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マイ・セカンド・キッチン〜10月のおうちごはん

昼食べたものの記憶がないなんてことは今に始まったことではないが、先月つまり10月の記憶が落とし穴に落とされたようにすっぽりと抜け落ちている。

諸事情により、北フランス内陸にある義母の家に居候することほぼ1ヶ月。北フランスはオパール海岸沿いの港町にあるマイホームにいたのは、殴り書きカレンダーを辿ったところ3日くらいだった。もうこれ別荘レベルよな。

(ひとくちコンロだけど)愛すべきマイキッチンでガソリン🍷注入しながら料理することが、日課でもあり愉しみでもあり何よりストレス発散でもある私にとって、それがなくなるのは発狂レベルでキツい。10月の記憶がない原因はきっとこれだな。

義母宅滞在中は、平日の夕飯は大抵義母不在なので私が料理をこさえるのだけど、他人の家のキッチンとなると気を遣う性分。実家のキッチンでさえそう思うのだから、私よりもずっと几帳面な義母のキッチンとなるとその気遣いは跳ね上がる。

まーでも、「自分の家だと思って自由に使っていいのよ」と優しい義母は言ってくれたし、ここは発想の転換。長期滞在型キッチン付きアパートメントホテルだと思って、サバイバル・クッキングに勤しむというのも一興か?

そんなわけで今日は、北フランスのスーパーおよびマルシェで手に入る食材を使い、マイ・セカンド・キッチンでサバイブした記録の一部を残そうと思う。



にんじん入りピラフとポワロー&鶏のクリーム煮

雑にちぎったクレソンを添える

酪農大国、クリーム系は大得意!
にんじんとバターの組み合わせって素晴らしいよね。


牛ひきのトマトソースとじゃがいものグラタン

下に敷き詰めたのは、たぶん牛ひきとトマト缶で作ったソースらしきものだと思われる。その上に、じゃがいもをうすーく切って、魚のうろこをイメージしながら敷き詰める。最後にシュレッドチーズを軽くかけてブラックペッパーごりごりしてオーブンで焼くだけ。

前々から何度も言ってるけど、「じゃがいもは北の主食」(by Otto氏)らしいので、じゃがいも料理を極めたいなら北フランスにようこそ。


鶏むねのソテーと和風ラタトゥイユ

お弁当のおかずみたい。。

鶏むねは塩糖水にしばらく漬けてソテー。たまねぎとパプリカを炒めたらバターとちょい醤油で和風ラタトゥイユ的なものに。それと冷凍食品のじゃがいものガレット(これとても美味しい)をオーブンで焼いたのを添える。

醤油(sauce soja)は北フランスでも市民権を獲得しているので、割とどのスーパーでもchina系のブランドからkikkomanまで数種類見つけることができる。甘い醤油なんてのもデフォルトで売っているので、注意。


コロッケになれなかったスコップグラタン

日本のような大きめのさくさくパン粉ではないが、フランスでもchapelureというそれっぽいものは買える。コロッケ作ろう!と思い立ってマルシェで豚ひきとかじゃがいもを仕入れてきた日のこと。

たまねぎと牛ひき&豚ひきを炒めたものと茹でたじゃがいもを合わせる

ここでタネを少し寝かすわけだが、丸めて衣つけてあげる工程が急に面倒になってしまった結果がこれ。

形が変わっただけさ!(強引)

なんで急に面倒になっちゃったんだろうな・・・タネを寝かせている間に私もウトウトしちゃったんだかOtto氏の帰りが遅かったんだか理由は忘れた。

これにウスターソースかとんかつソースかけたら完璧だったな。さすがにまだスーパーでは売ってない。


ニッポン的ハンバーグ

Otto氏は大量フリット
私は好みのガレット

前に、冷凍のステーク・アシェを常備しているとどこかで書いたけど、ただ焼くんじゃなくてニッポン式ハンバーグに仕立てると料理した感を持てる。にんじんのグラッセなんかも簡単にできちゃうから、アウェーキッチンでもよく登場する組み合わせ。


カリフラワーのグラタン

マカロニでもじゃがいもでもなく、私が北フランスで一番よく作るのがこのカリフラワーのグラタン。いつか単品で記事にしようと思って去年から写真撮り溜めてるのでそこで詳しく(いつになるのやら・・・)。

今回はカレー風味で
グラタンって見た目何が入ってるかわからないのが楽しいよね
シュレッドチーズ盛りすぎだろう

たぶん冬になると月2はマストで作っている気がする。あったまるしクリームコッテリだけど、なんてったってカリフラワー、野菜ですから!ってことで罪悪感半減するのがいい。


きのこの和風パスタ

パスタは本当は太いほうがいいんですけどね

秋はなんてったってきのこよ!玉ねぎとベーコンとともに炒めて醤油&バターでお手軽パスタ。醤油があれば和ハードルは最低限超えられる好事例。マルタ島とかニューカレドニアに醤油持って行って優勝した私としては、長期滞在でどこがいくなら醤油もっていくのをオススメしますね。特に海辺ね。


鴨のロースト、オレンジソースとじゃがいも&いんげんのソテー

海を超えてシンクロしていた衝撃の鴨。付け合わせの組み合わせまで一緒とは前世どっかで繋がってた俺たち?


鴨は両面をこんがり焼いたのちアルミホイルに包んで放置

フランスの一般家庭、出汁はないけどフォンドヴォーはある。
鴨を焼いたフライパンの余計な脂を拭き取ったら、オレンジを絞って果汁を加え、フォンドヴォー・白ワイン・はちみつなど加えて煮詰め、アルミホイルおくるみ鴨から溢れ出たジュ(鴨汁)も無駄にせず加えると絶品系オレンジソースができる。

アルミホイルおくるみ鴨は常温に置いておいてもいいけど
今回はレアじゃなくてちゃんと焼きを入れたいのでオーブンへ。

薄切り肉とか刺身とかは手に入らないけど、丸鶏とか鴨とかが簡単に手に入るのはフランス生活ならでは。


金曜から日曜は義母も在宅なので、夜ごはんは大抵お任せすることになる。

とある金曜。パートナーのご友人が鳩(pigeon)を獲ってきただかなんだかで「今夜は鳩よ!」と意気込む義母。日常の家庭料理で鳩が出てくるとは思わなんだよわたしゃ。

鳩を下処理する義母の後ろ姿を眺めながら、「かっこいいっす・・・」と思わず心の中でひとりごちた。

魚は難なく触れるし捌くのもチャレンジできるけど、
肉系はなかなかになかなか・・・
下処理完了の図
圧力調理器で1時間くらい煮たら、グリンピースを加えてさらに煮込む
芋も入ってた!

何年ぶりだろう、鳩。ジビエ、昔はイノシシとか鳩とか好んで食べたけど、年齢とともに強い肉が苦手になったので・・・。

クセは相変わらず強いけど美味しゅうございました。それにちょうど貧血気味だったので血の量が増える感じがしてよかった。



こんな感じで乗り切ったセカンドキッチン食生活。これ読んでくれた方がいつの日かフランスにきて万が一自炊しなきゃいけないときの参考になるかな?ならんか。



(おまけ)

10月最終の週末、マイ・ファースト・キッチンに戻ってきてから一番に食べたのは、冷凍庫のものをかき集めて作った豚汁もどきと納豆ご飯でしたね。ハイ。

豚汁の豚肉は、ベーコンで代用

そうそう、ハロウィーンなんてのもありましたね。10月は。

近所のスーパーに1ヶ月以上ぶりに行ったら、まさかのキャベツ祭り開催。ここは絶対、白菜(chou chinois)ですよ・・・!

丸いキャベツはとにかく硬いのです

白菜でもOKO作れるだろう!ってことで、キャベツの代わりに白菜でOKO!

ハロウィン仕様
マヨビーム炸裂

今後、我が家のOKOは白菜にしよう・・・ってくらい美味しかったので、3日中2日はOKOにしましたわ。

願わくばおたふくソースとまでは言わないから、せめてブルドックソースが北フランスで市民権を獲得してくれますように。

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