(歌詞)ぼくの実生活。
トートバッグに消しゴム付きボールペンと小林多喜二の蟹工船とエマニュエル・カントの純粋理性批判の本二冊
僕は常に白い無生地のトートバッグの中に欠かさず入れてある
ポケットの中や財布の中の買い物終わりのレシート、
そこに僕はたわいもない歌詞やら横線五本引いて
五線譜を書いて 日々無意識にくちずさんでぼくはメロディーを書き綴っていた
言葉の新芽がではじめてぼくがレシートの裏に書いたメロディーが、少しずつうたになってゆく
知らず知らない間に溜まった言葉で綴らられた紙切れたちはぼくがなにを考えているか客観的に教えてくれている
うつを抱えながらありとあらゆる閉塞感を読書や音楽でぼくは遠くへ追いやる 古ぼけたギターをつまびきながら
レシートの裏やメモ帳に書いた歌詞にメロディーに当てはめて、鼻歌まじりにひとりきょうもくちずさんでいる。
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