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第3章 あなたにとって最高の資格を選ぶ

資格でつくる戦略的人生ロードマップ
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資格を選ぶには?カタログを最初に見てはいけない

資格は威力を持っています。しかし、使い方によっては自分が振りまわされてしまうことがあると、前章でお伝えしました。その最初の失敗が資格選びです。

多くの場合、資格の図鑑のようなものを見て資格を探します。または、雑誌などについてくる資格のカタログなどを見て、なんとなく資料請求してしまう傾向にあります。

もちろん、資料を集めるのは決して悪いことではないのですが、そのまま資料請求し、勉強をなんとなく始めてしまうと前章で紹介したような罠に陥りやすいのです。

では、どのように資格を選ぶことが大事なのでしょうか?

資格を選ぶときに重要なのが、資格のカタログや図鑑などから始めないことです。比較するのではなく、「見ないこと」、これが大事なのです。

順を追って説明しましょう。

資格をカタログから探すと、いったいどうなるのか。まずは興味のあるジャンルを探します。法律・会計にしようか、それとも語学力にしようか、またはクリエイティブ系かIT系か……。このようにジャンルから選択します。

そして、たとえば独立起業もできそうな法律・会計を選んでみる。行政書士、社会保険労務士、税理士、司法書士などたくさんの資格があります。その中で、「合格率が高くて、使えそうな資格がないかな」と、さらに資格を探します。

「どうやら行政書士か社会保険労務士の資格が難易度的にも妥当だし、収入も稼げるらしい。よし、まだ新しいほうの社会保険労務士を選ぼう。社労士になろう!」

こういう決意をしてしまいます。そして、試験を受けて無事、社労士になれました。

しかし、こういった資格の選び方をしてしまうと、その後は何がしたいのかわからない状態になる可能性がきわめて高いのです。

「社労士にはなったけど、次はどうしたらいいの……?」という状態になってしまい、意味もなくダブルライセンスの取得に走ったり、資格を使うことができず、腐らせてしまう結果になってしまったりするのです。

何度もお話ししているとおり、重要なのは資格の種類ではなく、あなた自身が何をしたいのか。自分が本当にやりたいことを考えることが、カタログを見るより先なのです。漠然としたイメージでもかまいません。いったいあなたは、どのような状況が実現できたら最高ですか?

たとえば行政書士。これを選ぶにも、「合格率が現実的」「年収が見込める」「将来性がある」などの選択基準で選ぶと、取得してから苦労します。

行政書士を選ぶのでしたら、「法律に関係する仕事がしたい」「できれば大きい会社相手ではなく、小さな会社や個人を相手にしたい」「誰かに振りまわされずフリーで動きたい」……。本来はそういったことを思い浮かべてから、資格を選ぶべきなのです。

こうした理由で行政書士を取得するなら、資格取得から開業後までがイメージできているので、資格依存症にもなりにくいですし、悪しき専業理想主義にとらわれることもありません。まずは、自分自身が本当にやりたいことを考える必要があります。

せっかく何十時間、何百時間と勉強して資格を取るわけですから、無駄にはしたくありません。あなたにとって最適な資格を最初の段階で選ぶべきです。

また、ステータス資格であっても考え方は同じです。カタログを見て、ウェブデザイナー系のステータス資格などを見て「これからはウェブデザインくらいできないと」という考えで選択しないこと。一見常識的な判断のように見えますが、自分のやりたいことと離れてしまっている可能性があります。

ですから、「自分がやりたいことのためのスキルアップ、あるいは信頼証明になる資格はどれか?」という視点で選択してください。

たとえば、「自分はウェブデザイナーになりたい」のだから「Webデザイナー検定」を受けるというような手順で選択してください。小さなことのように思えますが、やりたくないことは続きません。じっくり自分の気持ちと対話して、選択してください。

さらに、これまですでに一定のキャリアがある場合の資格選択基準としては、キャリアを生かすというのがひとつの基準となります。見せ方にもよりますが、まったくかけはなれた資格を取ると、キャリアに一貫性が欠けます。

自分自身のキャリアと一貫性があり、①自分の能力を高めるスキルアップ的な要素、②仕事の幅を広げる要素、を選択基準にするといいでしょう。

質問を変えると、「あなたがどのような能力を高めたら、お客様は仕事を頼みたくなりますか」というものと、「もしあなたに別の能力があることで、お客様が喜んでくれるとしたら、それはどのような分野の能力ですか」ということになります。

たとえば、ウェブデザインをやってきた人が、色彩検定を取得し、仕事のバリエーションを増やすというのはよい選択です。ただし、これも「自分自身の本来やりたいこと」が重要ですので、やりたくない分野を選んでしまわないように気をつけてください。

以上のように、「まずはカタログから」という考えはなくしてください。

「自分がどうなりたいのか」、まずはここを考えることが、戦略を練るうえで最も重要になります。これは、スキル資格でもステータス資格でも、考え方は同じです。

「自分がやりたい仕事をやるためにスキル資格を取る」ということ、「自分がやりたい仕事の能力を高めるため(あるいは証明するため)にステータス資格を取る」というスタンスでいることが重要なのです。

試験難易度と成功の実現性の関係は?

資格には当然、試験があります。なかには講習を受けるだけで取れる資格もありますが、多くの場合は試験があります。ペーパーテストだけのものが大半ですが、弁護士や司法書士のように面接のようなものがある試験もあります。

資格試験受験生にとって気になる話題として、「試験の難易度」というものがあります。試験を受ける以上、どうしても合格率や難易度、必要な勉強時間などが気になるものです。

一般的な認識として、「難易度が高い=高収入、安定している」「難易度が低い=低収入、安定しない」という図式があります。しかし、察しのいい方はもうお気づきだと思いますが、この図式はもはや崩壊しました。

法律系最高峰の難易度である弁護士ですら、この図式は成り立っていません。弁護士は試験合格後、司法修習という研修期間を経て、弁護士事務所に就職するのが一般的ですが、この就職すらできない状況にあります。

規制されていた広告も緩和され、弁護士は競争が激化する一方です。難易度が高い資格を取ったからといって、高収入で安定しているというのはもはや幻想なのです。

これとは逆に、試験の難易度が低いからといって、低収入で不安定だとはかぎりません。たとえば、DTPエキスパートという資格の合格率はその半数が合格するという試験ですが、その資格を取って活動したからといって高い収入が見込めないかというと、そんなことはありません。

実際にDTPエキスパートという資格だけでもって、ウェブサイト制作のクライアントを多数かかえて収益を上げているデザイナーは数多くいます。

結論として、難易度と成功率には、ほぼ関係がないといっていいでしょう。弁護士や公認会計士など難易度が高い資格は世間的認知度が「やや高い」くらいの有利な点はありますが、ほとんど関係ありません。なぜなら、どんな資格を取ったとしても、結局、資格を取ってからはゼロからお客を増やしていかなければならないからです。

難関の弁護士や司法書士を取ったからといって、弁護士会や司法書士会があなたの宣伝をしてくれるわけではありません。そういう意味では、どの程度の難易度かは、実はあまり問題ではないのです。

もし難関資格に受からなかったら……

資格の選び方としては、資格からではなく「自分がやりたいことから選ぶ」という視点が大事だとお伝えしましたが、ここでひとつ判断しなければならないことがあります。

それは、自分がやりたいことから選んだ資格が「難関資格」だった場合です。何年受け続けても受かるかどうかわからない資格の場合、試験合格に何年もかかってしまうことがあります。それでも合格できればいいのですが、その保証はどこにもありません。

こういうとき、「何年くらい受けたらいいのでしょうか?」と相談されることがあります。理想を言えば、「短期間でスパッと取得する」ことができれば言うことはないのですが、現実はそう甘くはありません。実際には、合格に何年もかかるケースがあります。

その場合、どのくらい受け続ければいいかは悩むところですが、こればかりは答えがありません。

この「試験を受け続けるか、それともやめて別の道を目指すか」というのは、単なる資格試験の判断ではなくて、人生の決断です。これを人に委ねてはならないと、私は思います。

やりたいことをやらなければ、必ず後悔します。ですから、やりたいことはやったほうがいい。どうしても自分自身のやりたいことに難関資格が必要であれば、それは取るしかありません。

その決断は私ではなく、あなたがするのです。自分の人生ですから、自分で判断を下すことは当然でしょう。

ただ、これだけではあまりにも無責任ですので、ひとつの目安として、特殊な資格を除き、2年真剣に受けてまったく受かる気配もないような場合には、別の選択肢を考えてもいいと思います。

脳や適性には、人それぞれ必ず違いがあり、場合によっては向いていないことをやっている可能性があります。2年間真剣に勉強してもまったく結果がともなわないような場合、不向きな可能性があります。

そのまま試験を受け続けてしまうと、5年も10年も試験のことだけを考えた人生になってしまう恐れがあります。試験のことばかり考えていれば、いま勤めている会社の仕事にも悪影響が出てしまうでしょう。

その場合は、逆に資格人生以外を考えるチャンスととらえ、新しい道を選ぶ段階だと考えるほうが賢明かもしれません。

難関資格に合格したからといって、約束された人生なんていまの時代にはありません。そんな幻想は捨てて、自分の人生を大切に考えてみてください。

たかが2年と言いますが、人生80年としたら40分の1の時間を費やすことになります。極端な例ですが、10年を試験勉強に使ってしまったら、人生の8分の1が「試験」です。

勉強したことは無駄にはなりませんが、資格の勉強をすることだけがすべてではないはずです。死んだ後、天国に資格は持っていけませんから、どこまで時間を費やすかは判断のしどころだと言えます。

たとえば、資格試験を受けるには家族の協力も必要でしょう。しかし、試験だけの人生が続けば、もしかしたら家族を不幸にしてしまうかもしれません。少なくとも「家族を不幸にすること」が資格取得の目的ではないはずです。

いま現在、このような資格試験のスパイラルに陥ってしまっている人は、あるいは気を悪くされるかもしれません。しかし、逆にこれは気づくチャンスでもあります。

勉強しかしないまま、収入も増えずに年老いてしまった可能性もあるはずです。いまから本当に自分のやりたい道に進むべく、切り替えていきましょう。

学生は資格浪人をしてはいけない?

学生の方も注意が必要です。就職活動がうまくいかず、もしかしたら大学4年生の段階では就職をあきらめ、資格浪人のような形で就職浪人を考えている方もいらっしゃるかもしれません。

もちろん、集中して資格に受かることは大事です。ときには勉強だけに取り組むこともあるでしょう。しかし、できれば勉強だけの20代は送ってほしくないのです。

理由は2つあります。ひとつは、就職は学生であるいましかできないこと。この機会を逃したら、その企業を選べる状況は二度とこないかもしれません。正社員経験がないと、転職すら難しくなる可能性があります。

「いつか独立起業するから就業経験なんて要らない」という意見もありますが、そうした方は普通のビジネス習慣やマナーを知らずに苦労します。これは私が身をもって経験しています。

正社員になったもののほんのわずかな期間でリストラ。さらに何もないところから始めたので、なんの商習慣やビジネスマナーも知らない状態でした。この状況から「普通になる」のは至難の業です。

逆に言えば、独立起業はいつでもできます。会社を辞めればすむことですから。しかし、就職活動はいましかできません。ですから、就職活動が面倒である、大変であるなどのような「逃げ」の理由で、資格浪人は絶対にしないでください。

2つめの理由。それは、20代がいちばん無理して(頑張って)働ける年代だということです。つまり、働いてほしいのです。

大人になってからの1年2年は、キャリアの積み方で人生が大きく変わります。

たとえば、25歳から資格試験の勉強しかしてこなかった30歳と、25歳からさまざまな経験を積んできた30歳では、どちらの人が伸びそうな気がしますか? 多くの方が後者を選ぶはずです。

あえて私が言うことではないかもしれませんが、時間は貴重です。人生は有限ですから、無駄に使うことはできるだけ避けたいところです。

大きな成功をおさめた人には、必ず「量」の下積みがあります。たとえば、上場した企業の社長も例外なく率先して、若いころから長時間労働をしています。私も23歳のとき、フリーランスで活動することを決めてから、1日12時間から14時間は最低働いています。そうした下積みは若いころにしておくことが重要なのです。

30代、40代になれば、確実に体力は落ちます。その年代になって量稽古を積もうとしても、身についていかないし、健康を損なうことすらあります。ですから、早いうちから働いてほしいのです。

学生の方には、このような2つの理由から、資格浪人をしないで働くことをお勧めします。30代になったときに、働いた経験がないというのは独立起業するにも就職するにも、苦労することは目に見えています。そこからの突破口がないというわけではないのですが、相当な努力が必要になってきます。

若いうちに、可能なかぎり戦略的にできることをやっておきましょう。

目指すはフリーランス型の資格、「稼げる資格を選ぶ」は間違い

資格のガイドなどを見ると、「資格取得者の平均年収」などが書かれています。実は、これが多くの人の資格選択基準を狂わせてしまっています。これにはカラクリがありますので、ここで分析してみましょう。

まず企業に勤めている人で資格取得者の年収事例。これはまったく当てになりません。たしかにSEなど、業界によって技術があれば、高給を取れる場合もありますが、多くの場合は「その事例の人が勤めている会社の例」であって、あなたの就職・転職活動、そしてフリーランス活動には直接は関係ありません。あくまで目安です。気休めといってもいいでしょう。

次にフリーランスの事例の収入。これも当てになりません。目安にはなりますが、フリーランスの収入は個人の努力によって決まります。ですから、DTPエキスパートの資格を持ったフリーのデザイナーが年収500万円稼いでいるという事例があっても、あなたに年収500万円の保証をしてくれるわけではありませんし、また500万円しか稼げないわけでもないのです。

資格の選び方のポイントは、先ほどもお話ししたとおり、「自分のやりたいこと」から見つけること。これが重要です。自分のやりたいことから探すわけですから、あなたにはこの資格がいいという断定はできません。

私にとって行政書士は最適な資格ですが、ほかの人にとっては最悪の資格になる可能性もあります。

資格選びの基準として、以下のポイントをあげておきますので、ぜひ参考にしてください。

【選択ポイント1】自分自身がやりたいこととマッチした資格を選ぶ
ウェブデザインをしたいから、DTPエキスパート。システム開発の仕事をしたいから、ソフトウェア開発技術者――。当たり前のように聞こえますが、実際には逆に考えてしまう人がほとんどなのです。

「DTPエキスパートを取って何をしようか」「ソフトウェア開発技術者を取って何をしようか」だと、自分の方向性が見えていないことになります。あくまで、資格は自分がやりたいことを実現するための手段であることを再認識しましょう。

【選択ポイント2】スキル資格とステータス資格を見極める
自分自身のやりたいことにスキル資格がどうしても必要ならば、その資格を取りにいきます。スキル資格はないとどうしようもないので、ここの見極めをしていきます。

これとは逆に、自分のやりたいことに必要そうな資格がステータス資格だった場合には、その資格の実績を見ます。要は自己紹介のときに、信用を得られるかどうかということです。

そのステータス資格が公的・国家資格であれば、信頼度は十分であると考えていいでしょう。民間資格だった場合には、どのくらいの受験生がいて、どのくらいの実績があるかを調べます。

ただし、この調査はあくまで目安です。なぜかというと、ステータス資格を取る理由は、①スキルアップ、②フリーとして活動したときに信頼を得やすくするため、この2点だからです。スキルアップについては、自分がその仕事をしていくわけですから当然として、問題は②をどう考えるかということです。それを次にお話しします。

【選択ポイント3】ステータス資格の選び方
人事担当者の話題で紹介しましたが、実際のところ、資格について多くの人が詳しいわけではありません。知らない人から見れば、行政書士も社会保険労務士も税理士もみな同じに見えます。

資格の難易度や内容について詳しく知っているのは、資格取得を目指す自分とその資格の業界、あとは予備校くらいのものです。実際にフリーランスとして動いた場合には、「資格について知らない人」を相手にするわけですから、資格のレベルなんて実はそれほど重要ではないのです。

たとえば、「財団法人生涯学習開発財団の認定コーチ」と聞いてどう思いますか? 知っている人は別として、「どこかの団体が認めたコーチなんだろう。なんとなくすごい」という感想を持つのが一般的ではないでしょうか。

わからない資格を聞いたときに、その資格の実績や取得人数などを根掘り葉掘り聞く人のほうが少数派のはずです。

つまり、ステータス資格を選ぶ場合の基準としては、①自分がやりたいことの分野にマッチしているか、②自分のスキルアップのために本当に必要かどうか、③自分の能力の証明としてふさわしいか、この3点が重要になってきます。

資格の難易度や歴史についてなどは、ほとんどの人が知りませんので、この3点にのみ絞って考えてみてください。ステータス資格の内容はあまり知られていないことが多いのですが、あまりにも信頼性のない資格では、その証明になりえません。最低限その調査はするようにしましょう。

そして、なにより大切なのが「資格を持っていること」ではなく、「自分は何ができるか」「資格の信用に見合った仕事ができるか」のほうです。自分を軸に考えることをつねに意識しましょう。

ダブルライセンス、トリプルライセンスの甘い罠

資格取得を支援する予備校では、「この資格を取ったら、次はこれだ」というような、いわゆるダブルライセンス、トリプルライセンスの指導をします。

ダブルライセンス、トリプルライセンスについては、「自分自身がやりたいことにどうしても必要であれば、取ればよい」というのが、私の結論です。逆の言い方をすれば、資格がたくさんあるからといって、成功できるとは絶対に言えないということです。

私は、やりたいことが決まっていれば資格はひとつで十分だと思っています。どうしても行政書士と社労士の事務所をしたいということであれば、2つ取ればいいと思いますが、「行政書士だけでは不安だから」という理由で別のライセンス取得に走るのは、あまりお勧めしません。

ダブルライセンス、トリプルライセンスは言葉の響きがよく、①仕事の幅が広がる、②自分に自信が持てる、などのメリットもあり、それだけで成功しそうな雰囲気を感じますが、実際には以下のようないろいろなデメリットがあります。

【デメリット1】資格がひとつでも複数でも、スタートは同じ
いざ資格を持ってフリーランスとして活動したとしても、ゼロから営業活動をはじめるという点では、スタートラインは同じです。資格がたくさんあるからといって、宣伝活動が楽になるわけではありません。ですから、スタート時に有利ということはあまりありません。

【デメリット2】仕事の幅が増えても、1日は24時間しかない
たとえば社労士、行政書士、司法書士とトリプルライセンスを持っていたとしても、1日が24時間なのは変わりません。つまり、1人の仕事量には限界があるのです。組織化してうまくやる方法もありますが、1人でさまざまな種類の仕事をこなすのは、効率も悪く非常に大変です。そういったデメリットがあることも知っておきましょう。

【デメリット3】複数資格を目指すということは、時間もかかる
 たくさんの資格を目指すということは、たくさんの試験を受けるということです。前述のとおり時間は貴重です。本当にやりたいことでなければ、資格取得に時間をかけるよりは、自分が本当にやりたいことに目を向けるべきなのです。

【デメリット4】いざフリーで動いたときに仕事が頼みにくい
資格をたくさん持っていると、何をしてくれる人かわからなくなってしまう可能性があります。

たとえば、「ソフトウェア開発技術者」だけならば、なんとなく「ソフトの開発なんかをしてくれる人かな」と思えますが、これに「テクニカルエンジニア」や「システム監査技術者」「プロジェクトマネージャー」などをつけられたら、何をしてくれる人だかわからなくなってしまいます。

こういう「なんでも屋さん」は一見仕事が集まりそうですが、人の記憶に残りにくく、実は仕事が集まりにくいのです。

 最後にもう一度資格の選び方をまとめておきます。

【1】自分がやりたいことを考えてから資格を選ぶ
【2】スキル資格かステータス資格かを見極める
【3】試験難易度から試験にかける時間をある程度決断する

重要なのは「どの資格を選ぶか」ではなく、あなたが何をしたいかです。

とくにステータス資格は極端なことを言ってしまえば、なくても仕事ができるわけですから、自分自身がやりたいことに必要な能力を証明してくれる資格を選びましょう。

※掲載されている内容は、作品の執筆年代・執筆された状況を考慮し、書籍販売当時のまま掲載しています。

本書「ごく普通の人でも資格を取ってきちんと稼げる本」は、当初「なぜ、人は資格に恋してしまうのか」と改題し、POWERCONTENTSPUBLISHINGより加筆編集の上再出版される予定でしたが、現在の刊行が未定となったため、現在は横須賀輝尚オンラインサロン四谷会議でその改変原稿を読むことが可能になっております。

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四谷会議は横須賀輝尚が考えていることの公開と実践と結果、検証、問題勃発などを一番近くで見られるところです。リアルタイムの舞台裏とでもいいましょうか。そのうえで考える力を身に付けてもらえるよう、毎日記事を投稿しています。コンセプトはGet "Think more."です。


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