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言葉の宝箱 0528【努力をした結果、それが実る人と実らない人がいるんではなくて、実るまで努力を続けた人と、実る前に努力をやめた人がいるだけなんだ】

『ヒカルの卵』森沢明夫(徳間書店2013/10/31)

山間の小さな集落に革命を起こしてしまった
愛すべき主人公と仲間たちの物語だが、愉快な話ばかりではない。
鶏の世界にもいじめはある。
現実を直視し、人間の素敵な生き方がこの本にも描かれている。

森沢明夫はあるインタビューでこう語っている。
「新聞やテレビで見る現実は、汚いことばっかり。
せめて小説の世界ではきれいなものに触れていなければ、と思うんです」「基本的に僕は、自分の子どもが将来読むことを想定して、
作品を書いています。小説もエッセイも絵本もすべて。
父ちゃんが死んだら、本を読んで人間の素敵な生き方を知ってほしい。
そんな遺言みたいなものです」

・ストレスを抱えた者が、
自分より弱い者を見つけ、そのストレスをぶつける。
ぶつけられた者が、今度はストレスを溜めて、別のはけ口を探す――。
いじめにある無意味な循環 P105

・命ってよ、馬鹿にするほど弱かねえんだ。
環境を変えてやれば、じわじわ~って、
生きる気力が湧いてくるもんなんだ P106

・人間の心ってな、絶対に傷つかねんだってさ(略)
自分では傷ついたと思っても、
それはただ磨かれているだけなんだって(略)
人生いろいろって言ったけどもよ、
そのいろいろってのは全部ヤスリなんだ。
ヤスリってよ、ザラザラしてっから、心をこすられれば痛てえべ?
でもよ、それをぐっと我慢して、
痛みを乗り越えれば、ヤスリで磨かれた心は、
前よりもピッカピカになって、珠みてえに光り輝くだって P118

・ときには損を覚悟で善をとる勇気が必要 P130

・商売とは、お客様から大切なお金を頂く代わりに、
その代金以上のサービスをして喜んで頂くことです。
お客様に、ありがとうございました、と言うのは、
お金をくれたことと、サービスで喜んでくれたことの
両方に対して言うのです(略)
売る方も、買う方も、互いに幸せになる。
それが商売の神髄です P189

・まだ起きてもいねえ未来のことを不安がって、
せっかくのいまを暗い気分で過ごしてもしようがねっぺ?(略)
過去のことだっておなじだよ。
過ぎたことを思い煩って、いまを不幸に過しても、損なだけだべ?(略)
人間ってのはね、過去も未来も生きられねえの。
生きられんのは、一瞬のいまだけ。
だから、いまこの瞬間を感謝の気持ちで生きて、
それを、ひたすらずっと続けていくだけ。
だって、それが幸せな人生を送るってことなんだから P235

・努力をした結果、
それが実る人と実らない人がいるんではなくて、
実るまで努力を続けた人と、
実る前に努力をやめた人がいるだけなんだって P241

・裕福と幸福ってのは、別もの P313

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