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【理学療法士と学ぶ】運動と記憶力・脳機能のカンケイ

【動作・歩行・呼吸の専門家】である理学療法士として、身体の歪みや不良姿勢が及ぼす身体への影響や、生活における悩みとの繋がりについての解説と、その改善方法・予防方法として、【運動や、生活に取り入れてほしいこと】もあわせてお伝えしています。

わたし自身が女性ということもあり、特に女性の身体と心についての投稿をどんどん書いています。男女問わず、もしよければ「ちょっとした悩み事」や「○○について知りたい!」などのコメント・リクエストなどもいただけると嬉しいです。

先日より、女性の身体にとっては【変化】もストレスになること、さらに女性は毎月【変化】が起こるので、よりこの【変化】による影響へのケアが必要だということ、そして疲れた時こそ簡単な運動をしよう、とお伝えしています。

毎月の変化に加え、毎日のように溜まって積み重なっていく疲労を解消するために、アクティブレスト(軽い運動などで血流を促進すること)を取り入れることをおすすめしています。

昨日は軽い運動が【食欲を抑える】ことを投稿しました。

軽い運動は疲労を取る助けになるだけではなく、食欲も抑え、さらには【食記憶力や脳機能を高める】効果もあります。

あと数日でお正月休みも終わり、仕事始めとなる方も少なくないのではないでしょうか。お休みでしっかり休めて、リフレッシュできた方もいれば、いつもより沢山飲んだり食べたり、寝すぎたりしてなんだかボーっとしてしまう方もいらっしゃると思います。

頭をシャキッと、集中力を取り戻すにも【運動】はとても効果的です。今日は、なぜ運動が【脳】に良いのかを投稿していきますね。

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筋トレや有酸素運動で体を動かすと、手足や身体の筋肉から【イリシン】というホルモンが分泌されます。

過去の研究で、血液中に放出されたイリシンは、中性脂肪をため込む【白色脂肪細胞】に働きかけ、脂肪を燃やしエネルギーを産生する【褐色脂肪細胞】と同じ性質を発揮させることが知られています。つまり、運動によって【脂肪を燃焼体質】へ変化できるのです。

イリシンはこのように脂肪を燃やす働きをするだけでなく、血流に乗って脳へも運ばれます。そして脳の中で【BDNF(脳由来神経栄養因子)】と呼ばれるタンパク質の分泌を促進します。

【BDNF(脳由来神経栄養因子)】は【神経栄養因子】と呼ばれます。神経細胞を増やしたり、成長させたり、また神経同士を繋ぐシナプスを伸ばす働きがあります。

BDNFが増えることで、脳の神経細胞を成長させたりシナプスを結合させ、脳の中のネットワークを構築・強化し、学習や記憶、認知機能が改善するなど、プラスの作用をもたらすと考えられています。

さらに、運動によって脳への血流が増加し、脳へ豊富な栄養と酸素が運搬されることから、即時的な認知機能の向上が見られたり、コルチゾールが分泌されることによって脳が覚醒し、認知機能の向上をもたらすなど、運動による脳機能向上のメカニズムが科学的に立証されています。

BDNFはうつ病や統合失調症、アルツハイマー病など脳神経系の疾患では減少することが確認されています。BDNFが関与する経路を利用した治療薬が、認知症やうつ病に応用できるのではと期待され、研究が進められています。

これらに加え、BDNFによって促進される神経の新生がメンタルに非常にプラスの効果をもたらしてくれます。脳を含む神経組織は、常に新しい神経やシナプスを形成して新鮮な状態を保っています。しかし、身体的・精神的に様々なストレスを受けると、神経を生み出すプロセスが崩れ、新鮮な状態が保てず脳機能の低下に繋がってしまうのです。

脳にも、メンタルにもプラスの効果をもたらすBDNFですが、たった1回の運動でもBDNFレベルが上昇することが分かっています。さらにこの効果は、定期的に運動するとより効果が増幅されるという報告もあります。

スッキリした頭のため、そして健全なメンタルのためにも、是非運動習慣をつくっていきましょう。

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運動習慣作りや自分の姿勢や身体の歪み、呼吸法などの把握・改善はとっても地道ですが、「しっかり取り組もう、改善しよう」と思われた場合は、やはり客観的な指導があることが一番効率的かと思います。

動作・歩行・姿勢・呼吸の専門家である理学療法士視点を入れて、一度ご自身の身体をチェックしてみることはいかがでしょうか。

現在の問題点や、改善するためのセルフエクササイズ、おすすめのトレーニングもお伝えできます。お気軽にご相談ください。

また、もっと知りたいことやわからないことがある場合も、是非コメントや連絡いただけると嬉しいです。

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