すーこと学ぼう!0「ユニバーサルデザイン」
荷造りの一休みの間に少し、備忘録として残しておこうと思う。
先日の投稿などでも書いたが、私は、バリアフリー、ユニバーサルデザインについて学んできた。詳細は端折るが、その中で、noteのみなさんと共有したいと思うことを一つご紹介したい。
ユニバーサルデザインとは
ユニバーサルデザインと聞いてどんなことが思いつくだろう? 点字ブロック? ピクトグラム?
ユニバーサルデザインに該当するのは、先ほどの例で言うと、ピクトグラムが該当する。点字ブロックはバリアフリーの概念に包容される。
「ユニバーサル(universal)」とは、「普遍的な」と翻訳されるが、「ユニバーサルデザイン」というときの意味では「誰もが利用しやすい(デザイン)」ということになる。たとえば、先ほどの点字ブロック。視覚障がい者や弱視の方のためにと整備が進んだが、弊害として、車椅子を使用する方やベビーカーを押す方には段差で危ないという一面も生まれた。このように、あちら立てればこちらが立たぬとなるが、そうでなくみんなが幸せになれるようにと立ち上がった人によって提唱された。
ユニバーサルデザインの歴史|バリアフリーとの違い
もう少し具体的に話すために、一つ記事を引用したい。できるだけいろんなところから記事を引用していきたいと思う。
まずは、歴史を学んでいこう。上の記事から、歴史について抜粋する。
メイス教授は、バリアフリーの概念の「4つのバリア」の一つ、「意識上のバリア」に苛まれ、「ユニバーサルデザイン」という考え方を生み出すにいたったのだ。ここで、「4つのバリア」を押さえたい。
「バリア」は環境だけでなく、人が生み出している。つまり、1人1人が理解し、配慮をすることで防げる。その上で一歩進んで、「誰にでもやさしいユニバーサルデザイン」が生まれ、お互いを尊重しながらよりよい制度設計、物の開発をしていこうということになった。
ユニバーサルデザインにあたる「ピクトグラム」も、オリンピックで来訪する方や海外の観光客の方にも伝わるよう、そしてもちろん自国の様々な方にも伝わるようデザインされている。
他にも、両利き用ハサミ、自動ドア、シャンプーとリンスのボトルのギザギザ、紙幣の識別マークなど、身近にユニバーサルデザインが潜んでいる。
ユニバーサルデザインの7原則
日本人は3が好きだとよく言われるが、今回はラッキーセブンの7だ。(ラッキーセブンは関係ないと思うが。)
1:誰にでも公平に利用できること
誰にでも利用できるように作られており、かつ、容易に入手できること。
2:使う上で自由度が高いこと
使う人のさまざまな好みや能力に合うように作られていること。
3:使い方が簡単ですぐわかること
使う人の経験や知識、言語能力、集中力に関係なく、使い方がわかりやすく作られていること。
4:必要な情報がすぐに理解できること
使用状況や、使う人の視覚、聴覚などの感覚能力に関係なく、必要な情報が効果的に伝わるように作られていること。
5:うっかりミスや危険につながらないデザインであること
ついうっかりしたり、意図しない行動が、危険や思わぬ結果につながらないように作られていること。
6:無理な姿勢をとることなく、少ない力でも楽に使用できること
効率よく、気持ちよく、疲れないで使えるようにすること。
7:アクセスしやすいスペースと大きさを確保すること
どんな体格や、姿勢、移動能力の人にも、アクセスしやすく、操作がしやすいスペースや大きさにすること。
(出典:国立研究開発法人 建築研究所 「ユニバーサルデザイン7原則」https://www.kenken.go.jp/japanese/research/hou/topics/universal/7udp.pdf)
使い手のことをよく考えたとてもよい7原則だと思う。原則5つ目は、うっかりな私には大変ありがたい設計である。今や、建築業界だけでなく、広くメーカー、国や都道府県などでも、この7原則に則ってものづくりや制度設計が行われている。
コクヨも、ユニバーサルデザインの製品を多く世に送り出している。
印刷物のユニバーサルデザイン
基本を押さえたところで、やっと本題に入りたい。noteのみなさんの中には、noteの記事をまとめて印刷物として送り出す方もいらっしゃるだろう。そんな方が、ユニバーサルデザインを意識して作りたい!という場合に、こんなことを意識するとよいのではということを共有したい。
なんと、無料で良質な手引きがあるのである。1つ目は、横浜市発行の「わかりやすい印刷物のつくり方」である。
リンク先にPDFデータがあるので、詳細はぜひダウンロードして確認してほしい。
2つ目は、オフィス伝わる「伝わるデザイン|研究発表のユニバーサルデザイン」より、「バリアフリー」の項目である。
私からは、とりあえず私の知識として持っていることを共有したい。これは、小説冊子を作るというだけでなく、普段の会議資料、プレゼン資料にも役立つのでぜひ一緒に確認していければと思う。
1 UDフォント
UDフォントすなわちユニバーサルデザインフォントというものが存在する。
これは実際、ディスクレシア(読字障害)の子どもたちにも効果があり、教育の現場で少しずつ重視されてきている。
有償のものだと質の高いUDフォントが使用でき、ウェイト(太さ)も選べるのだが、実は無償で使えるものがある。「Windows 10 October 2018 Update」より、標準フォントとして、モリサワの「BIZ UDフォント」「UDデジタル教科書体」が搭載されているのである。ぜひご自身のパソコンでWordなどを立ち上げて、UDフォントを探して体感してほしい。
2 文字の大きさ
いくらフォントに拘っても、文字が小さかったり、行間が狭かったり広すぎたりすると読みづらいのはおわかりのことと思う。プレゼン資料や配布資料などによって、ポイント数が異なるので、そこはネットで調べて適したポイント数を確認してほしい。また、ポイント数を設定して満足するのでなく、実際資料として準備できたら、他の人に読んでもらったり、映して遠くから見てもらったりすると、視認性をしっかり確認できてGood!
3 配色
たとえば、プレゼン資料としてPowerPointで作ったスライドを投影する際、目がチカチカしないように、真っ黒でなく少し黒字の濃さのパーセントを落とした濃いグレーがよいと言われている。同じように、原色100%はきついので、少し色味をおさえるとよい。スライド資料については、こちらも参考になるので共有しておこう。
色の組み合わせ的にも見づらいものがあったり、また特定の色だけ視認できない方もいたりするので、詳しくはやはりネットで調べてほしい。ただ、今まで共有した資料のすべてを読んでいただければ、ある程度はわかるのではないかと思う。
参考書籍
私は上記の記事に加え、以下の書籍も購入して学んできており、現在も勉強中だ。私のようなノンデザイナーにもやさしいわかりやすく読みやすい本なので、参考までにお伝えしたい。
個人的に気になっている本
さいごに|おしらせ
さて、いかがだろうか。みんなでユニバーサルデザインを学んで、みんなにやさしいユニバーサルデザインに配慮した印刷物が増えたらいいなと思っている。みんなにやさしい配慮をしたいという思いを形にする手段、それがユニバーサルデザインだ。
今後、もし需要があれば、「すーこと学ぼう」シリーズを時折更新してみようかと考えている。
今回の記事より、今後の記事は良質なものを目指すつもりだ。読んでよかったと思ってもらえる記事を書けるように、ライティングスキルと、知識と経験の積み重ねを怠らずに励みたいと思う。引用も、ただ引用するだけでなく、きちんと記事として成立するように努めたい。私自身が、このシリーズを通してライティングスキルを学んでいこうと思っている。
コンセプトは、「一緒に学ぶ一歩を踏み出しませんか?」。私の記事より、良質な記事や一般書籍は山ほどある。私の記事は、そういう書籍の入口に立つために、まず興味を持って少し知ってみませんか? というスタンスで書きたい。つまり、私自身も学びたい。私は講師ではなく、一緒に学ぶひとなのだ。私を知っている人ならなんとなく察する方もいるかもしれない。「星野源のおんがくこうろん」のホストのイメージだ。「◯◯」と聞いて、興味はあるけど、勉強までは…… そんな方に向けて、私も気になりながら深く学んでいなかったことを、一緒に"楽しみながら"学びましょう! という気持ちを持って書こうと思う。
それではまたいつか、一緒に新しい扉を敲きましょう。またね。
サポートしてくださる方、ありがとうございます! いただいたサポートは大切に使わせていただき、私の糧といたします。