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元旦深夜にメールが来るのに「働きがいのある会社」!?

メールが届いたのは、1月1日の深夜だった。ある企業のシステム担当者が、弊社宛にシステム関連のメールを送ってきたらしい。メールに「ハッピーニューイヤー」の文字はなかったので、年末年始関係なく働き詰めだったようだ。

お正月も休めないなんて、どれほどブラック企業なんだ!と思うかもしれない。でも違う。その担当者が務める企業はブラックどころか、「働きがいのある会社」ベストカンパニーを受賞した。そう、世間からはむしろホワイト企業として認定されているのだ。

「働きがいのある会社」は、企業調査の専門機関”Great Place to Work® Institute Japan”が調査している。「経営・管理者層への信頼」「仕事や会社への誇り」「仲間との連帯感」について、従業員に対して無記名でアンケートを実施し、かつ企業の文化や会社方針、人事施策の具体的な取り組みを企業が回答する。それらの結果を世界共通の基準で評価し、「働きがいのある会社」を定めているらしい。

この調査で、本当に「働きがい」がはかれるんだろうか。

従業員に無記名でアンケートをしているので、確かにある程度実態に合ったデータが取れるかもしれない。でも人は無意識にいい回答をしようと、自分の回答を盛ってしまう。まして正月も休めないような多忙な人は、特に考えずに「いい回答」をしてしまっている可能性がある。たとえ無記名であっても、従業員の本音が引き出せているとは限らない。

会社へのアンケートはなおさらだ。誰が答えているのか知らないけれど、現場を知らない人が回答すると本当に真逆の発言をしているときだってある。「知らない」は本当に怖い。

この調査でいい会社をたたえるのは素晴らしいと思う。でもこの調査の結果が必ずしも正しいわけではなく、どこかにしんどい働き方をしている人がいる。お正月に休めなかった担当者は、その後ちゃんと休めたんだろうか……。

華やかさには、必ず裏がある。物事を見るとき、よく知られた表面だけを信じるのではなく、裏側にある可能性のある負の存在があるんだと思うようにしておきたい。

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