中国のモソ族は母系制を採用しており、

という。相続も主権も女性が握っており、婚姻は通い婚で、父親が誰であれ母親の家庭で育てるらしい。女性の仕事にしても裁量があって、休みたい日は休めるし、財産の管理など細かい仕事はあれども比較的自由で幸せそうだ。

一方、男性は仕事はあれども基本的に自由に暮らしており、通い婚なので実家を出ることもない。

一緒に暮らさないので、結婚していても細々したことで喧嘩したりせずに済むし、死ぬまで恋人のような距離感で付き合えそうだ。

このモソ族の話を聞いて、「いいなあ」と思ってしまった。

私が生業にしているエンジニア界、IT業界は基本的に男社会でいつも周りを悩ましい男性たちに囲まれており、日々様々な理不尽や生きづらさを感じる。

もちろん男性の中にも有能な方はいるのだが、関わる男女比の問題でポンコツに当たる割合もそれなりに高くなっており、男性に対する不信感は増していくばかりである。最近では九分九厘「残念」という判断を下している。

そんなこともあり、普段「男女平等になって欲しい」と口にしている。

でも、モソ族の話を聞いた時、心の奥底では、男女平等を通り越して女性優位になって欲しいと思っている自分に気づいた。

よくよく考えて見ると、フィクションなどでも女性優位な社会、母権社会が登場すると嬉しく、むしろ男性よりも強い女性の方が好きだった。いわゆるJRPGに出てくるようなトロフィーヒロインや、可愛らしいだけなタイプの女性キャラクターが登場すると嫌で顔をしかめている。

そんな私の、好みの女性はバラライカ。

まあ、完全に女性優位な社会で男性が女性の奴隷のようになっている社会は行き過ぎとしても（とはいえ男性優位社会が1000年くらい続いているので1000年くらい逆になっても良いのではないかと頭の隅で思いつつ）、モソ族遊んで暮らせるならそっちの方がいいという男性は多いのではないか？

「女性の方が計画を立てて管理が出来る」というのは一概に言えず、個人差があるとは思うが、十分な能力を持っている女性は多いだろう。

それに、通い婚制度も魅力的だ。日本でも平安時代頃は通い婚だったし、最初は「それってどうなの？」と思っていたが、よく考えて見ると、結婚に伴う旦那のモラハラとか、家事育児がどうのといった問題、格差婚の概念も無い。

一緒に住まないことで相手を新鮮に感じ続けられる気がするし、お互いの関係に慣れ合わず、尊敬を持ち続けられるような気がする。私が結婚のデメリットだと感じている問題はほとんど解消されそうだ。

はぁ……いいなぁ……モソ族。母系社会。うらやましい。

もし移住しやすそうな国で母系社会があれば、移住したい。生まれ変わって人間に生まれないといけないなら、女系社会に生まれたい。

キリスト教や仏教を始めとした女性を蔑視する宗教の台頭により、男性優位の社会がこれまで続いてきたが、これからの時代の変化に伴って、女性優位の社会が再び登場しても不思議では無いと思う。

日本も男女平等というか、男性にフォーカスした社会が改善されれば良いと思う。

男性は男性で大変なんだというのは分かるが、結局のところ、左利きの人が右利き社会で様々な生きづらさを感じるのと同じように、社会は男性にとって都合が良いように作られており、女性は男性が想像もつかないような点で生きづらさを感じている。

誰しも生きやすいような理想の社会になって欲しいのは確かだが、夢のような女性優位の社会を考えると、この疲れた心も癒されるようだ。

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