猛獣使いのススメ−放火型をいかにうまく使うか−

武蔵野美術大学 大学院造形構想研究科 クリエイティブリーダーシップコース クリエイティブリーダーシップ特論 第14回 ゲストスピーカー辻 喜彦さん(合同会社アトリエT-Plus・代表)の授業をまとめています。

合同会社アトリエT-Plus・代表 辻 喜彦さんとは?

都市計画、建築、土木等に関わる計画、設計、を担うコンサルタント。主には、日向市プロジェクトに代表されるようなまちづくりを中心としたサスティナブルなマネジメントを提供。

まちづくりに欠かせない5つのタイプ

まちづくりをプロデュースする上で、その当事者は5つのタイプに分類できるという。まずは、アイデアを勝手にどんどん考える「放火型」の人材。彼らがいわゆるクリエイターで、辻さんは猛獣とも称している。そして、そんなクリエイターの影響を受けやすく、協力的な姿勢を示す「自然型」の人材。いわゆるフォロワータイプ。そして、アプローチすればなんとなく参加する「可燃型」。そして厄介なのが多数を占める「不燃型」のタイプ。彼らは簡単には動かない。また、必ず一定数は否定をする「消化型」のタイプがいるという。
まちづくりにおいては、「不燃型」の人々に、いかに参加してもらうかが重要だそう。
つまり、まちづくりにおけるクリエイティブリーダーの役割は「放火型」によって放たれた火を「可燃型」、そして「不燃型」へと着火させることにある。「着火型」人材なのである。

デザインの猛獣使いは、猛獣の言葉を翻訳してあげる

では、クリエイティブリーダーはどの様に着火させていくのだろうか?それは猛獣たちと市民との間に入り、翻訳をしてあげることだという。「市民:地域が求めるコト・モノ・ヒト」と「猛獣たち:地域から生み出されるコト・モノ・ヒト」の相互の関係を信じ、創り出し、繋げていく。これがまちづくりのクリエイティブリーダーの仕事なのである。

広告代理店の営業も猛獣使いである

辻さんのお話はとても分かりやすく、共感できる部分が多かった。それは、自分の職種である広告代理店の営業が、まちづくりのクリエイティブリーダーととても似ているからである。
広告を考えるクリエイティブ人材は猛獣であるし、クライアントを市民と置き換えると、まさに我々は彼らの考えを翻訳することが役割の一つである。

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