漆8:漆の塗りとその技法

おはようございます。
今日は曇りって言ったらこんな感じ、というような理想的な曇りの朝。

さて、今日は漆が固まっていく工程を見ていこう。

塗りの工程

実際に漆塗りの工程は大きく分けると、下地→中塗り→上塗りに分けられており、それぞれの工程で漆が使われる。各工程で使われる漆は、工程に合わせて3種類あるが、1本の漆の木から採取する樹液(乳白色)からゴミなどを取り除いた生漆が原料であることは同じ。

  • 下地に使う漆は生漆に研の粉や地の粉を混ぜた「下地漆」

  • 下地塗りを完成して研ぎを終えた器に施す中塗りには生漆を精製した 「中塗漆」

  • 仕上げの上塗りには生漆から精製した黒漆や朱合漆(朱、白などの色粉まぜて色漆を作る為の元の漆)など上塗りを目的とした「上塗漆」

と、こちらがその3種類。
さらに「上塗漆」には、同じ色でも精製方法によって光沢が異なる 「ツヤ高」「半ツヤ」などの種類があります。それぞれ漆専門の漆屋が精製して(昨日紹介した)漆桶に入れ、 塗り職人が購入して使用します。

また、工程に合わせて作業を実際に映像で見てみたいと思ったら、種類を紹介しながら見せてくれている富山県南砺市で日本の漆器を作る工房の方が、そんな僕にもってこいな動画を上げてくださっていたのでご紹介しておきたい。

漆の技法

動画は4分程度でコンパクトにまとめられているので、興味のある方はぜひ。
下に簡単にまとめおきたい。

拭き漆仕立て

下地塗りのみの加工で完成させる仕上げで、木目の美しさを引き立たせて楽しめる。他の加工のものと同様に漆の強みを持つ食器として使える。いわゆる漆器と呼ばれるもののイメージとは異なる気もするけど、個人的には結構好き笑

塗り立て技法

こちらは上塗りまでをしっかりやりきったもので、ベースとなる木よりも漆自体の質感や色合いを楽しめるものになっている。「ふっくらしている」という表現が本当に触ってみたいと思わせてくれる。艶の出し具合に関しても、上記のように触れられている。

研ぎ出し技法

こちらは塗り立て技法にさらに一手間を加えて、中塗りと上塗りの漆の色を変えて塗った上で上塗りを削って中塗りの色を研ぎ出すことで見え隠れする色のコントラスを楽しむもの。漆器の表情が塗り立てとも全く異なるため、渡辺さんが仰っている通り、表現の幅を格段に広げてくれるものだと言えるだろう。
ちょっといろんな色の組み合わせなんかも見てみたい気がする。


*上記の情報は以下のリンクからまとめています。

https://www.yamakyu-urushi.co.jp/shikki/257_260/

作品として見栄えや出来を大きく左右する漆の塗り。今回は画像もあったことでそのプロセスもわかりやすかった。そして、作業工程的にはこの3つ、かもしれないが塗りの技術こそが漆器の醍醐味であり、芸術性の高さに関わってくるところ。この塗りの技術にも触れてみたいなと思った次第で。

そして今日からは待望のGolden Week。
人に依ってお休みの長さは違うだろうけど、少しでものんびりしながら春の日々をゆったり楽しめますように。


僕は幸せになると決めた。
今日もきっといい日になる。
一歩一歩、着実に歩もう。


皆様も、良い週末、そしてGolden Weekを。

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