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「美味しいものが大好きで素敵な皆さま、おすすめのシュトーレン教えてください🎄」

結論から申し上げるとシュトーレンが好きだ。

柔らかなクッキーよりも柔らかいけどふわふわとも違う歯触りの先にある、豊かなバターの香り。主役というわけではないかもしれないが不可欠な、洋酒の香りを纏ったドライフルーツは行き当たるたびに心が弾む。

そうした味わいそのものもさることながら、概念として愛おしすぎる。初めてシュトーレンの存在を知った時、そのおいしさだけでなく、クリスマス「を、待ち遠しく思いながら少しずつ食べる」って…何!?とずいぶん驚いたものだ。

クリスマスパーティーの彩りとしての食材ではなく、クリスマスに向かう時間軸に寄り添う食。しかしケの日の食とも違う。12月の日々を「ちょっと特別」そのものにしてくれる、そんな食べ物。クリスマスという日をいかに大切にしている文化があるものかと思わされた。当日に向かう日々に少しずつ食べる何か、ほかにあるんだろうか。そういうワクワク感も含めて大好きだ。

さて、今年も楽しい冬が来た。
ここで、選択肢の豊かさと決定の自由というものは幸せそのもののようで迷いの沼と紙一重であることを主張したい。広大な花畑を前に「どの花で、どんな大きさでも、花束を作っていいよ」と言われたらすごく嬉しいけれど100%たじろぐ。もちろん花に限らない。

そして、そういうとき人の助言というものもまた、導きと混乱の紙一重だ。往々にして私の場合、自ら求めた際に与えられたヒントには常に助けられてきた。花畑の話に例えるなら、「今の時期におすすめの花を一つ挙げるならどれでしょうか」「好みはさておき同系色で整えるか色が多いほうが楽しいかだと、どっちがまとまりが良いでしょうか」みたいなところだろうか。

何が言いたいかというと、ほんとうにありがたいことにシュトーレンはそのチビチビさ加減に対して取り扱い店と種類がめちゃくちゃ多い。
なので迷うのだ。ここの!と強く決めるには、あらゆる選択肢が魅力的すぎる。オーナメントでいっぱいのクリスマスツリーの中で、どれが一番?ってすぐには決められないのと一緒だ。

そこで私は今年、インフルエンサーもすなるInstagramの質問箱といふものをしてみむとてすなりした。なぜならこの歳になってなおごく私用の鍵垢SNSの相互フォローはイケてる民たちばかりで、私はそんな彼ら彼女らのことを愛してやまない。冬の特別をなにか聞くなら、あなたたちのいる世界にふわりと問い掛けたいと思ったのだ。

「美味しいものが大好きで素敵な皆さま、おすすめのシュトーレン教えてください🎄」

そして、友人は皆美味しいものが大好きで素敵なので、その中でもシュトーレンについて特別な思いがある子たちがいろいろな情報をくれた。老舗のケーキ屋さん、シュトーレンの扱いがあるのが意外な気鋭のパティスリー、ご近所のパン屋さん、ヘルシー志向のお取り寄せ、いろいろ、いろいろ、いろいろ。

なんて幸せなんだろうと思った。ささやかだけど特別な冬にしてくれる魔法のおやつについて、そっとおすすめしてもらう。みんな、それぞれの冬を甘くやさしくきらきら彩っていて、その中でも素敵だった味わいを教えてくれる。その一連そのものがシュトーレンのひときれみたいなよろこびがあって、私はもう十分嬉しかった。

でも当然(?????)、やはり十分という言葉は実際に食べてから言いたいネとなり、唯一別々の友人から勧められて同じ答えがあったツッカベッカライカヤヌマさんのシュトーレンを買ってみた。

ここのシュトーレン、本当に美味しかった…!濃厚なのかもしれないけれどひとつもくどさは無く、よろこびという言葉を甘さに変えたらきっとこんな風に作られるのかも知れないなと思うくらいひとくちひとくちが華やかでまろやかで嬉しい。冬という季節、お菓子という文化、クリスマスという日への愛が詰まったケーキだなとつくづく味わって食べた。

特別というのは一度きり?いいえ、何気ない日常でも少しずつワクワクすればそれだって特別なのだ。一度に食べたらカロリーオーバーな幸せだってある。そういうものは少しずつ、スライスして、分け合ったり丁寧に包んだりしながら楽しむのもいい。という気持ちを教えてくれるからシュトーレンはすてきだ。冬という季節はこんなにも嬉しくてキラキラしている

シュトーレン、大好き。
(もしお読みくださった方でおすすめのシュトーレンがありましたら、よろしければ教えてくださいませ!)

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