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上司・部下にとって価値のある人事考課面談とは?

人事考課面談の目的とはなにか


人事考課とは”人材開発の仕組み そのもの”

人事考課とは、従業員の業務に対する貢献度、職務の遂行度や業績、能力などを一定の基準で査定する事。そして、その結果を賃金・昇進などの人事に反映する仕組みを言います。

人事考課制度を設ける必要性・目的

それではここで、人事考課制度をなぜ設けるのか、そしてその目的について見てみましょう。

●会社として目指す在り方、社員に求める行動を可視化する

人事考課制度を設ける目的は、単に社員の賃金や賞与を決めるためだけのものではありません。最も重要な目的は、会社が目指す方向性や、その上で社員に求めるものを可視化し、風土を形成していくという事にあります。

●社員のモチベーション向上

もう一つの目的は、社員のモチベーションを向上させるため。人は「動機付け」によって動きますが、その中でも最も重要な動機は「達成感」と言われています。そして、その「達成感」は、自身が他人から認められていると認識した時に起こります。考課軸が設けられていないと、自身に任されている仕事において何を達成目標とすべきか定めにくく、結果的に達成感や使命感を持ちにくい状態になってしまうのです。

なぜ、人の成長が重要なのでしょうか。それは、人こそが会社において最も重要な経営資源だからです。会社の経営資源には“ヒト・モノ・金・情報”があるといわれています。その中でもヒトが重要な理由として、経営資源である「モノを作る」「モノ販売して利益を生む」「仕事に必要な情報を集めて発信する」など経営資源に関わる行為を行うのがヒトであるからです。

また、“モノ・金・情報”の価値は一定ですが、“ヒト”の価値はやる気や能力、感情などによって大きく上がります。そのため、多くの社員のやる気や能力、感情を引き上げて仕事へのやりがいを持ってもらうように成長させることが重要になります。そうすることで、同じ目的を持った“ヒト”の集合体である組織・会社も成長し業績へとつながっていきます。

被考課者からの人事制度に関する10の不平不満


その1

やったことをしっかり見て欲しい(そもそも私の仕事を知らない、見ていない)

その2

考課結果のフィードバック・説明がない又は不十分

その3

目標管理制度を採用している。目標を設定しているが、目標の難易度が人によってまちまちで、それの達成度で考課されても納得できない。

その4

どのような考課制度になっているのか、さっぱりわからない。誰が誰を考課しているか 不明。「私の上司は誰ですか?」

その5

考課がいい加減。やってもやらなくても同じでAの人はA、Bの人はB(と全社員が思っている)

その6

上司によって考課が変わり過ぎる。前の上司はいい評価をくれたのに、今の上司になって急に評価が悪くなった。

その7

何を目指してやればよいか分からない。何を期待されているかわからない。

その8

目標は目標シートに書くので、よく見えるが、目標以外の考課項目はどうなっているのか?期の途中で優先順位が変わったがどのように整理されているのか?

その9

そもそもあの上司に評価されたくない。管理職のレベルが低い

その10

被考課者側(評価を受ける側)の問題。考課に関する知識は被考課者に必要ないという意識がある。そもそも会社経営・考課制度に積極的に関わったり、考課制度の意義を知ろうとせず、「考課は受けるもの」「さあ、僕たちを納得させる考課をしてごらん」という傍観者的態度になっている。

上記に共通するキーワードは何だと思いますか?それは管理職・リーダーの部下や部下の仕事への「無関心さ」です。ここをテコ入れすることなく、どんな立派な考課制度も不毛なのです。

人事考課面談で最も重要な、部下への目標設定


人事考課面談において、考課期間の結果(査定フィードバック)の納得をえること。これもとても重要です。しかしここでは、更に重要な「目標設定」に焦点を当て、考えてみたいと思います。

企業で働く人に「目標とは?」と尋ねると、「必ず達成すべきもの(≒ノルマ)」「会社・上司との契約・約束」「達成度に応じて評価が変動し、賃金などの報酬を左右するもの」「上位組織からブレイクダウンされてくるもの」などと答える人が多いようです。

高い業績圧力のもと、上司とメンバーの間で目標をめぐって交わされる会話も「目標を達成できるかどうか」だけを中心に据えたものとなり、ともすると育成的観点でのかかわりが希薄になりがちです。

また、今後ますます業績へのプレッシャーが高まるにつれ、業績への責任感が強い上司であればあるほど、自然と「目標を達成できるかどうか」に関心が集中する傾向は強まると思われます。

しかし、「目標の達成」をめぐる会話に終始する上司のかかわりだけで、「これは、何としてでも取り組むんだ!」と本気になって仕事に向かえるメンバーは限られています。

では、メンバーが「目標」を‟自分ごと”と捉えて取り組み、前に進むことを支援するマネジメントのポイントとは何でしょうか。

目標をめぐるコミュニケーションに焦点をあて、「メンバーが『目標』を‟自分ごと”と捉えて取り組み、前に進むことを支援するマネジメントのポイント」を考えていきたいと思います。

部下が目標を‟自分ごと”と捉えて前に進む3つのポイント


部下が、目標を自分ごととして取り組むには、「上司の目標に対する考え方」がとても重要です。そのポイントは3つあります。

①適切な目標を設定し、意味づける

②取組むこと自体に動機づける

③チームをつくりチーム力で動機づける

部下も支援を必要としていますし、支援を求めています。夢中になれる目標・取り組むに値する目標を欲しがっているのです。(自分の目標と言えるもの)

「どうせやるなら目標を持って、せっかく目標を持つなら自分の目標を持って、成長感・やりがい・達成感を味わってくれ」というメッセージに嫌だ、反対という部下はまずいない。

「自分の目標」だと思えるための要素はいろいろあるが、中心は「自分の成長につながる」「目標は自分の成長機会だ」と思えるようになることです。

人が成長するときは、何かに夢中に取り組んだ、高い目標に挑んだとき。夢中になって取り組んでいるときは、結果・過程(プロセス)に敏感になれる。最後のもうひと踏ん張りができる。10の目標のうち、1つでも張り合いのある「自分の目標」が設定できれば、その張り合いが仕事、目標にも波及して結果高い業績が上がってしまうもの。と上司は信じ、部下との目標をめぐるコミュニケーションを弛まず、取り組むことが、人事考課面談を通して、業績達成・人材育成の2つの成果を達成することにつながるのです。


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