待つ、という知性のこと
今週のテーマは、「待つ」
2000文字超えてるので少し時間かかるかも。
インターネットやSNSが完全に手放せなくなったいまの時代、情報処理の速度というか、コンテンツの消費速度がかなり速くなってきた。ということを確かtwitterでけんすうさんが書いてたのを思い出したんだけど、(noteだった↓)
そう、瞬間的なコンテンツ消費を促しているtik tokやinstagramのストーリーズ機能なんかの代表的な広告枠に着目して戦略が取られるようになってきていることからも、この時代の動きは明らかで、
いまの時代を生きる人たちは、たぶん、今までより待てないひとが多い、という仮説のもと、今日は「待つこと」の重要性にフォーカスを当てた話をしてみる。
ちなみにこの下の本では、科学的な考察のもと「待つこと」について体系的にまとめられているので、わかりやすくておススメ。
さて、そもそも「待つ」とは何かの認識を共有しておきたい。
例えば、自分がしたいことになかなか取り組む時間もお金もないけど、その機会が来るまで待つ、みたいな先延ばしのニュアンスとは分けて、
いま置かれている苦しい状況から、抜け出す機会が来るまで耐える、というニュアンスで書き進めたい。
なぜ「待つ」ということを重要視して取り上げているか。
それは、
待つ能力が高いひとほど、結果として、
人生の質を高められているのではないか、
と考えているから。
先日書いた記事内で紹介した「夜と霧」では、強制収容された人々の精神的変化を考察し、生き残ったひと、生き残れなかったひととの間に考え方の違いがあったことが書かれていたんだけど、ずばり、彼らにビジョンがあったかどうかが、この考察での論点になっていた。
強い信念のもと、揺るがないビジョンを持っていた者だけが生き残ることができた、つまり「待つことが出来た」のだ、とここで解釈するとしたら、目の前の苦しい出来事を耐えた先にはきっと希望があり、きっとそうなると信じられた彼らの考え方自体が、良い結果を導いた。
明確なビジョンを持って、その機会が訪れるまで備えて耐えられるかが重要である、という知性を、この本から得ることができる。
また、有名な古典小説、「モンテクリスト伯」もそう。
少しネタバレになるけど、洞窟の中で幽閉される主人公が、きっと脱獄のチャンスが訪れるはずだ、と希望を捨てずに14年間生き延びて、その瞬間を待っていたところまではさっきの例と同じことが言えるんだけど、
自ら命を絶つという現実的な選択肢があった中で、生きるというより厳しい選択をした彼には、確固たるビジョン・希望があり、きっと自らを希望に導いてくれる神の存在を表現しながら、それが説かれていた。
(以前に書いた感想文も読んでね)
ちょっと引用が多くなってしまったけど、
こうした文学作品や映画に触れるなかで、
「待つ」ことはとても重要で、
身につけておくべき考え方、つまり知性なんだ
と知ることが出来た。
実際のところ、私生活でも実感するけど、
待つというのは、とても厳しいことだ。
待った先に、良い結果が来ないかもしれなくて、(もちろん期待なんてのは依存的であまり良くない考え方なんだけど、)期待してしまっていた分の反動でダメージを受けてしまうことだってもちろんあるだろうから、
そんな可能性を踏まえて覚悟を決めた人だけが、待つ、という現実と向き合う選択をしている点は特筆しておきたい。
基本的につらいことなんだよ、待つってのは。
待てるかどうかはつまり、
耐えられるかどうか。
先に述べた通り、そこでは、
明確なビジョンが持てているかどうか
が問われるんだけど、
ビジョンを持つ、というのは、
いまのあなたにやりたいことがあるかどうか、
という意味ではない。
どうやって生きていきたいか。
重要なのはこれ。
これ、あれば良いんだけど、
ここにブレない芯を持つためには、
さらに多くの経験や知識をもとに
世界観を広げていることが前提になる。
(考える力が養われていない若者のことを書いた先日の記事でも書いているけど、)それを持っていない若者が現代には多く、精神的な症状やストレスが世間的に蔓延しているのにもこういった知識・思考力不足な背景は関係しているのではないか、と考えている。
だとしたら、たくさんの本や映画、旅などの経験をして、たくさんのコミュニティに触れている方が、多くの人は健全になるはずだと思っているし、少なくとも村八分みたいな狭い世界の出来事に左右されないようなメンタルくらいは手に入る。
知識を得て、世界を知り、自分のことを理解する。
それができた時にはきっとビジョンだって明確になってきているし、待つ能力も同時に備わっているはずだ。
そこでようやく、
自分にチャンスがきっと来ることを知っているか。
自分ならなんとかなると信じられるか。
チャンスが来た時にそれをつかむ準備ができているか。
という話ができる。
いつも僕たちの目の前を通り過ぎている「人生を豊かにする選択肢」は、準備をしていれば、認知できるし、自分の手でつかむことができる。
チャンスを掴める人たちが集まれば、もっと大きくて楽しい話になっていく気がするからこんな話をいつも書いてるんだけどね、必要な人に届けばいいなぁって、思ってます。
多くの人の個性や表現が埋もれてしまわないように、クリエイターとして、価値を掘り出し、届ける活動を行ってまいります。ブランドづくりに軸足を置いていますが、メディアでの発信や書籍展開など、活動の場の創出ができるようにも努めてまいりますので、どうぞご支援のほどよろしくお願いいたします。