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カウンセリング、話せますか。

私はカウンセリングを結構受けてきたのだけど、話せないことがとても多い。
もともと自己開示が苦手で話すことも得意でないので、苦しくて予約をとっても何を話したらいいのかわからなくなってしまう。
この世の終わりのようにひたすら苦しくて仕方がないことを年単位で続けている時でさえ、特に話すことはないですと言ってにこにこして帰ってきてしまったこともある。
一度言葉にしていないことをその場で考えることなんて、最早できなかった。

初めてカウンセリングを受けたのは、高校生の頃だった。
とにかく毎日辛くて本気で死んでしまいたいと思う時もかなりあったのだけど、その頃初めて受けたカウンセリングでは、何に悩んでいるのかわからないと言われてしまった。
カウンセリングルームに入ったものの何を話したらいいのかわからなくなった私は、成績はそこそことれているとか、忙しい部活にもきちんと行けているとか、見栄をはっていいところばかりを話してしまったし、そうする以外の方法がわからなかった。

大学生の時に受けたものも同じような感じで、よく見せようとする心理が働いてまるで何も悩んでいないかのようにふるまった。
それからまた時が経って、今は5人目のカウンセラーとそこそこきちんと話ができている。
それでもやっぱり、その場で考えて答えを出させようという意図の質問には答えられない。
一度考えて言葉にしていたことを伝えることはできても、その場で答えを出さなくてはいけない時には、最早その場で考えることは放棄してただ時間が過ぎるのをぼーと眺めてしまう。

先日NPOの活動の一環で、電話相談を受けた。
相談する側で電話をかけたのだけど、やっぱり全く話せなかった。
苦しくて電話をするのに、何を話したらいいかわからなくて黙りこくってしまうという状態は、結局これまでとなんら変わっていない。
ただ他の苦しんでいる人はその場で話せるのか、そこが疑問だし心配だった。

今回電話相談では、ぼんやりとした悩み事を話したあとで受容は少ししてもらえても、具体的な話をしてくれないとわからないとか、身近で相談できる人を頑張って探せとか、そんな話をされてしまった。
私は今そこそこ安定しているしお世話になっているカウンセラーの方もいるからなんとか大丈夫だったけれど、そうでなかったらかえって電話をする前よりも辛くなってしまう可能性もあるのではないかと感じてしまった。

世の中の人が私よりもきちんと話せて、苦しい気持ちをそこで伝えられるなら問題ないとは思うけれど、苦しさぎりぎりの状況でそんなに言葉は出てこないのではないかと思う。
でもだからといって私にできることも誰かにしてほしいこともきちんと浮かばないのだけど、セーフティーネットのあるべき姿について、救いの広げ方がもう少しあったらいいなと考えている。

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