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言葉の宝箱 0509【色々考えなければ体得できないことが、人生には確実にある】

『東京ダンジョン』福田和代(PHP研究所2013/5/21)


地下鉄の新線開業を間近に控えたある日、保線作業員の的場哲也は勤務中にトンネルの中で怪しげな人影を見つける。インターネット上でも東京の地下に「地底人」が出現するという噂が飛び交っていた。そんな中、的場は母から弟の洋次が鬼童征夫なる経済学者が主宰する怪しげな勉強会に通っていると相談を受ける。事情を探るために鬼童の講演会に出かけた的場はそこで意外な人物を見かける。東京の地下鉄や地下街に爆弾を仕掛け、「東京の地下を支配した」と宣言するテロリストたちの意外な正体とその目的とは何か?複雑怪奇な地下迷宮(ダンジョン)と化した東京の地下を舞台に繰り広げられる攻防、サスペンス。


・安全のためには適度な緊張感を保つことも必要だ P6

・世の中誰もが、
自分と同じようにものごとを考えると予想するほど浅はかなことはない。
ところが、
そう考える人間があまりに多いので、現実には衝突が絶えない P168

・アルコールは一滴たりとも身体に入れないことにしている。
あんなもので自分の神経をなまくらにするなんて、
馬鹿げていると思わんかね P175

・人の関心を摑むには、多少のオーバーアクションも必要だ(略)
一度なんらかの刺激を受けた人間は、次はさらに強い刺激を求める。
過激さは次第に度を増すというわけさ P185

・現実以外のものに振り回されて、得した記憶がないんだ P187

・友人・知人の連絡先が消えるということは、
人間関係を一からやり直すことにも等しい P243

・一般人がみんな
にわかジャーナリストのような意識を持つようになったかと思うと、
気味が悪いな(略)
根底にあるのは、「目立ちたい」という欲求なのかもしれない。
自分が誰の目にもとまらないことが耐えられない。こっちを向いてほしい。自分の存在を承認してほしいという欲求だ P305

・会社に入ると会社員の日常が待っているでしょう。
慣れない仕事に必死になって、崇高な理想も、
より良い生き方を求めることを忘れて、
ただ日々の生活に追われてしまう(略)
そうなると、もうそこから逃げられない。
日常にからめとられて、ひたすら――消耗する P338

・日常に疲弊することにも意味があるんだ。
そうなってみて、
色々考えなければ体得できないことが、人生には確実にあるんだ。
それが生きるということだ P338

・今すぐ何かが起きるとは思えない。
――まだ、今は P344

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