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社会的弱者とは誰のこと?

最近よくテレビで聞く言葉。
「社会的弱者」

これはどういう事なのかと考える。
確かに障害者には出来る事と出来ない事があり、貧困層には頑張らなければいけない現実ばかりだ。
私は一般で働けなくなって A型作業所に通ってみて思ったことがある。
正直最初はイライラしていた。一般の働き方の方がそこでは通じない。
スムーズに進むことがスムーズに進まない。
これで給料をもらっていいのか?という感じだった。
通っていくうちにひとりひとり障害の特徴を知っていく。
すると、

この人たちはすごい!

に変わっていく。
私なら到底くじけるであろう体の人たちばかりが自分なりのやり方を見つけてうまい具合いにやってみせる。
一度、新年会のようなもので今年の抱負を発表するということがあった。
私は書いたんだけどとても長くなって今年の抱負とは内容が程遠くみんなの前で読むことはできなかった。
それはみんな同じだった様で病気になってからの自分の話や戸惑ったこと、苦しかったことなどを話してくれた。
私はそれを聞いて泣いてしまった。
みんな簡単に今になれたわけじゃない。
中には一番楽しい盛りに倒れてしまった人もいた。
きっとみんな読むことは辛かっただろうと思う。
何かが彼ら彼女らに読む力を与えたんだと思う。

強いな…すごいな…

これ以上の言葉が見つからないぐらいだった。
私にはまだその時、話せる勇気がなかったのかもしれない。
変に新年の抱負には当てはまらないから、とか考えてしまった。
みんなの足元にも及ばない。
そう思った程だ。
身体のハンデは別として、この人達に
「弱者」
という言葉は当てはまらないのではないかと思う。
むしろ、ずっと強い。
私はそこに通い出した時まだ一般でいけるんじゃないかと思うぐらいだった。
頑張れば。の話だ。
でもその1年後には誰よりもほとんどの事が出来なくなっていた。
私は当時ひねくれていた。
どんどんどんどん出来なくなっていくだけという現実はつらかった。
同時に、みんなこういう気持ちと戦ってきたんだなと感じた。
今はその時に誰も私を責めないし受け入れてくれたから私も少しは強くなれたかと思う。


次に貧困層。
以前書いたと思うけど、私は貧困家庭育ちだ。
食べ物が家になかった。水は井戸水だったから水道代がかからなかった為、出る限りは使い放題だった。
ガスが止まった日は当然お風呂は入れない。
電気が止まった時は早々に寝る。
そういった生活だった。
そんな生活だから当然、家族も不仲になる。
どうしてそこまで行き詰まるかと言うと助けてくれる人がいないからだ。
それでも私は大人になった。
家の修理もできるようになった。
大体のものは修理してまた使う。それが当たり前。
買い換えるなんて頭の片隅にもない。
洋服なんて何年も2、3着で過ごす。
これは実に、現代で言えば地球環境に優しい生活様式だ。
自然と必要最低限のものしかない。
そういう生活にしようと努力せずとも既にやっているわけだ。
食べるものがなければ諦めればいい。
1日3食食べなくても人間は死なない。明日食べるものがない。という状況になった時に焦ることはない。
なぜならサバイバーだから。
これは私の場合だけど、これが弱い人間ということになるだろうか。


社会的弱者というのはメンタル面でかなり強い。
弱い立場と言うがどちらがだ?と思う。
一般で働けないから、一般的な生活ができないから。
社会的弱者にしているのは社会そのものだ。
自分より弱いと思っている人間の方が実は強かったりする。
そういう言葉がある以上、社会的弱者は存在し続けるのだろうと思う。

最後まで読んでくださりありがとうございます。
スキしてくださった方ありがとうございました。 
それではまた…


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