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家篭りの日々

家に引き篭もる自分を責めた日々。
雨降る中を心を奮い立たせて、合羽を着て傘をさして、近くのスーパーまで行った日々。
そういう思考や行為が「チャレンジしている自分」、「現状を打開しようと足掻く自分」のシンボルであるかのように縋っていた。
けれど、現実は甘くなく、揉み返しのような反動にいつも敢えなく撃沈したのだった。

家に篭るということは、決して悪いことではない。でも、たとえば、台風の日にわざわざ用もないのに出かける人はいない。同じように、心のなかが台風みたいなのに、それを抱えて出かけることもまた、危険なのだ。
だから、身を丸くして布団の中にいる時間も大事だし、私はそれでいいと今は思っている。

かつて、情勢的にいろいろな行動が制限されていた頃、私は在宅勤務を有意義に過ごせなかった。
「こんなことしか出来なくて大丈夫だろうか」、「私は他人と比べて勉強不足なのではないか」と。不安でぬるぬるとした地面を見つめながら、暗い夜を幾夜も過ごした。
そして、必死に足掻いて、藻搔いて、絡まった。
絡まって動けなくなって、退避した。
そして、家に篭った。

復職から一年経った今でも、たまに「家篭りのトラウマ」に苛まれることがままある。
けれど、足掻くのはやめた。在宅勤務という制度があるならば、活用しよう。在宅勤務でしか出来ない仕事だって私には沢山あるのだから。
情勢が変わって、在宅勤務枠が減るなか、在宅勤務できる人とできない人がいるということは重々承知しています。そこに申し訳なさを感じているくらいなら、在宅勤務せずに出社すればいい。
でも問題はそこではないし、解決方法は他にある。在宅勤務にメリハリをつけて、通勤時間分を効率的に使う。分からないところは早めに助けを求める。いろんなTipsがあるだろうけれど、今の私にはこれくらいで丁度いい。

家篭りを消極的に捉えなくなったこと自体が、私にとって、いま一番のステップアップだから。

今日のとい。

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