第5章 資格で戦略的に人生を彩る 7つのステップ
資格でつくる戦略的人生ロードマップ
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ここまで資格の有効性、資格の罠、資格の選択方法、そして試験攻略法をお伝えしてきました。いよいよこの章では、あなただけの資格戦略をつくるための具体的なステップを紹介していきたいと思います。
ステップ1 自分の棚卸しをしよう
まずは、自分自身の棚卸しをしましょう。なぜ、この棚卸しが必要かというと、「資格にとらわれず、自分自身のやりたいことを見つける」必要があるからです。
資格の選択からしてしまうと、その資格にとらわれてしまうことが多々あります。そこで、資格選択の前に自分自身について深く知っておきましょう。
次のワークをやってみてください。非常に簡単なワークですが、あなた自身の方向性を見いだすためにとても重要なワークになります。
【1】自分自身のストーリーを書き出そう
自分の人生の中で、強く印象に残っているものは、自分の方向性を見つけるきっかけになります。たとえば、私が資格関係のコンサルタント業を始めたのは、過去の自分が「資格によって救われた」ことを人生ストーリーから見つけることができたからです。
そのほか、自分自身が困った経験や成功した経験を思い返すといいでしょう。
たとえば、過去、ある人にいただいたアドバイスがきっかけで、人生を前向きに考えることができたという出来事があれば、コミュニケーションを仕事にすることがひとつの選択肢になります。
【2】自分自身のスキルを書き出そう
あなた自身のスキル、キャリアを全部書き出してください。あなたの得意な分野が見つかります。これから取ろうとする資格だけでなく、過去のキャリアから自分自身がやってきたことを書き出します。
これは今後の戦略に使いますので、過小評価することなく、自分自身を客観的に見てください。
ちなみに、私自身の主なスキルは、「法律」「手続き」「話すこと」「書くこと」「企画立案」「戦略構築」などです。コンサルタント業は、この中の「話すこと」と「書くこと」、「戦略構築」などから現在の活動につながっています。これが「行政書士」しか念頭になければ、当然「法律」と「手続き」でしかものごとを考えなくなります。ですから、資格から離れることが重要なのです。
ステップ2 自分が本当にしたいことを「資格抜き」で考えよう
自分自身の棚卸しをしたあとで、今度は具体的に「やりたいこと」を見つけます。ここでは、「やりたいこと」「できること」「やれないこと」「やりたくないこと」の4分類で考えていきます。
自分自身の人生戦略をつくるのですから、「やりたくないこと」「やれないこと」ばかりを選んでも不幸です。これは、自分自身がやりたいと思う方向性を見つけるためのワークになります。
【1】あなたがやりたいことを「資格抜き」で書いてください
【2】あなたができることを「資格抜き」で書いてください
【3】あなたがやりたくないことを書いてください
【4】あなたがどうしてもできないことを書いてください
ここまで書くことができたら、少なくとも「分野」と「向かうべき方向性」が見えるはずです。
「法律」の分野で個人相手に仕事がしたい。「人と話すこと(コミュニケーション)」の分野で、個人相手に話すような仕事がしたい……。
現状では、必ずしもできなくてもかまいません。あなたが本来やりたいことの「分野」が見つかることが重要なのです。
せっかく資格を取得しても、自分が本来進みたかった分野と違っていたら、試験勉強のモチベーションも続きませんし、また仕事を精力的にこなすこともできないでしょう。
たとえば私がやりたいことは、「企画、話すこと、書くこと、出版、組織での仕事、スタッフ教育、新規ビジネス、コンサルティング、相手のモチベーションアップ」などです。
そして、できることが、先ほども挙げた「法律」「手続き」「話すこと」「書くこと」「企画立案」「戦略構築」。やりたくないことは、「飛びこみ営業、テレアポ」など。できないことは「細かい管理、大きな会社へのアドバイス、昇進する方法を伝える」などです。
やりたくないこと、できないことを挙げるだけでも、本来あなたが進みたい方向がわかるようになりますので、簡単な作業ですが重要なワークになります。
ステップ3 自分がしたいことの中で使えそうな「資格」を選ぼう
この段階に来て、初めて資格のカタログなり図鑑を見ます。
これまでの簡単なワークで、自分自身がやりたい方向性というのが見えてくると思います。その方向性に必要そうな資格を選ぶのです。
資格の種類については、第6章で主なものを解説していますので、そちらをご参照ください。
ステップ4 資格が「ステータス資格」か「スキル資格」かを見極める
あなたが選んだ資格が行政書士や社会保険労務士のような「スキル資格」である場合、どうしても必要になりますので、本格的に試験の戦略を練ることになります。
ただし、前述のとおり、スキル資格はその資格がないと活動できないため、資格取得することが目的になりがちです。そのため、本当に必要かどうか、自分自身で判断する必要があります。
私の場合、行政書士の仕事ありきでスタートしてしまったので、やりたいこととマッチしたのは幸運な偶然でした。しかし、本来は「相続をテーマにした仕事がしたい」などの目的があって、「では、それに必要であるから行政書士を取る」という形であるべきです。
本当に必要かどうかを、自分自身のやりたいことと照らし合わせて考えてください。自分自身がやりたいことの中で、「法律的な規制があるから資格を取る必要がある」というのが本来の形です。
これに対し、「ステータス資格」を選択した場合は、資格の取得も重要ですが、「本当の実力」を磨くことも重要ですので、資格取得を目的にすることなく、先を見据えておきましょう。
「ステータス資格」は種類が豊富にあることが多いので、能力アップのための受験と、「信頼」を得るための受験を分けると効果的です。たとえば、表向きは「ソフトウェア開発技術者」を名乗って、「プロジェクトマネージャー」などの資格も勉強して能力を高めておくというのがひとつの方法になります。
ステップ5 資格試験合格へのステップを練り、その先の戦略を見据える
資格が決まれば、第4章でお伝えしたとおり、試験勉強の戦略を練ります。
試験の戦略を練りながら、合格したあとのプランも考えておきましょう。これがモチベーションの維持にもつながりますし、その後の人生戦略が明確になります。
[例]
2009年 会社に勤めながら行政書士試験に合格
2010年 勤務しながらコンサルタントとしての活動開始、人脈をつくる
2011年 講演業、教材販売業などを同時に手がける
2012年 独立する準備
この構想は多少いい加減でもかまいません。構想することでモチベーションを上げ、目標を書くことでその目標を実現させる能力を身につける基礎となります。恥ずかしがらずに、自分の戦略を記入してみてください。
本書のはじめにお伝えしたとおり、やりたいことが見つかっても、必ずしもすぐに会社を辞めなければならないわけではありません。会社に勤めながら準備をすることも十分可能です。ただし、会社には就業規則などで副業の規定があることがありますので、その点は十分気をつけて活動してください。
ステップ6 勉強とのバランスを考えながら、フリーランス戦略を練る
実際に試験勉強を始めたあとは、自分自身が構想した戦略にのっとって活動することも考えていきます。スキル資格はそれを取るまで活動できませんので、試験に集中することが重要ですが、ステータス資格は能力があれば、資格がなくても活動することができます。
もし、あなたが自分の能力に多少なりとも自信がある場合、すぐにフリーランスで動くことを視野に入れてもかまいません。どこにチャンスが転がっているかわかりませんので、もし活動できる状態であれば、躊躇せずにフリーランスで活動をしてみてください。
具体的には、フリーランス活動用の名刺をつくって、セミナーや異業種交流会などに参加してみることが挙げられます。そこで反応を見ながら、本当に仕事が取れれば、フリーランスとしての成功の第一歩となります。
仮にその活動で仕事がなくてもリスクはありませんので、積極的に動いてみるのがいいでしょう。アクションを起こしてみることで、可能性はより高まっていきます。
ステップ7 合格後、段階的にフリーランスとして行動を起こそう
スキル資格もステータス資格も、無事合格したら、いよいよ活動スタートです。自分自身が本来やりたい方向性で、収入を増やしていきます。
資格取得の多くの理由が、「収入アップ」です。雇用されている状態では、収入を短期間で劇的に上げることはできません。自分自身がフリーランスで活動をし、収入を増やしていく必要があります。その具体的なステップは第7章以降で解説します。あなたのフリーランス活動にぜひ生かしてください。
※掲載されている内容は、作品の執筆年代・執筆された状況を考慮し、書籍販売当時のまま掲載しています。
本書「ごく普通の人でも資格を取ってきちんと稼げる本」は、当初「なぜ、人は資格に恋してしまうのか」と改題し、POWERCONTENTSPUBLISHINGより加筆編集の上再出版される予定でしたが、現在の刊行が未定となったため、現在は横須賀輝尚オンラインサロン四谷会議でその改変原稿を読むことが可能になっております。
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四谷会議は横須賀輝尚が考えていることの公開と実践と結果、検証、問題勃発などを一番近くで見られるところです。リアルタイムの舞台裏とでもいいましょうか。そのうえで考える力を身に付けてもらえるよう、毎日記事を投稿しています。コンセプトはGet "Think more."です。
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