佐野洋子さん。 今回ご紹介した『おじさんのかさ』も、今から30年前の1992年5月に発刊されたにも関わらず長く愛され、既に55刷の重版がかけられています。 良い絵本は子どもが読んでも大人が読んでも面白いとは良く言うものの、先日絵本編集者の方にインタビューさせていただいた時に感じたのは、むしろ絵本から得るもの

        最後のネアンデルタール人は海を見て、∣江之浦測候所

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        • 【美術館リポート】竹村りゑのアートめぐり
          6本
        • 【書評ラジオ】竹村りゑの木曜日のブックマーカー
          41本
        • 【唯一無二のブックレビューの書き方】
          9本

        記事

          【無料で聞けます】『同志少女よ、敵を撃て』逢坂冬馬さんインタビュー前編・後編(書評ラジオ「竹村りゑの木曜日のブックマーカー」6月2日・9日放送分)

          スマホの方は、右上のSpotifyのマークをタッチすると最後まで聴くことができます。 【前編】 【後編】 <収録を終えて> 『同志少女よ、敵を撃て』で、2021年アガサクリスティー賞を受賞してデビューを果たし、その後、第166回直木賞ノミネート、2022年本屋大賞受賞と、快進撃を続ける逢坂冬馬さん。 今、最も注目度が高いと言っても過言ではない作家さんに、インタビューをさせていただく機会に恵まれました。 (関係者の皆様、本当にありがとうございました) 「神は細部に宿る

          【無料で聞けます】『同志少女よ、敵を撃て』逢坂冬馬さんインタビュー前編・後編(書評ラジオ「竹村りゑの木曜日のブックマーカー」6月2日・9日放送分)

          奥本大三郎『ファーブル昆虫記』(書評ラジオ「竹村りゑの木曜日のブックマーカー」5月19日放送分)

          ※スマホの方は、右上のSpotifyのマークをタッチすると最後まで聴くことができます。 <収録を終えて> 私は分からないことは素直に分からないと言おう。 それは学者らしくない態度かもしれないが、少なくともたった1つの価値を持っている。 すなわち、真正直という価値である。 小学生の頃、ファーブル昆虫記を夢中になって読み、ファーブルの伝記にも手を伸ばした私が出会った、今でも忘れられない言葉です。 ファーブルが遺したこの名言は、様々な形で翻訳されているのですが、やはり、子ど

          奥本大三郎『ファーブル昆虫記』(書評ラジオ「竹村りゑの木曜日のブックマーカー」5月19日放送分)

          東畑開人『居るのはつらいよ ケアとセラピーについての覚書』(書評ラジオ「竹村りゑの木曜日のブックマーカー」5月12日放送分)

          ※スマホの方は、右上のSpotifyのマークをタッチすると最後まで聴くことができます。 <収録を終えて> ラジオでお話したように、臨床心理士の東畑開人さんが自身の経験をもとに書かれた本です。柔らかでコミカルな語り口の背景には、専門性の高い知識があり、読み手は物語を楽しみながらも臨床心理について学ぶことができる1冊です。作者の東畑さんは、この本を「学術書」よりも優しい「ガクジュツ書」として位置づけているのですが、その試みは沢山の人に評価され、2019年には朝日新聞主催の第19

          東畑開人『居るのはつらいよ ケアとセラピーについての覚書』(書評ラジオ「竹村りゑの木曜日のブックマーカー」5月12日放送分)

          こども哲学・おとな哲学 アーダコーダ インタビュー前編・後編(書評ラジオ「竹村りゑの木曜日のブックマーカー」4月28日・5月5日放送分)

          【前編】 【後編】 ※スマホの方は、右上のSpotifyのマークをタッチすると最後まで聴くことができます。 <収録を終えて> 最近、哲学に関心を持つようになったので、お話を伺うことができてとても楽しかったです。 時間内に収まらなかったので編集上の処理を何箇所かで行わせて頂いたのですが、その中で泣く泣くカットさせていただいたものの1つに「今の時代だからこそ哲学対話に意味がある」といった内容のお話がありました。 今までお話をしたことがないような人とも、哲学対話を共に楽しむ

          こども哲学・おとな哲学 アーダコーダ インタビュー前編・後編(書評ラジオ「竹村りゑの木曜日のブックマーカー」4月28日・5月5日放送分)

          『女のいない男たち』(書評ラジオ「竹村りゑの木曜日のブックマーカー」4月21日放送分)

          ※スマホの方は、右上のSpotifyのマークをタッチすると最後まで聴くことができます。 <収録を終えて> 数々の映画賞を受賞した『ドライブ・マイ・カー』の原作を含む、6つの短編集です。 ラジオでもお話をしたように、映画では、原作のストーリーにかなりアレンジを加えています。 原作では、主人公家福とドライバーのミサキの会話を中心にストーリーが展開します。2人は互いに自らの喪失を語り合うことで、自分の人生に起こった不条理を許していこうとします。 映画では、原作の物語にさらにエン

          『女のいない男たち』(書評ラジオ「竹村りゑの木曜日のブックマーカー」4月21日放送分)

          『批評の教室 ――チョウのように読み、ハチのように書く』(書評ラジオ「竹村りゑの木曜日のブックマーカー」4月14日放送分)

          ※スマホの方は、右上のSpotifyのマークをタッチすると最後まで聴くことができます。 <収録を終えて> 最近、自分のレビューがマンネリ化しているような気がして、どうしたものか……と悩んでいる時に出会った本です。とても良かったです。数えてみると貼った付箋がきっかり50枚でした。学ぶところが多かったです。 「木曜日のブックマーカー」では、SNSの時代の情報発信のあり方について何度か私の考えをお話させてもらっているのですが、改めて今の時代に必要な教養の1つとして「批評する」が

          『批評の教室 ――チョウのように読み、ハチのように書く』(書評ラジオ「竹村りゑの木曜日のブックマーカー」4月14日放送分)

          書評ラジオ「竹村りゑの木曜日のブックマーカー」2022年4月のラインナップ

          春ですね。 4月も初旬を過ぎ、金沢の桜は満開を迎えています。 お花見など美しさを楽しむイメージが強い桜ですが、実は農業と深い結び付きがあったそうです。 というのも、かつて農村の人々は田の傍らに桜を植えて、種まきの頃に満開となればその年は豊作になるとしていたそうなのですね。 また、桜の語源には諸説あるのですが、その中の1つに、「サ」は稲の神を指し、「クラ」は神の座を表すというものがあります。 稲の神様が座る場所が、桜だと考えられていたのでしょうか? 確かに、遠目から見た花盛

          書評ラジオ「竹村りゑの木曜日のブックマーカー」2022年4月のラインナップ

          いとうせいこう『小説禁止令に賛同する』(書評ラジオ「竹村りゑの木曜日のブックマーカー」4月7日放送分)

          ※スマホの方は、右上のSpotifyのマークをタッチすると最後まで聴くことができます。 <収録を終えて> 言論統制されている近未来を舞台に、収容され矯正を受ける作家を主人公にした小説というと、桐野夏生さんの『日没』(岩波書店)に近いものを感じます。(ちなみに、『小説禁止令に賛同する』は2018年2月刊行、『日没』は2020年9月刊行、という時系列があります) どちらの小説も非常に独特かつ大変面白いのですが、『日没』は主人公の一人称で、様々な出来事を現在進行系の実体験として

          いとうせいこう『小説禁止令に賛同する』(書評ラジオ「竹村りゑの木曜日のブックマーカー」4月7日放送分)

          書評ラジオ「竹村りゑの木曜日のブックマーカー」2022年3月のラインナップ

          冬から春になるときが一番、人間も動物なのだなと感じます。 日に日に太陽の光がくっきりとして、地面が温まっていく様子。 草花が芽吹いて緑も増えると外を歩くのが楽しくて、すると鳥の鳴き声や風の香りを感じたりして、五感から自分の身体が目覚めていくような気がします。 世界では夏や秋から新学期が始まる国も多いそうですが、日本の四季を考えると、うきうきと何かを始めたくなるような、バネがぴょんと飛び出るような弾む気持ちを感じられる春は、新生活を始めるのにぴったりな気がします。 それで

          書評ラジオ「竹村りゑの木曜日のブックマーカー」2022年3月のラインナップ

          2021年度の総まとめ!金沢ビーンズ書店員さんと振り返る、今年度のブックマーカー!(『竹村りゑの木曜日のブックマーカー」3月31日放送分)

          ※スマホの方は、右上のSpotifyのマークをタッチすると最後まで聴くことができます。 <収録を終えて> 『竹村りゑの木曜日のブックマーカー』のスポンサーである明文堂書店で、プランナーを務めてらっしゃる表さん。 番組がまだ『火曜図書館』(放送曜日が火曜日だった時代があるのです)だった頃から、ブレーンとして紹介本のラインナップを一緒に考えてくださっています。 今回は、番組や2021年の出版業界の振り返りをしました。 表さんとのお喋りが楽しくて、聞き返すといつもより自分の声が弾

          2021年度の総まとめ!金沢ビーンズ書店員さんと振り返る、今年度のブックマーカー!(『竹村りゑの木曜日のブックマーカー」3月31日放送分)

          ペーター・ヴォールレーベン『樹木たちの知られざる生活』(書評ラジオ「竹村りゑの木曜日のブックマーカー」3月24日放送分)

          ※スマホの方は、右上のSpotifyのマークをタッチすると最後まで聴くことができます。 <収録を終えて> あなたは心配性、あなたはおおらかタイプ。 人によって性格は違うものですが、実は木の一本一本にも、それぞれの個性があるのです! さらに、性格の違いがあれば、他の人(他の木)との関係の築き方も違ってくるのも人間と同じ。 木の世界にもコミュニケーションのための言葉(香り)があったり、枝の伸ばし方についての親から子への教育方針があったり……私達の知らない木々の世界は、こんな

          ペーター・ヴォールレーベン『樹木たちの知られざる生活』(書評ラジオ「竹村りゑの木曜日のブックマーカー」3月24日放送分)

          宇野常寛『遅いインターネット』(書評ラジオ「竹村りゑの木曜日のブックマーカー」3月17日放送分)

          ※スマホの方は、右上のSpotifyのマークをタッチすると最後まで聴くことができます。 <収録を終えて>  作者である宇野さんの目から見たメディアリテラシーについて語られた本です。インターネットのような「情報技術」が発達したことによって、資本主義はどう変容しどんな断絶を生んだのか? 政治に求められるものはどう変わったのか? 私達の快楽の形も変わったのではないか? など、経済・政治・風俗の3方向からの観点が綴られています。    番組の中でもお話をしましたが、私が一番印象的だ

          宇野常寛『遅いインターネット』(書評ラジオ「竹村りゑの木曜日のブックマーカー」3月17日放送分)