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『悪魔がはらわたでいけにえで私』

昨日、ギリギリまで待った仕事の連絡が結局バラシだったので、
急遽『悪魔がはらわたでいけにえで私』を、ヒューマントラストシネマ渋谷に観に行くことにしました。

毎度、頭の中でこの映画のタイトルを思い出そうとすると、
「悪魔がはらいたで…」と、お腹の痛い悪魔の話になってしまいます笑

前身となる短編の『往訪』は、以前観たことがあって、そこから2篇追加して3部構成の長編映画化したという事で、どうなっているのかと思っていましたが、予想の斜め上を行っていました。

大体のゾンビ映画は、ゾンビが発生して、増えて、ゾンビに追われた人間がギャー!とか、ワー!とか言って、どんどんテンションが上がっていく感じだけど(ざっくりですみません…)、この映画は、なんだか思ったよりじっくり物語が進んでいきます。

途中から、怖いというより「あれ? 自分は何を観てたんだっけ?笑」という気持ちにもなってきました。

『往訪』の時点でも、海外ウケする要素が満載でしたが、追加されたところも、ちゃんとその要素がマシマシになっていました。

そういえば、僕が以前「クリーブランド国際映画祭」で観たクレイアニメで、研究結果を横取りしようと、仲間の研究者の手とか足とかをぶった切る作品があって、僕は引いていましたが、会場中が爆笑に包まれて、
「ああ、こういうので笑が起きるのか」と勉強になりました。

話が逸れました。

※ここからちょっとネタバレ感が増しますので、読み進める方はご注意を。

物語が転調する第2部、そして、意外な展開を見せる第3部。

なんといいますか、あんなに感情豊かなゾンビは初めて観ました笑

まさか、ゾンビから笑いや親近感だけでなく、哀愁すら感じようとは。

ゾンビの状態で、それを演じ分けるのも大変だったはず。
主演の詩歩さんとは、以前、あるワークショップでご一緒した事がありますが、お世辞ではなく、僕がワークショップの場で出会ってきた俳優さんの中ではトップクラスに演技力のある方で(やっぱり、そういう方は覚えています。逆に、僕はほとんど覚えられていないのですが…。頑張ろう)、監督も彼女になら任せられると感じられたのだと思いますが、見事に演じられていました。

最後、あるボタンが出てきますが、あれがアトミックなものに見えて、あれを押したら、他の全員が消えてしまうところとかは、なかなかの風刺がきいていると感じました。

そういうところも、今度は考えさせるという意味で、海外ウケしそうだなと思いました。

僕が最終的に感じたのは、「人間とか、ゾンビとか、宇宙人とか、人種とか関係なく、一つになれるよ、なろうよ」、「同じ好きなものがあれば、そういう違いとか乗り越えられる」という、なんとも壮大なメッセージでした。

いや、違ったらすみません…。

でも、ゾンビがあれだけ可愛く見えるのなら、世の中の差別とかも、見方とか視点をちょっと変えるだけで、違ったものに見えてくる事もあるんじゃないかなと思わせてくれました。

あれ? 僕はゾンビ映画を観たはず笑

ややネタバレ感ありで書いてしまいましたが、それでもやっぱり実際観ると、「いや、こんなんなるんかい!」と、新鮮に観られるはず。

全く新しい映画を観ました!

あと、音楽が最高で、これは実際に聞かないと分からないです。

それと、スタッフ、キャストのチームワークの良さを感じます。
すごく羨ましい…。

よろしければ、劇場で。

公式HP

予告編


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