2024年最初の旅行最終日:徳島

おはようございます。
2週間ぶりの東京での朝、そして週末。元々家が好きなので、旅先は旅先で楽しめるけれどやっぱり落ち着く。そして、いつの間にか3月も下旬になり、春らしさ全開でエアコンをつけない我が家でもすこぶる過ごしやすくなっているから余計に気持ちが良い。

大阪から徳島へのバス旅

昨日は関西出張を個人的に延泊して、最終日に徳島に行ってきました。前から気になっていた藍漆の作家さんが徳島の店舗の一角を借りて展示会をこの日からされることがわかっていたから。普段東京からはそのためだけに徳島に行こうと思うとかなり腰が重いけど、大阪ならまだ行きやすい。大阪駅からバスで2時間半の道のりを、朝イチホテルを出て大阪駅でラゲージをコインロッカーに預けていざ出発。
バス旅行ってなんだか知らない町中を見ながら抜けていくので、より旅行してる感覚を強く感じる。神戸に祖母がいたこともあり神戸の地理もなんとなくわかるので懐かしんだり瀬戸大橋を越えて行く際には橋から見渡せる穏やかな海に癒されたり淡路島の意外な大きさを実感したり色々な気づきがある。何よりもすごいと思うのはさまざまな不確定要素が多い交通状況の中、ピタッと予定時刻の10時に徳島駅に着けてくれたこと。日本の正確性ってやはり異常と思うくらいに、プロのバス運転手さんはやはりすごいし素晴らしい。

徳島市内散策

お店のオープンは11時からなので、徳島駅近郊を散策。駅の正面には眉山(びざん、どこから見ても眉の形に見えることが由来とのこと)があり、その手前に新町川が抜けている自然と近い雰囲気の街。祖父方の家のお墓が眉山沿いにあったことを思い出す。
まずは目的のお店の場所を確認した後ですぐ隣にパン屋(オーバッシュクラスト)さんがあるのを見つけて、朝から何も食べていなかったので今日と明日の朝食分のパンを購入。そこから眉山に向かって沿う様に歩き、小さな公園で腹ごしらえ。そこから眉山沿いを歩いてお墓を探していると眉山の頂上まで行けるロープウェイ乗り場がある。最後にそのお墓に家族で来た時そのままこのロープウェイを昇った記憶があったのでお墓は近そう。さらに歩みを進めるとなんとなくイメージ通りの場所に出ることができた。記憶では眉山の山肌すぐのところの印象だったけど、その間にはお寺が立っている。半分しか確信は持てないけれど低い壁で小さく区切られている感じは間違いなく、前回当初からも掃除にもされていないままだったのでおそらくここだろう。その後もさらに辺りで近しいお墓を探すけれども見当たらないので、地理的にも作り的にもこれで間違いなさそうだ。そう確信してご先祖様にご挨拶、そしてお目当ての店舗に向かう。

藍漆との対面

長々歩いていたこともあって、お店に戻ると11時を回っていたけれど幸いまだ開いていなかった。中をのぞいていると中の方が気がついてオープンしてくださった。
今回僕が徳島に来た理由、それは北村真梨子さんが作られるこの藍漆の食器とついにご対面。

写真で見た以上の存在感で茶碗やお盆が藍独特の深い色合いで迫ってくる感じ。どこまでも味わい深い色合いがグラデーションでいつまでも見ていたくなる。お話をしていてお店を開けてくださって展示コーナーへお招きくださった方が北村さんご本人だと分かった。
徳島出身の北村さんにとって藍はとても身近な素材で、木工職人として進む中で漆と出会い自然と藍と漆を混ぜられることを思い付かれたそう。伝統的な漆の産地であればこうした新しいチャレンジする敷居は高かっただろうが、自分にそのベースがなかったからこそ実現できたという言葉が印象的だった。

もちろん、思いついたからと言ってこの藍漆を実現することは簡単ではなかった。他で聞いたことがないのは、発想だけではなく技術的に漆でこの藍本来の色合いを作り出すことがとても難しいから。漆はそもそも水分と混ざらない性質があるため、布地のように藍の染色液を混ぜても色が入らないのだ。
この問題を解決するきっかけとなったのが、藍大国の徳島県立農林水産業総合技術支援センターの吉原研究員が開発して特許を取られている技術。この技術により、生きた藍葉から水で色素を抽出する沈殿藍を取り出すことが可能となり、藍の色素を自然な方法で濃縮して抽出できるようになったのだ。この沈殿藍を乾燥させて粉状にして漆に練り込んでいく訳だが、そこから製品化するまでさらに5年を要して作られたのが、この藍漆の食器なのだ。
単体でも美しく、藍漆通しで組み合わせても、他の食器などと合わせても独特の世界観を演出してくれる、この藍漆。散々迷った挙句にお椀と食器(お盆やトレーとしているものを食器として使う予定)の3点を譲っていただく。(ここでも現金がないため、銀行口座をお伺いしてその場で振込を行う。)
美しい作品を作られたご本人から思いや背景を伺いながら、気に入ったものを購入させていただくのは消費でもなく購入でもなく、とても気持ちの良いコミュニケーションだなと改めて実感。購入後も圧巻の作品数を目の前にその場を去るのが名残惜しくてしばらく拝見させていただいて、その場を失礼させていただいた。

徳島のランチ: 阿波尾鶏祭り

清々しい気持ちでお店を出ると12時前。
そこから少し歩いたところにある阿波尾鶏の専門店を発見してランチをいただく。鳥フェチとしては外せまいと思っていた阿波尾鶏を焼き鳥とそぼろで食べさせてくれる看板メニューにせっかくならと唐揚げも追加してオーダー。阿波尾鶏の豪華3点セットを味わって徳島のグルメも満喫することができて大充実。

つくねがあるのも有り難い


ちなみに、この鳥巣亭(トステ)さんは入った時はテーブル席に3組とカウンターに1客だったのが見る間に混み合い、12時10分過ぎにはランチ完売となってしまうほど人気店だった。

徳島市内、徒然なるままに

ランチをいただいてバスまでの時間は腹ごなしも兼ねて徳島駅周辺を散策して、雨季裏手にある徳島城跡の周辺では古くからの残る緻密な生垣や数輪咲き始めたソメイヨシノに先駆けて満開を迎えた八重桜などを楽しみながら、地元の八百屋さんですだちも購入してバスに乗り込む。

朝一の時間帯とは違って、混み合う時間の中でも高速を乗り継いだりしながら結局10分も遅れず大阪駅に到着。あらかじめその正確性に驚かされる。新幹線も遅れていると大騒ぎになっていたものの、僕が乗った便ではほぼ時間通りに出発して時間通りに東京に到着。
旅の安全と計画を守ってくれる交通機関の皆様のお陰で、こうした旅が出来ているので本当にありがたい限り。感謝と共に疲れ切った体でなんとか自宅に戻った次第でした。

今日は家でのんびりしながら、ハチミツにすだちを絞って炭酸水で割ってリフレッシュしたい。


僕は幸せになると決めた。
今日もきっといい日になる。
一歩一歩、着実に歩もう。


皆様も、良い週末を。

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