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世界各地に広がる七夕まつり

 七夕といえば日本の風物詩……なんとなくそんなイメージがあるが、実際の七夕の発祥は中国だし、それ以外にもアメリカ、台湾、フィンランド、ブラジルなどでも行われているらしい。

 中国はまだしも、日本の裏側であるブラジルでまで行われているというのは少し意外ではないだろうか。

 せっかくなので、各国の七夕祭りについて調べてみた。

中国

 本場、ともいえる中国では、何だか知らないが「バレンタインデー」と一緒になっているらしい。

「七夕おめでとう」
「七夕バレンタインデーおめでとう」

 と声を掛け合い、プレゼントを贈り合ったり、ディナーデートをしたりする行事と化しているそうだ。それに向けて各企業も様々なキャンペーンを展開し、クリスマス商戦のならぬ七夕商戦が繰り広げられるらしい。

 笹に願い事を書くメルヘンな行事とはかけ離れている。

 まあ、七夕と言えば、織姫と彦星の逢瀬の時間でもあるので、恋人のイベントになるという流れには納得できる。でもちょっと意外だ。

台湾

 基本的に中国と同じでバレンタインデー化しているようだ。

ブラジル

 毎年7月の週末に、日系人やブラジル人が集まって、サンパウロのリベルダージ(アジア人地区)で催される夏祭り的なイベントとなっているらしい。出店が立ち並び、和太鼓、日本舞踏、空手パフォーマンスなどの日本文化が披露される。また、こちらでは短冊に願い事を書いて竹の枝に吊るす儀式も行われるようだ。

 しかも短冊の色ごとに平和とかお金とか願いの種類が決まっていて、短冊自体も1ドル程度で売っている。よりイベント性が強い。

 どうも1979年に、仙台七夕祭りをもとに、サンパウロで七夕祭りを開いたのが始まりらしい。だから仙台七夕祭り風の催しとして開催され、結構歴史が長い。

 あまりブラジルの風土に詳しくはないが、リオのカーニバルのイメージ的に、お祭り好きな民族性に合っている……のかもしれない。

 私は個人的に、七夕を地味なイベントという位置づけにしていたのだが、それを遠い異国で再現しようと盛り上がる人たちがいることに驚いた。

アメリカ

 なんとロサンゼルスで開催されるらしい。Los Angeles Tanabata Festival……。語感が強い。

 これも仙台七夕祭りを継承したものらしいが、仙台の人たちは一体どれだけ七夕祭りに誇りを持って世界中に広めようとしているのだろうか。

 去年はリトル東京日本街(Little Tokyo Japantown)にある国立日系アメリカ人博物館(the Japanese American National Museum)で開催されたとのことなので、まあ基本的には現地日本人向けのイベントなのだろう。

 形式はブラジルと同じく、出店が立ち並び、七夕飾りが並び、それに加えて音楽ステージもたくさん出るようだ。ちょっとしたフェスみたいなものだろうか。

 2021年は中止になったようだが、今年はやるらしい。アメリカに居る方は参加されてはいかがだろうか。

 それにしても、地味に「リトル東京日本街」というネーミングにも驚いた。日本人街にリトルトーキョーなんてつけるんだ。まあアメリカの人からしたら分かりやすいよね…。
 リトルニューヨークとか、リトル北京とかそんな感じ? なんだか可愛い。

 ちゃんと短冊燃やしてる。本格的だなあ……。

フィンランド

 少し調べたのだが、フィンランドで七夕祭り的なものが開催されているのかどうかはよく分からなかった。

 ズラミスとサラミという二人の恋人を元にした、日本とは異なる伝説があるらしく、日本語の資料では、それが七夕伝説の代わりにもっともらしく引き合いに出されているのだが、どうも昔から伝わっているというよりも、近年の創作という印象を受けた。

 フィンランドの資料はスウェーデン語で記述されているのか、英語で調べてもあまり良い資料が出てこない。英語で調べられなかったらもう終わりである。なんて調べればいいか分からないし。

 こんな調子で日本の文化や、日本人が何を考えているのかということも、英語圏の人からは調べづらくて妙な感じに伝わってることがいっぱいあるんだろうな……。

まとめ

 各国の七夕について調べてみたが、やはりアジア圏を中心とした文化で、欧米では日本の文化を輸出するような形で楽しまれているらしい。

 ただ、日本以外でも同じように七夕をありがたがって祝う風習があるということで、心強くも感じた。

 あらためて日本のやり方を振り返ると、短冊に願いを込めて吊るすなんて、派手さはないが、風流でひそやかな催しだと思う。日本らしくて良い。

 ところで、あなたはもう短冊に願い事を書いただろうか。

 その願いが成就することを、私も祈っている。


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