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不安な子に『大丈夫!』と言ってはいけない理由。不安を安心に変える

不安を否定すると、さらに不安になる

もし、不安なことがあったら仕事が手につくでしょうか。やはり、頭の中で不安がぐるぐる回って集中できなくなってしまったり、何も手につかなくなったりしてしまうかもしれません。
 
それと同じようにお子さんや部下も、もし不安を抱えていたら勉強や仕事どころではなくなってしまいます。
 
「私にはできない」「私には経験がない」と思い込んでいる不安があると前向きな行動をすることはできません。
 
もし、お子さんや部下が自分にはできないと自己否定してしまっているときは、親や上司が、それではいけないと叱ってあげなければなりません。
 
ただ、叱ると言っても自己否定しているお子さんや部下を「できるよ!」と無理やりやらせたり「そんなことはない!」と不安を頭から否定してしまったりすると、さらに不安になってしまいます。
 
お子さんや部下は思考(考えること)停止や活動停止の状態になってしまいます。
 

不安⇒安心⇒元気⇒本気という自信の順番で

例えば、お子さんや部下は「失敗したらどうしよう」「こんな自分にできるだろうか」と不安に思っているとき、親や上司が「できるよ!そんなことないよ!」と言ったところで、怖くて前に進む気にはなれません。
 
お子さんや部下の不安を自信に変えていくためには、まず「不安」を取り除くことが大切です。「不安」を取り除き「安心」させ、「元気」になったら、「本気」にさせるという順番が重要です。
(下記図を参照)

不安⇒安心⇒元気⇒本気という自信の順番

まず、「できない」と不安に思っているお子さんや部下を安心させます。
安心させるためにどうすればいいのでしょうか。お子さんや部下にいきなり「大丈夫だから」と言葉を掛ければ良いと多くの親や上司は思っているかもしれません。
 
でも、そうではありません。
 

子供や部下の不安は親や上司のイライラが原因です!

最初にやることは、親であるあなたや上司であるあなたが自分のイライラをなくすことです。「なんでできないんだ!」「もっとできるだろう!」と思っているあなたのイライラが、お子さんや部下にとって最も不安になっているのです。
 
お子さんや部下は、経験も能力もまったく違うのに自分と同じようにできると思っていませんか。
 
だから、イライラしてしまうのです。(この辺のメカニズムは別の機会に詳しく説明しますね)ここでは、自分と同じようにできない目の前のお子さんや部下の状態をそのまま受け止めてあげましょう。その瞬間にイライラは消え、お子さんや部下の「不安」は消えていきます。
 
イライラがなくなった状態で、こんな言葉を掛けてあげてください。
 
「大丈夫よ。私だって最初はできなかったわ」
「やってみてできなかったら、一緒に考えましょう」
「〇〇ちゃんも一緒に考えてね!」と包容力のあるマツコ・デラックスさんをイメージして言ってあげてください。

お子さんや部下は、顔を上げあなたを見つめて笑顔になります。「不安」が「安心」に変わっていく瞬間です。
 

親や上司に対する「不安」が「安心」に変われば、他の不安も話してくれます。そのとき、その不安を一緒に解決しようとしてくれる親や上司は優しく頼もしいものです。さらに安心できます。
 
そして、「〇〇ちゃんは、できないと思っているかもしれないけれど、ノートはちゃんと付けているし、読み書きだって少しずつ上達しているよ」と少しでもできていることを優しさに包まれたタモリさんをイメージして褒めてあげましょう。
 
お子さんや部下の「安心」が「元気」に変わっていきます。
 

最後は、元気から本気へ後押しする

次は「元気」になったお子さんや部下を「本気」へ後押しします。
 
しっかりしたお姉さんタイプの天海祐希さんをイメージして
「〇〇ちゃんは、いつも目標を目指しているわね。その調子!」
「だから、大丈夫。目標を目指してやってみて」と背中を押します。
 
ここでは、一気にできなくても大丈夫です。
お子さんや部下の状況に合わせて、「不安」だったら「安心」へ、「安心」だったら「元気」へ、「元気」だったら「本気」へというように順番を守って徐々にやっていきましょう。

 焦るとイライラするのでお子さんや部下は不安になって逆戻りしてしまいます。見守る気持ちを持ってあげましょう。

 多くの親や上司は、不安を抱えているお子さんや部下をいきなり「大丈夫。できるよ」と励ませばよいと思っています。 

しかし、それはお子さんや部下にとって、否定や強制になり不安になってしまいます。不安のままのお子さんや部下をいきなり本気にすることはできないのです。 

自分をダメだと思っているお子さんや部下を受け止めてあげれば、彼ら彼女らは安心することができます。

 そして、今できていることを褒めたり、普段助かっていることに「ありがとう」と言葉を掛けたりすれば、お子さんや部下は元気になり本気という自信をつけていきます。

 参考文献:『部下が変わる本当の叱り方』明日香出版社

誰も知らない令和時代の人を伸ばす叱り方潰す叱り方
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