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【Netflixおすすめ】実写『幽☆遊☆白書』続編は「魔界の扉編」に期待したい理由。 『呪術廻戦』に影響を与えた能力バトルの傑作

日本の特撮ドラマとしたら、非常に出来の良いネットフリックスの「幽遊白書」。
徹夜で一気に観てしまいました。

Netflixの日本発作品として、過去最高のグローバル大ヒットを記録している実写ドラマ版『幽☆遊☆白書』。

同作のストーリーは、原作マンガの「霊界探偵編」と「暗黒武術会編」が主な題材となっていた。

そのため、もし好評を受けて実写ドラマの続編が制作されるとすれば、おそらく次は「魔界の扉編」を下敷きとしたストーリーになるのではないだろうか。

同エピソードは、現代でも十分通じる能力バトルとダークファンタジーの傑作として知られている。

「魔界の扉編」とは、原作の第113話~第153話にかけて展開された話で、単行本でいうと13巻~17巻の範囲に当たる。

そこで浦飯幽助たちの前に立ちはだかるのは、元・霊界探偵の仙水忍とその仲間たち。彼らは人間界と魔界のあいだの「界境トンネル」を開き、人間社会を混乱の渦に叩き込むことを目論んでいた。

『幽☆遊☆白書』のバトルといえば、「暗黒武術会編」までは純粋な力と力のぶつかり合いとなることが多かった。
その到達点と言えるのが、幽助と戸愚呂弟の戦いだろう。

しかし「魔界の扉編」からは作風が一変し、頭脳と機転がものをいう能力バトルへと移行していった。

幽助たちが戦う相手は、いずれも強力な特殊能力をもっており、それをいかにして“攻略”するのか……という点が見どころ。影を踏むことで相手を動けなくする「影」(シャドー)、あらゆる物体を弾丸に変えて対象を追尾させる「狙撃手」(スナイパー)など、バリエーションに富んだ能力が登場し、独創的な戦闘シーンが繰り広げられていく。

たとえば、他人の心を読む「盗聴」(タッピング)の能力者・室田繁と幽助の戦いは名シーンとして有名。室田はあらゆる行動を先読みすることで無類の強さを誇っており、幽助と対峙した際には「右ストレートでぶっとばす」「真っすぐいってぶっとばす」という思考を完璧に見抜いていた。
だが幽助は、“分かっていても避けられない”速度で攻撃することで室田を撃破するのだった。

そして能力バトルの極致と言えるのが、「禁句」(タブー)の能力者・海藤優との戦いだ。蔵馬たちが入った屋敷には、「決して『あつい』と言ってはいけない」という貼り紙があり、そのタブーを破った者から魂を抜かれてしまう。さらに蔵馬との1対1では、タブーが「あ」から五十音順に1文字ずつ増えていくという、一層複雑なルールに変貌する……。

おそらくは、世界から言葉が1文字ずつ消えていく筒井康隆の実験小説『残像に口紅を』が元ネタになっていると思われるが、それをバトルマンガに昇華した冨樫義博の手腕と発想力には驚かざるを得ない。

実験作であり傑作。

そのほか、TVゲームを現実のものとする「遊熟者」(ゲームマスター)天沼月人との戦いは、『ジョジョの奇妙な冒険』の第3部に登場したテレンス・T・ダービーを髣髴とさせるところがある。

同作といえば能力バトルを描いたマンガの金字塔であり、冨樫が大きな影響を受けたことでも有名だ。

なぜ冨樫がこうした能力バトルに舵を切ったかといえば、「暗黒武術会編」のような路線では、パワーインフレによって限界を迎えることが分かっていたためかもしれない。この路線変更は、後に連載される

HUNTER×HUNTER』にも受け継がれた上、さらに高度な進化を見せていくことになる。いわば「魔界の扉編」は、『HUNTER×HUNTER』の前身にあたる物語と言えるだろう。

また同エピソードでは、敵の首魁である仙水忍のキャラクター性も大きな魅力となっている。仙水は元々正義感が強く、人間を守るために妖怪と戦っていた。

ところが霊界探偵の任務で訪れた別荘にて、人間が弱い妖怪をなぶりものにする「悪の宴」を目撃してしまう。
この世のものとは思えない光景を見た仙水は、居合わせた人間を全滅させ、「ここに人間はいなかった」「一人もな」と言い放つ。

そして価値観が一変し、人間の醜さに絶望するようになったという。
真面目すぎるがゆえに人間に絶望した仙水の姿は、不良でありながら人間を信じる幽助との対比ともなっており、「魔界の扉編」の物語に深みを与えている印象だ。

また“闇落ち”エピソード自体の面白さも多くのファンが認めるところで、『呪術廻戦』で描かれた夏油傑の過去編の元ネタとも言われている。

なお、実写ドラマ『幽☆遊☆白書』の続編については一切情報が出ていないものの、最終話では戸愚呂兄が波打ち際に打ち上げられるシーンもあった。

ここから察するに、やはりスタッフは「魔界の扉編」の実写化を視野に入れているのではないだろうか。圧倒的なクオリティで能力バトルが再現される日を期待して待ちたい。

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