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日本史上最強の戦士

「世界最強の戦士は誰か?」の問いに対して、よく全盛期のマイクタイソンやヒクソングレイシー、ヒョードル等の名前が挙がる。
もちろんそれらに異議はないんだが、彼らはプロのアスリートであり、あくまでリングの中の世界最強戦士である。
そういうリングの中とかの次元を超え、それこそ聖杯戦争的にガチンコ勝負をしたら誰が世界で一番強い?という男のロマンの話になると、おそらく我々が名前も知らないような軍人が最終的には勝つんだろうね。
なんせ、そういう道のプロなんだから。
確か剣豪・宮本武蔵は関ケ原の戦いに出たけど、大して目立った武勲は立てられなかったと聞く。
彼もまた「試合の中の最強戦士」であり、その本質はアスリートだったのかもしれん。
そう考えると、普通に戦場で武勲を立ててる軍人さんって凄いな、と思う。

皆さんは、旧日本陸軍伝説の最強戦士・舩坂弘をご存じだろうか。
彼は別に少佐とか中佐とかのエリート軍人ではなく、ただ戦場の最前線に配置された軍曹にすぎない。
そんな彼がなぜ有名なのかというと、めちゃくちゃ強かったんだよ。
銃の達人、および剣の達人であり、またタフさにおいても尋常ではなかったみたい。
どのぐらい尋常でなかったかというと、具体的に彼の戦場での動向を時系列で見てもらおう。

舩坂弘

【戦地=アンガウル島 米軍21000vs日本軍1200】
①舩坂、グレネード攻撃で米兵を100人以上殺傷。ただし所属部隊はほぼ壊滅、ゲリラ戦に移行する。
②船坂、足に被弾。ひどい重傷の為、軍医は治療を諦めた。
③舩坂、重傷のまま這って自陣に戻った。翌日、這っているうちになぜか回復、少し歩けるようになった。
④舩坂、米兵数名に囲まれるも、銃と剣で敵を殺傷して撃退。ただし腹部など全身重傷。
⑤舩坂、負傷箇所に蛆虫が涌く。死を覚悟し、敵司令部への単独特攻を決意。
⑥舩坂、ひとり4日間這い続けて敵司令部に到着。
⑦舩坂、敵の司令部を単独で奇襲。しかし銃撃を頸部に受けて自爆作戦失敗。
⑧舩坂、死体として安置所に放置されてたが、なぜか勝手に蘇生した。取り急ぎ、捕虜として収容所に収監。
⑨舩坂、収容所の監視の目を盗んで、基地弾薬庫の爆破に成功。
⑩舩坂、同じく監視の目を盗んで、今度は基地飛行場の爆破を試みたが失敗。
⑪舩坂、あまりにタフすぎて米兵から逆に尊敬されるようになった。

・・・和製ターミネーターだね。
もはや人間のレベルを超越してるよ。
ちなみに「ゴールデンカムイ」の主人公・不死身の杉元のモデルは、この舩坂軍曹だといわれている。
しかし、我々は旧日本軍が太平洋戦争で米軍にコテンパンにされた史実を知ってるので、いまだ米軍が「日本はチョロかった」と見下してるのではないかという思いすらあるんだが、実際我が国と戦った米兵は皆、口を揃えて「日本の兵士は強かった」と語っているらしい。
日本軍が強かった、ではなく、日本の兵士が強かった、である。
そう、問題はそこ。
せっかく現場の兵士が粉骨砕身で頑張ってるのに、その頑張りを全部チャラにしてしまうのが日本の司令部である。
これが、びっくりするほどの無能。
戦国時代なら黒田官兵衛や竹中半兵衛など数多く優秀な軍師がいたんだが、少なくとも豊臣軍より遥かに巨大になったはずの大日本帝国軍において、本来なら軍師の人材不足も何もないはずだろうに・・・。

あと、舩坂軍曹に負けず劣らず私が凄いなと思ってるのが、戦争が終わってもなおフィリピン・ルバング島で約30年間潜伏し続けたことで有名になった小野田寛郎少尉である。
ジャングルの中で約30年間、孤立無援で生き続けたって普通に凄くない?
サバイバルの教本みたいな人だな。
戦後フィリピン側が何度も捜索の為にジャングルに入ったが、小野田少尉と遭遇すれば戦闘となり、毎回捕獲に失敗したという。
実はこの人、あの有名なスパイ養成機関「陸軍中野学校」出身なんだ。
そう、公式に諜報員としての訓練を受けてた人である。
潜伏、攪乱のプロ、いうなれば「昭和の忍者」。
そりゃ手こずるのも当然か。
また忍者ゆえに任務遂行への意志が鉄のように固く、フィリピン側が「戦争は終わった」という内容のビラをジャングルに大量散布しても、彼は「これは敵の攪乱作戦だ」と判断して投降しようとしない。
それどころか、フィリピンは米軍の手に落ちた⇒いまやフィリピンは日本の敵国だ、と判断したのか、破壊工作を仕掛けてくる始末・・・。
そんなこんなで30年。
とはいえ、帰国後に少尉が明かした話では、実は島で新聞を入手してたから終戦の事実は把握してたようだ。
そりゃそうだろう。
仮にも諜報員、正確な情報を掴むことはむしろ専門分野である。
ならばなぜ投降しなかった?の問いに、彼は明言を避けたようだ・・・。

小野田寛郎

舩坂軍曹と小野田少尉、このふたりに共通してるのは、とにかく鉄のように固い意志、そして異常なほどのタフさである。
特に小野田少尉はジャングルに約30年潜伏って、彼は絶対縄文人のDNA濃い人だよね。
また、撃たれても撃たれても蘇る舩坂軍曹にしても、同様に縄文人っぽいイメージがある。
両者がいたアンガウル島にしてもルバング島にしても舞台となったのは森であり、私としてここで「森の中では日本人最強説」を唱えさせてもらいたい。
古代から平地で文明を築いてきた黒人や白人と異なり、我々日本人の祖先・縄文人は森の中で文明を1万年維持してきたんだ。
ゆえに、だだっ広い平地での真っ向勝負どつき合いはともかく、樹が生い茂った森林・山岳でならゲリラ的戦法で日本人は忍者っぽく闘えると思うんだよね。
ある意味、その舞台でならタイソンやヒョードル相手でも渡り合えるような気がしなくもない。





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