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HPVワクチン(子宮頸がんワクチン)を接種した男性です

HPVワクチン(子宮頸がんワクチン)の接種は男女両方の感染予防と病気の予防になります。だから男性である私も接種しました。日本で未承認だった9価ワクチンのガーダシル9を接種しました。私にとって筋肉注射の痛みは小さく、私の心身には何の不調もありませんでした。ずいぶんと前の体験であり、たいした特徴はありませんが、大切なことなので記事にしました。この記事の前半では私の個人的体験を、後半では社会的背景を書きました。この記事は約3600字あり、全文無料です。名乗り遅れましたが、街河ヒカリと申します。

1 個人的背景

私(街河ヒカリ)は「HPVワクチンの接種率を上げることは、社会全体で取り組むべき課題である」「諸外国と同様に日本においてもHPVワクチンの接種を政府・行政が公的に推奨すべきである」「男性か女性かの区別に関係なく、HPVワクチン接種には有用性がある」と考えています。その理由は、この記事の後半に書きます。

私がHPVワクチンを接種した時期は最近でなく、ずいぶんと前です。当時20代男性だった私がHPVワクチンを接種することには3点の意義があると考えました。1点目に、私の感染予防。2点目に、私から交際相手・結婚相手への感染予防。3点目に、私がHPVワクチンの接種を誰かに推奨する場合、私が接種した体験談を含めて対話をすることで、説得力を強化することができる。

もちろん接種未経験の人が誰かに接種を推奨することはまったく悪いことではありません。

個人的体験より客観的・統計的データを重視すべき。

私の方針をここで強調しておきます。

2 個人的方法および個人的結果

ワクチンの「価」は、対応できるHPV(ヒトパピローマウイルス)の種類の数を表してます。9価のワクチンなら9種類のHPVに対応できます。

日本において公的に承認されているHPVワクチンは2価と4価のみでしたが、2020年7月21日に9価であるシルガード9(Silgard 9)が承認されました。詳細は下記のウェブページをご覧ください。

私が接種した正確な年月日をここに記すことは避けますが、当時は9価ワクチンが未承認でした。しかし私は最も広い範囲のHPVをカバーするため、9価ワクチンを選択しました。

9価ワクチンの接種が可能な病院を探し、9価ワクチンであるガーダシル9(Gardasil 9)の接種を予約しました(シルガード9ではありません)。

1回目の接種のために病院に行き、診察室に入ると、医師の方から接種を希望した理由を尋ねられました。「不審に思っている」という意図ではなく、純粋に興味を持ってくれていると私は解釈しました。私はまったく不快に感じませんでした。私が質問に答え、その後、注射でした。

「筋肉注射は痛かった」と言う人もいるようですが、私にとっては軽い痛みでしたし、インフルエンザの予防接種の注射と同程度の痛みだと感じました。その後も私の心身には何の不調もありませんでした。

2か月後に2回目、6か月後に3回目の接種を終えました。

接種して良かった!

どうやら男性のHPVワクチン接種を断っている病院もあるようですが、私が利用した病院は男性への接種を推奨しているそうです。病院名を書きませんが、東京都内のある病院です。

ガーダシル9は未承認だったため個人輸入に依存しており、保険未適用だったため1回3万数千円でした。3回の接種が必要なため、合計10万数千円となりました。全額が自費でした。私はこの金額を出すことに躊躇しませんでした。それだけの意義があるからです。

しかし10万円を出せない方々もいます。だから私は男性のHPVワクチン接種の自己負担額軽減または定期接種化を実現させるべきという意見を持っています。

さて、私が接種した後、社会情勢の変化がありました。ここから先では、様々な記事から文章を引用します。

3 社会的背景

大阪大学大学院医学系研究科の八木麻未特任助教・上田豊講師らの研究グループが発表した研究成果の記事から引用します。下記の診断数と死者数は、日本における人数です。

子宮頸がんは女性特有のがんであり、若い女性に多く発症します。毎年約9,000人が新たに子宮頸がんと診断され、約2,000~3,000人が子宮頸がんで亡くなっています。この子宮頸がんの主な発症要因としてHPVの感染が挙げられ、感染を防ぐためには、HPVワクチンが有効であることがわかっています。日本では2010年度から13歳~16歳を対象とした公費助成が開始され、2013年4月からは12~16歳を対象とした定期接種となりました。しかしながら、副反応への懸念から、同年6月以降、厚生労働省による積極的勧奨が差し控えられた状態が続いています。HPVワクチンの安全性については、厚労省の祖父江班の調査にて、ワクチンを接種していない女子においても、接種者に見られる症状と同様の多様な症状が認められることが示され(厚生科学審議会資料)、また、名古屋市の調査では、ワクチン接種との関連が懸念された24種類の多様な症状が、接種者と非接種者で頻度に有意な差が認められなかったことが報告されています(Suzuki et al. Papillomavirus Res., 2018)。

出典:「 HPV ワクチン接種率の激減によって増加する子宮頸がん罹患・死亡者の推計人数 」2020年10月21日

次に、医師である久住英二氏の記事から引用します。

 HPV4価ワクチンは2013年に定期接種化された。対象は小学校6年生から高校1年生相当の女子だ。ところが、政府はわずか2カ月で積極的勧奨(対象者のいる世帯への予診票送付)を中止。以降、接種率は急速に低下した。当初70%超あった接種率は、2016年には初回0.6%、3回完遂0.3%で、現在も1%未満のまま回復していない。

出典:久住 英二「「子宮頸がんワクチン」男も打つべき2つの理由」東洋経済オンライン、2020年12月6日
世界的には、男性も接種を受ける動きが広がっており、日本でもようやく議論が始まった。厚生労働省は11月20日、HPV4価ワクチンの適応に男性を追加する方針を発表した。
 男性も打つべき理由は大きく2つある。1つは、子宮頸がんがHPVのピンポン感染によって広がっていくためだ。もう1つは、中咽頭がんや肛門がん、さらには直腸がん、陰茎がん、性感染症である尖圭(せんけい)コンジローマも、ほとんどがHPVによることがわかってきたからである。

出典:同上

次に、岩永直子氏の記事から引用します。

子宮頸がんの原因となるヒトパピローマウイルス(HPV)への感染を防ぐとして、日本では女性のみが接種対象として承認されてきたHPVワクチン。
このワクチンの一つ「ガーダシル (4価ワクチン)」(MSD)について、厚生労働省は12月25日、男性接種と肛門がんへの適応拡大を承認した。
(中略)
これまでは男性への接種は「適応外使用」だったので、万が一、接種後に不具合が起きても公的な補償が受けられなかった。国のお墨付きを得た今後は、医薬品医療機器総合機構(PMDA)の補償を受けられるようになる。
また、今のところ、男性は任意での自費接種(3回接種で5万円前後)となるが、今後、女子と同様、公費で受けられるように定期接種化が検討される。

出典:岩永直子「HPVワクチン 男性接種を厚生労働相が承認」BuzzFeed、2020年12月25日

アメリカ、イギリス、オーストラリア、カナダなどでは、女性だけでなく男性へのHPVワクチン接種も政府が推奨しています。オーストラリアでは88%、アメリカでは64%の男性がHPVワクチンを接種しています(出典:みんパピ!)。

男女を問わず著名な方々もHPVワクチンを接種してます。

出典:https://twitter.com/Hiroki_Komazaki/status/934045062022946827

出典:https://twitter.com/mph_for_doctors/status/1217573790672195589

出典:https://twitter.com/hayakawagomi/status/1328593378565648384

4 最後に

さて、私のこの記事にはたいした新規性も独自性もありませんが、大切なことなのでこうして記事にしました。この記事がHPVワクチンを接種する社会動向の一助になれたら幸いです。

本記事の執筆にあたり、「みんパピ!」を参考にしました。

以上です。今後も街河ヒカリをよろしくお願いします。

ありがとうございました。

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