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大きな組織の初心者が、最速で信頼を獲得するには?(前編)

こんにちは。米川(@yoneshi0320)です。

これから求められる人材、「バフ人材」。彼ら彼女らが発揮する「バフ(=チームの能力を最大限発揮させる行為)」に関するnoteです。

バフ人材?という方は、まずはこちらから。


30秒で読みたい人のための要約

<結論>
–大企業など大きな組織に新しく入る人ほど、最初は“周りの能力を発揮させること(=バフ)
に注力したほうがいい。

<理由・背景>
- 保有能力/スキルは組織において”足し算”なのに対し、上記はステークホルダーの数に対する”かけ算”だから。
- 組織内で高生産な人材が、100%正しいわけじゃない。
- 個人のスキルが劣っていても、世界トップで評価される日本人もいる

- 具体的な発揮のノウハウは、来週の後編で解説。


長いものに巻かれるもんか

4月からの新生活を控え、物件や家具探しにワクワクしながら奔走する方も多いこの季節。
一方で、大企業や官公庁など「大きな組織」への入社/入庁が決まっている方は、期待もあれば一部、不安もあるかと思います。

「個性を発揮して評価されるぞ!」
「組織の歯車になるもんか……。」
「“自分らしさ“で生きていく。」

自分のwillがあり、育(はぐく)む姿勢はとても素敵。
ですが、落とし穴にハマり本来のパフォーマンスを発揮できないまま、組織を去る。そんな人が多いのもまた、事実です。

40人クラスなら10人

厚生労働省の2020年の調査によると、従業員1,000人以上の企業における入社後3年未満の退職率は24.7%。およそ4分の1が入社後3年未満で退職する計算です。
中学や高校の40人クラスで、卒業時には10人が転校や退学で減っている。こうみると「意外と多いな」と思いませんか?

しかも、やりたいことが見つかったなどポジティブな理由ならまだしも、なんとなくで組織を離れる※のは、すこし残念です。
(※背景に「ヤバい」「エモい」などの『感情省略語』の増加があります。が、ここで語るとnote1本分になってしまうので割愛。)

「スター選手を集めれば最強!」のウソ

東日本のお正月の風物詩・大学箱根駅伝では、「関東学連選抜」なるチームが出場します。前予選の結果、大学単位では出場出来ないものの、個人で上位タイムだったメンバーで構成される、即興チーム。

さぞ上位なのだろうと思いレースを観ていると、順位はおおむね真ん中以下で、なんと最下位の場合も※。むしろ他大学が(メンバーの合計タイムは遅いのにも関わらず、)彼らを抜き去っていきます。

結果には驚きますが、実は似た事例が経営の世界、具体的には家畜の生産性の面でも起こっています。

※調べると過去4位だった年もあり、全ての場合ではありません。ねんのため。

高生産なニワトリの末路

動物科学者のウィリアム・ミュアは実験で、家畜のニワトリの中からタマゴをたくさん産む、生産性の高いニワトリ(=スーパー・チキン)」を個別に選別し、スーパー・チキンだけでケージを構成した。
するとケージ内で激しい喧嘩が発生し、(喧嘩でエネルギーを消費してしまうため、)タマゴの生産性が全体で大幅に低下する事実を突き止めた。

(中略)

個体レベルで高い生産性を示すスーパー・チキンは、要するに、利己的で攻撃性が高いニワトリだ。こうしたニワトリは、他のニワトリを平然と攻撃し、そこから資源を搾取する。確かに、こうした資源の搾取によって、個体レベルでの生産性は高められる。

しかし、組織を構成するメンバーが、そんなスーパー・チキンばかりになると、生産性は個体レベルでも下がってしまうのである。

出典:酒井 穣『リーダーシップ進化論―人類誕生以前からAI時代まで 』、BOW&PARTNERS /中央経済グループパブリッシング 、 2021年

もちろん、ヒトはニワトリと違う生き物です。

ですが、「組織を構成するメンバーが、利己的で攻撃性が高いメンバーばかりになる。すると、生産性は全体のみならず、個人メンバーレベルでも下がる。」と言い換えると、どうでしょう?
あなたにも、すくなからず思い当たる節があるはず。

あの日本人が世界で活躍できる秘密

一方、個人の生産性よりも”周りの能力を発揮すること”で認められ、世界で活躍する日本人もいます。

世界トップリーグの一つ、ドイツのブンデスリーガ。その中でも強豪チームであるフランクフルトで、39歳ながら現役で活躍しているのが、元日本代表キャプテンの長谷部誠(はせべまこと)選手です。

彼のことを、監督のオリヴァー・グラスナー氏はサッカー誌「キッカー」で、次のように評価しています。

”理論的には、マコトは(フルボイェ)スモルチッチより5%悪いかもしれない。だが、(長谷部のプレーによって)他の選手が1%うまくプレーすれば、(長谷部)自身は5%うまくプレーしていることになる。

マコトは、その存在感、経験、人柄、そしてもちろんクオリティの高さから、周りの選手たちにサポートを与えている。だから、そんな彼のような選手、人がチームにいてくれることはとても嬉しい。

たとえ2試合連続でプレーしなくても、彼はいつもそこにいて、不平を言わず、必要なときにはまっすぐに立ち上がってくれる”

引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/199d7938e4dba4dfc828340ca5d17b5056ea1c3c

「大企業や官公庁は慎重で遅い」の本質

 上記の例から、大企業や官公庁など、大きな組織の社員が慎重になる背景が見えてきます。

たとえばスタートアップやフリーランスなど、一般的に一人が関わるステークホルダーの数があまり多くない形態の場合。
バフの影響範囲は限定的、ゆえに個人の戦略としては、自身のパフォーマンス向上および能力発揮が優先されます。

一方、一人当たりのステークホルダーが多い大企業や官公庁は、必然的にバフ(デバフ)の影響範囲が大きくなります。そのため長谷部選手の例のように、自身のパフォーマンスよりも”周囲のパフォーマンスへの影響度”が組織で重要視され、ゆえに慎重にならざるを得なくなる。

もちろん、フリーランスでも豊かな生活圏を築いている人は周りへの影響を考慮していますし、大企業でもスピード感を持って動く社員の方もいます。

しかし、”評判-評価の連鎖(=本人Aさんに対する、Bさんの評判を聞いた、Cさんの評価)”による指数関数的反応を踏まえると、慎重になる力学は無視できません。

例外:圧倒的な「知の生産スキル」さえあれば

とはいえ、ぼくは大きな組織の初心者すべてが、自身よりも周囲の能力発揮に注力すべき、とは思いません。

一流エンジニアやデザイナー、経営者など、明確に「知的生産性とアウトプットで成果を測られる人材」で、かつ経験もスキルも実績も十二分に有するひとにおいては、別です。

彼ら彼女らの年収を仮に3,000万円だとして、年収300万円の人を10人集めアウトプットの質で勝てるか?といえば、多くの場合まったく相手になりません。
知的生産によるアウトプットの質は上限もなく、かつ量はテクノロジーでレバレッジもきき、個人なのでコミュニケーションロスも発生しない。ゆえに、上記集団の5倍、10倍以上の成果を生み出すことすら可能です。

じゃあ、わたしはどうすんのさ。

 では、大きな組織の初心者はどうすればいいのか?

一言でいえば、大きな組織に新しく入る人ほど、最初は“周りの能力を発揮させること(=バフ)に注力したほうがいい。信頼構築につながる、最短の方法です。
これまで50社以上の大企業と150以上のプロジェクトを一緒にやってきたぼくが、断言します。

では肝心の具体的な方法について……は、後編に続きます。

まとめ

<結論>
–大企業など大きな組織に新しく入る人ほど、最初は“周りの能力を発揮させること(=バフ)
に注力したほうがいい。

<理由・背景>
- 保有能力/スキルは組織において”足し算”なのに対し、上記はステークホルダーの数に対する”かけ算”だから。
- 組織内で高生産な人材が、100%正しいわけじゃない。
- 個人のスキルが劣っていても、世界トップで評価される日本人もいる

- 具体的な発揮のノウハウは、来週の後編で解説。


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