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介護に必要なのは「理性」?「感情」?

こういう二項対立で考えると大体「どっちも大切」という結論になります。
しかし、このようなことを考えることは「不毛」ではなく、「課題意識の認識」という意味があるのだと思います。

介護は、支援される方の過ごす時間の「質」を左右する非常に重要な行為だと思います。

今回、この「介護の質」をいかに向上させるかを考える会です。
♯壮大だな

人間づきあいはほぼ「感情」でつながっている?

すこし乱暴ですが、友人との付き合いを考えると大体において
「一緒にいると楽しい」「興味趣味が同じ人と過ごす」という楽しい時間を過ごすことを目的とすると思います。
つまり人とのお付き合いはポジティブな感情を作り出すことを目的とすると考えられます。

介護現場において、できれば「ポジティブな感情を作り出す人間づきあいをする場」にしてほしいところ。

「理性」で作り上げた現代介護制度

よく、やさしい人は「利用者さんを笑顔にしないといけない」という固定観念にとらわれてしまう場合があります。
そして頑張りすぎて疲れてしまい、そのやさしさは「間違っていた」とあきらめてしまう場面を見てきました。とてももったいないことだと思います。

しかし、現代の介護制度の背景には数々の「人間のトライ&エラー」があります。それは、「人が不幸のスパイラルに陥らない最低限のセーフティネット」であることを意味すると私は理解しています。

ノーマライゼーションの父バンク・ミケルセン

エルス・エリク・バンク-ミケルセンの思想がどのような経緯で形成されたかを知るうえで、決定的な要素がもう一つあります。それは、第二次世界大戦でのナチスのデンマーク占領と、それに対するレジスタンス運動です。

引用:「ノーマリゼーションの父」N・E・バンクーミケルセン
発行所:ミネルヴァ書房
訳・著:花村 春樹

他にもさまざまな思想が介護には裏付けされています。「人権」「アドボカシー」「生存権」など様々な思想・哲学が現代介護には織り込まれています。ノーマライゼーションは第二次世界大戦を背景としたり、人権はフランス革命を背景としたり、多くの人の戦いや流血の結晶です。

感情も大切。でも介護に必要な理性(哲学的思考)がもっと大切

介護をしているとやはり、「疲れる」ときがあります。
認知症などコミュニケーションがうまく取れない方とのやりとりはやはり、「体力」を使います。
これが積み重なると、よくない意味での「適当」さが出てしまいそうになる時があります。
介護を提供する人も人間です。自分が楽になるように考える癖があり、惰性に陥りやすくなります。

このような時、「切り替えスイッチとしての」理性が必要なのだと思います。

介護現場では、日常業務に追われ、冷静に考えられなくなる時があります。しかし、理性的によりよい介護を実現できるようにしていきたいです。

介護現場からは以上です。

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