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#45 正論を振りかざさない

こんにちは

ようやく秋らしい気候に変わるとともに、
あっという間に秋も過ぎ去り、すぐ冬が来るんだろうな 
と思いながら最近過ごしています。

実は今年の5月から、stand.fmから音声配信を継続しています。
毎日ではなく、基本は平日のみ(時々休み有)の配信をしているのですが、
今回は一部加筆もありますが、過去に配信したお話をnoteの記事にしてみようと思います。

もしお時間あれば、移動中やランニング中などにお聴きいただければ嬉しいです


最近読んでいた本


読書の秋
という言葉の通り、
最近私にしては早いペースで本を読んでいます

1ヶ月に5冊

よく読まれる方からしたら、少なっ!と思われるでしょうが、
私にとっては大分多い方です。

その中の

「個の力を武器にする最強のチームマネジメント論」

という本は、尊敬する方がおすすめされていたり、最近マネジメントとリーダーシップの違いについて色々考えたりして他にも本を読む機会が多かったので、良い機会だと思って購入しました。

自分が現場で活動してきた中でなんとなく感覚的にやってきたことが、
明確に言語化されていたりして、

うんうんと頷きながら、
そして
様々な方へのインタビューの内容もとても興味深く読ませていただきました。

今回はこの本を読みながら、
改めて思い出したことや考えたことについて書いていきたいと思います。

正論を振りかざすこと


突然ですが、

正論を振りかざすこと

と、

相手を言い負かす

という言葉

意味はほとんど同じだと感じていて、

例えば私の指導現場だと

指導している選手の中で、あまり意欲的にトレーニングに取り組んでいない選手がいたとして、

その選手に対して、

「なぜちゃんとトレーニングに取り組まないんだ!」

「このトレーニングには〇〇という効果が期待できるから実施しているんだぞ」

「他の選手はしっかりやっているのに、おまえはやっていない。だからこの前の試合でも良いパフォーマンスが出せないんだよ」

みたいな声かけをする指導者の方、いらっしゃると思います。

これって、本当にその通りで正論ではあると思うのですが、

これをそのまま伝えたところでおそらく

「はいわかりました!すみませんでした!しっかりやります!」

と言ってすぐに切り替えられる選手ってほとんどいないと思うんです。
その場ですぐ変わったように見えても、
多分変わっていない。

なので、その様子が初見であれば、

そういった取り組み(トレーニングに意欲的に取り組まないこと)の結果、

・どういった現象・結果がその選手や周りに影響してくるか?

・その現象・結果を受けて、その選手がどういった行動に移すのか?

といったところまで観察した上で

必要があれば声をかける

というスタンスが取りたいと思っています。

伝えるタイミング


昔現場でこんなことがありました。

新チームが始動したばかりのキャンプ中

2部練習の日があって、

午後の練習が始まる前、ウォーミングアップは選手各自に任せていました

ところが、連日の練習や2部練習の疲労などもあり、しっかり取り組んでいる選手は2〜3人程度。

他の選手はただ話していたりする様子でした。

そうすると、当時のコーチが練習が始まる直前に笛を鳴らし全員を集合させて、

「こんな状況では良い練習などできるはずがないし、怪我をするリスクだってあるから、しっかりアップをしろ!」

と声をかけたんです。

もちろん、その後は選手もしっかりウォームアップをして練習に入ったのですが、

私の中では、

「選手自身が身をもって気づける機会を失ってしまったのではないか」

という思いの方が強くありました。

なぜかというと、結局選手自身が本当に必要なことだと身をもって経験した上で理解できなければ、

それは言われたことを一時的に取り組んでいるだけなので、

習慣化はしにくい

と感じています。

なので、このケースの場合、

実際にそのまま練習をした上でパフォーマンスが良くなかった際に、はじめてウォームアップの取り組みについても触れ、それをパフォーマンスが良くなかったことの原因として関連づけられることによって、

選手自身がその必要性を身をもって経験でき、

その結果習慣化しやすくなる、またはそのきっかけを作れるのではないかと考えていたからです。

とはいえ、この考え方や取り組みはプロチームに関わるトレーナーとしてはおそらく間違いになってしまいます。

プロは結果が何よりも求められるので、

今回のケースで、

もしウォームアップをしっかりしていないことをわかっていながら、そのままトレーニングをしたとして、

その結果怪我が発生してしまったら、明らかにチームとしてはマイナスですし、トレーナーとしての責任を果たしていない。

ということになるからです。

なので、プロ(トップチーム)と育成年代に関わる場合、こういった部分の違いについては理解しておかなければいけないと思います。

がしかし、やはり私はトップチームに関わる場合であっても、ある程度リスクが低ければ、先ほど挙げたように、

・どういった現象・結果がその選手や周りに影響してくるか?

・その現象・結果を受けて、その選手がどういった行動に移すのか?

といったところまで観察した上で

必要があれば声をかける

というスタンスを心がけていきたいと思っています。


選手の不満はエネルギー


自分が提示したトレーニングに対して不満を漏らしたり態度に出てしまう選手がいた場合

こちら側としては、綿密に考え抜いたトレーニングプログラムにも関わらずそういった態度を取られると

残念に感じたり、逆に怒りが込み上げてくることもありますよね。

ただ、そういった不満を漏らす選手というのは、

視点を変えて見てみると

そのトレーニング自体に対して、自分の考えをもっている。

ということにもなります。

・今の俺にはそんなトレーニングは必要ない→自分のやるべき事がわかっている

・そんなきついトレーニングはしたくない→疲労が蓄積されていて、怪我のリスクが高いと感じている

この内容自体が良いか悪いか、正しいか正しくないかはひとまず置いといて、

そういった意思をもっている選手が、

様々な経験(その結果パフォーマンスが上がらなかったり、短期的な結果だけでなく長期的な視点で考えたら必要なトレーニングであったと理解できたり、ただ嫌なことがあったのでイライラをぶつけてしまっていただけだったのを反省したり・・・など)

で、トレーニングの必要性に自ら気づき、取り組めるようになった瞬間に、

言われたこと、指示されたことに対して何も考えずにただ取り組んでいるだけの選手とは、比べ物にならないくらい飛躍的に成長すると感じています。

そういったエネルギーをたくさんもっている選手(育成年代は思春期も重なってこういった選手がたくさんいます☺️)が、

自ら考え、成長するためには、

正論を振りかざさずに観察してみる

というスタンスは有効なんだなと、

私自身の経験や、今回紹介した本を読んで改めて感じています。

この

「観察する」

ということについて、今回紹介した本の中でも書かれていますので、

ぜひお読みいただければと思います。


それではまた👋

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