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聖徳太子と孫の顔

先日、2月23日(火)に放送された、「開運! なんでも鑑定団」。




何の気無しに見ていると、そこに登場したのは、
東大卒で大企業の監査役を、今も務めているという70代の男性。



紹介映像では、電話で海外の取引先と、
流暢な英語でやり取りしている様子が映されます。



そんなインテリおじいちゃんの彼が(笑)、スタジオに持参したのは、
髙村 光雲 によって作られた、木彫りの聖徳太子像でした。




かつて、彼が祖父母から譲られることとなった木彫りの像。



東大受験時にも、手を合わせて合格祈願したというその像は、
彼の輝かしいエリート人生を支えた、心の拠り所となったのだそう。



いつしか立派な家も建ち、自らも祖父となり、多くの家族に恵まれた彼。



「この家宝を、今度はいつか孫に譲りたい」と語り、
スタジオには、小学校高学年の男の子も連れて来られました。






一際、私の目を引いたのは、そのお孫さんの表情です。






司会の今田 耕司からコメントを求められた彼は、ニコリともせず、
「あまり(金額が)高いと、プレッシャーになりますね」と一言(笑)。




恒例の鑑定が終わり、お待ちかねのオープンザプライス。




本人評価額100万円に対し、鑑定額は何と「1,500万円」!



今田・福澤の司会2人は「おぉーっ!!」と声を上げ、
出品者のおじいちゃんもご満悦のご様子。



鑑定士からは、毎度おなじみ「家宝にして下さい」とのコメント(笑)。



興奮気味に「さぁ、お孫さんに感想聞いてみましょう」という今田 耕司。






一層、つまらなそうな表情を浮かべる彼に、さらに目を引かれます(笑)。






「こんな金額出されると、逆にプレッシャーですよね」とのご感想。






思わず苦笑いする、司会2人とおじいちゃん(笑)。









この一連の下りを観ていて、率直な感想。





お孫さんの気持ちが、本当によく分かります(笑)。





高学歴・高収入のエリート人生を辿った祖父と、
立派な家で、多くの孫達に囲まれたいかにも素晴らしい家庭。





そういった、大変"見栄えの良い"環境下に置かれた子供は、
毎日、祖父母や両親から、無言のプレッシャーを浴び続けます(笑)。





良い高校に入り、良い大学を出ろ。


良い会社に入り、良い給料を貰え。


良い嫁と結婚し、良い家庭を築け。


良い子供を授かり、良い人間に育てろ。





いかにも、人生のロードマップの"見本"とされるような祖父の姿に、
言葉にならない不満や、気持ち悪さみたいなものを感じつつも、
その家系の血を継いだことで、なまじ勉強はそこそこできてしまい(笑)、
グレて不良になることもできず、中途半端な反発心を募らせる日々。






メガネをかけた、いかにも聡明そうな彼の腹の内では、




"ジジィのガラクタが1,500万!? 何だよ、クソつまんねぇ!!"




おおよそ、こういった所でしょうか(笑)。






これがもし、鑑定額「1,000円」で、今田 耕司がズッコケでもしたら(笑)、
ポーカーフェイスなお孫さんも、クスリとは笑ったかもしれません。



骨董マニアの視聴者の方には、あまりそういった視点では、
あの日の番組をご覧になっていなかったかもしれませんが、
私にとっては、実に印象的な回だったなと感じています。



同じ回を、ご覧になった方はいらっしゃるでしょうか。



是非、コメント欄などに、ご感想など頂けますと幸いです。









全国のおじいちゃん、そしておばあちゃん。






お孫さんが本当に欲しいのは、1,500万円の骨董品ではありません(笑)。

その100円玉が、誰かの生きがいになります!