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言葉の宝箱 0507【他人を憎んだり、恨んだりすると、必ずそれが自分に跳ね返ってくる】

『怪物』福田和代(集英社2011/6/10)


定年を間近に控えた刑事香西には死の匂いを嗅ぎとる不思議な能力があった。その力を手掛かりに不審な失踪事件を調べるうち、彼はゴミ処理施設で働く青年真崎に辿り着く。「処理場で人間の身体くらい溶かせる」と事もなげに言う真崎。端正な顔立ちのこの男が事件の犯人なのか。二人の息詰まる攻防戦が幕を開ける。正義と悪の概念が根底から覆される長編ミステリー。


・法で裁くことができない。
それだけの理由で、冷酷極まりない人殺しが自由に天下を歩き回っている。そんなことがなぜ許されるのか。なぜ天罰がやつの上にくだらないのか。
うっかり、海や川に落ちればいい。交通事故にでも遭えばいい。
何度も何度も、そう願った P13

・時効なら罪を償わせることはできないかもしれないけど、
何もかもそいつの思い通りにならないってことを、
わからせてやってください P127

・他人を憎んだり、恨んだりすると、
必ずそれが自分に跳ね返ってくる P130

・どんなに頭のいい人間でも、
窮地に立たされるとものごとを論理的に思考できなくなる P154

・みんな心残りを山ほど引きずりながら、辞めていく P216

・私生活については、なるべく真実を語るに限る。
嘘は少なければ少ないほどいい P253

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