油彩
とある一日の始まりに
見たことのない光を見つけた
ストンと続く一本道には
折り紙色の野花が風にそよぐ
筆先で描き殴ってきた
この黒い部屋の壁紙が
貴女の笑う鈴の音に
震えるその煌めきを通す
陰翳礼讃
星よりも月よりも
優しい波長が突き抜ける
粒子が跳ねて量子がもつれて
いつか貴方の見てきた世界を
この脳内で激しく再現したく
この体液に願いを馳せる
どこまでも繋がる道
夢のような天の川を挟んで
水面の檸檬を描けなかったわたくしは
もっと先で曲線を赤い橋にする
届けたかった願いは
ちっぽけな小箱のいち発色
鈴の音色には溶けられず
上からうえから色を重ねる
今日も明日も明後日も
筆先は
夢の中に進む
あたたかなご支援をありがとうございます❤ みなさんのお心に寄り添えるような詩を形にしてゆきたいと思っています。