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【第7章-生き方と人生-第7節】底辺から這い上がるための生き方

社会の底辺で生きる人間たちは、どれだけ働いたところで、金銭的報酬が得られることはなく、先行きの見えない「絶望のトンネル」の中でもがき苦しんでいる。「金があるからと言って幸せとは限らない」という言葉をそこら中で耳にするが、心の底から納得してる人間は極めて少ないだろう。「お金がない状態」に置かれている底辺の人間にとっては、「金がなければ何もできない」ことは十分に理解しており、そこから脱却する方法を四六時中探しているはずだ。

インターネットや自己啓発書には、「転職や独立をすれば経済的自由を獲得できる」という煽り文句が溢れているが、金も学歴も無い底辺の人間には、そもそも「機会(チャンス)」が存在しないのだ。彼らは「どのようにして、お金を稼げばよいのか?」「まずは何をすればよいのか?」「どうすれば這い上がれるのか?」自問自答を繰り返し、かろうじて生活を維持できる仕事を延々と繰り返している。

お金が無いという状況ほど、悲惨で惨めなものは無い。家賃を払うためにも、ご飯を食べるためにも、ケータイ代を払うためにも、収入を上げるために資格や開業をするにも、必ず「お金」が必要になる。家庭環境によっては、家計が苦しいために、大学進学を諦めた人間も存在しているだろう。「私がこんな仕事をしなくちゃいけないのは、家庭の金銭状態が悪かったからだ」と学歴や収入が低い状態に悩み、強烈な劣等感と憎しみを抱えている人間も少なくはないはずだ。

人によっては、途中までは順風満帆な人生を送っていたかもしれないが、「大学中退」「就活失敗」「転職」「リストラ」「事業の倒産」「病気や怪我」「離婚」などにより、突然安定した生活が壊滅するというケースもあるだろう。それまでは、「学校や社会」と言った将来的な道筋が見えるレールの上を走っていたが、突然レールが消失することで「自分を導く者」が存在しない状態に置かれる。初めは「なんとかなるさ」と考えていたも、状況は思うようには変わらず、強烈な焦燥感の中でもがき苦しむ。

この苦しみに追い打ちをかけるように、一度レールから逸脱した人間には、誰も援助を差し伸べようとはしない。彼らには、自分以外にも安定した環境に置かれている友人や仲間が数多く存在しており、「面倒な相手」と積極的に関わろうとはしないのだ。場合によっては、相対的に低い立場へと転落した人間を罵り、優位な立場から「底辺の人間」を見下し、バカにしている。人間は本能的に、相手が自分よりも「上か下か」を判断しており、「自分より下」と見た相手には徹底的に冷たく接する動物なのだ。

このように、底辺に転落した人間たちは、生きる目標が突然消失し、他人から常に見下され、強烈な劣等感の中で、自らの力で次の道を探さなくてはならない。精神的な安定は、安定した生活基盤の中で、はじめて確立することができる。何となく与えられたレールを生きている人間には、彼らの孤独は理解できない。絶望のどん底に佇み、トラウマが夢の中で繰り返され、毎晩悪夢にうなされ続け、起きた時には涙でボロボロになって人間はどれだけいるだろうか?劣等感に心を支配され、未来に希望を持てない人間はどれだけいるだろうか?

安定した生活基盤が崩壊し、レールから外れた人間たちは、将来に対する強烈な不安や、絶望感を抱いている。そのため、絶望の真っ只中にいる人間たちは、救いを求めて「自己啓発」「宗教」「政治運動」「アルコール」「ドラッグ」などに手を出すが、「心の底からの精神的充足」「絶望の根本的な原因の解決」が手に入ることは決してない。これらの娯楽は、一時的な満足や精神的安定は得られるかもしれないが、問題の根源を解決しなければ、あなたの人生が好転することは決してないだろう。

「きっとあなたはうまくいく」「あなたは素晴らしい人間だ」「私に着いてくれば成功する」「あなたに人生の目的を与えよう」「経済的自由を確立する方法」「幸せになるための秘訣」「我がスクールに通えば月収200万円も夢じゃない」

「安定した生活」「絶望感の克服」「経済的自由」を求める底辺の人間たちには、このようなキャッチコピーで、詐欺のような商材が大量に売り込まれている。信じられないような話ではあるが、心の底から渇望している「欲望」を刺激されれば、ついつい手が伸びてしまうのが人間の性である。しかし、このような商品を買い求める心理背景として「他力本願」「現実逃避」の気持ちがあるはずだ。だが、「自分の人生をコントロールできるのは自分だけ」であることを、決して忘れてはならない。

「食事、睡眠、入浴、仕事、恋愛、趣味」日常生活のありとあらゆるものは、「自分自身」で意思決定を行っている。赤の他人が四六時中、あなたの面倒を見てくれるはずがなく、「あなたの夢や目標」を「他人が叶えてくれる」ことなど、決してあり得ない。我々は、自分自身の人生を自ら開拓する必要があり、決して他力本願になってはいけないのだ。「世界を変えるよりも、自分が変わる方が簡単だ」という言葉があるが、「自分自身の行動や習慣」を変えられるのは自分だけである。

あなたが現在、底辺の真っ只中で絶望に苦しんでいるのであれば、「あなた自身の力で解決する」必要がある。誰もあなたを助けてはくれない、あなたが死のうが、あなたが失敗しようが、赤の他人にはどうでも良いのだ。「人間というものは、誰かが死んだというニュースよりも、自分自身の軽い頭痛に1千倍も気を使う」という言葉があるが、表には出さずとも、みんな「自分自身をもっとも愛している」のだ。

「人を大切にせよ」「人間は助け合って生きている」「利他の心が大事だ」という言葉が社会に溢れているが、なんだかんだ言いながら、人間はみな利己的であることは、社会の底辺に置かれた人間であるならば、よ〜く理解していることだろう。心の底から同情して自分を助けてくれる人間が存在しないのであれば、「他人に頼る」という戦略を取るのは、極めてリスクが高く、「自分が自分を助ける」という戦略こそが、もっとも賢いやり方と言えるのだ。

しかし、そんなことは誰もが分かっている当たり前のことであり、いざ自己救済を始めようとしても「どのように自分を助けたらよいのか?」「まずは何からすれば良いのか?」といった疑問にぶち当たるはずだ。このような「将来のレール設計」や「道筋の立て方」について迷い、混乱してしまうのは、私自身も経験している。誰も導く者がいない状況で、「どの道を選ぶべきか?」を決定するのは非常に困難であり、焦りや不安は、簡単に解消するものではない。

本節では、私自身の経験を基にした「失ったレールの消失感を解消する方法」「底辺から這い上がるための決意」「底辺から這い上がるために必要な努力」「自分の人生を自分自身でコントロールする方法」などを、なるべく具体的に解説する。これは強烈な劣等感と、先行きの見えない人生に苦しんでいる「過去の自分」に読ませたい、非常に有意義なものになっているはずだ。もちろん、どのような人間が読んだとしても、参考になるように書いている。

底辺から脱却するためには、あなたはまず何をするべきか?

あなたは、どのような道を進むべきか?

自己理解と自己解決のヒントになるはずだ。

【内容目次】
《底辺から這い上がるための準備》
《精神的自由を確立し、人生の目的を見つける》
《自分は何のために生まれてきたのか?》
《底辺から脱却するための働き方》
《仕事における時間の有効活用》
《底辺から脱却するための毎日の過ごし方》
《底辺から脱却するための知識習得》
《底辺から這い上がるための人間関係》
《底辺から這い上がるために身につけておきたいもの》
《這い上がるために避けるべきもの》
〈文字数:約92,000文字〉

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