ゴッホと過ごすクリスマスイブ「ゴッホと静物画ー伝統から革新へ」@SOMPO美術館

今年も様々な美術展を楽しむことができましたが、今年の美術展巡りの締めくくりはSOMPO美術館の「ゴッホと静物画ー伝統から革新へ」。

行ったのが日曜日のクリスマスイブだったので、日時指定ではあっても老若男女のお客様(かなり小さなお子さんも)でかなりの賑わいでした。 

とは行っても、少し後ろから見るようにすると、それほど待たなくても一つ一つの作品を意外とゆっくり楽しむことができました。

あの有名な「ひまわり」はSOMPO美術館が所有しているので、他の企画展の開催時にもいつも展示の最後に見ることができます。

でも、今回は海外・日本の美術館から集められた25点のゴッホ作品を見ることができ、その中には再会した作品も、初めて出会う作品もありました。

また、ゴッホの作品以外にも同時代の画家の作品や彼と関わりのあった画家の作品もあり、彼らの作品をゴッホの作品と比較して見られるように展示されているので、興味深く拝見しました。

ゴッホと関わりの深いゴーギャンの絵も数点展示されていましたが、とても華やかな印象の「花束」は娘の死や彼自身の病などいくつも辛いことを経験していた時期の作品と知り、驚きました。

(そんな時期だからこそ、苦しみを昇華してこんなに美しい作品を描きだしていたのでしょうか…)

ゴッホ展に行っていつも感じるのは、彼がどれだけ研究熱心で、試行錯誤しながらどれだけ多くの作品を描き続けていたかということ。

展覧会の解説も興味深く、
「ゴッホが静物画を、とくに花の静物画を数多く描くようになるのは、パリ滞在中(1886~1887年)のことです。 
ゴッホ自身も手紙のなかで、1886年の夏は「花しか描かなかった」と語っています。
モデル代の不足という経済的な理由に加え、色彩の研究のために花の静物画に取り組んでいたのです。」
などと読むと、
「うんうん、花はいつまでも無言でポーズをとってくれるしね」
などと納得したりもするのでした。

ありがたいことにほとんどの作品が撮影OK、SNSでのシェアOKなのですが、最後に展示されていたシャガールの「花束」(山梨美術館所蔵)」は華やかなのですが、いわゆる「シャガールっぽさ」をあまり感じさせない印象的な作品で、この作品が撮影不可だったのは残念。

あとでショップで見ても絵葉書もないようで、いつかまた再会したいと思いました。

この展覧会は元々は2020年のSOMPO美術館移転後の開館特別企画展として予定されていたとのこと。

コロナ禍のために中止され、3年後の今年に開催されることになったそうですが、3年の延期のためにこれだけの作品を国内外の美術館に改めて貸出の交渉・調整を行うのは、どれだけ大変だったことでしょう。

3年度に開催してくださったSOMPO美術館、作品を貸し出してくださっている各美術館のご尽力のおかげでこんな素敵な展覧会を楽しめたこと、本当にありがたいと思いました。

 今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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