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【子育て】8歳のお商売(子どもが社会と繋がる体験)♯044

8歳の息子にはシリア人のお友達が沢山います。
彼らは内戦でシリアに戻れず、イギリスで暮らしていますが、いつか彼らが安心して母国に帰れる日が来るように、シリアで教育支援をしているPiece of Syriaという団体に親子で寄付をしています。

息子はこれまで、夏休みの自由研究でシリア内戦について調べたり、Piece of Syriaが開催するイベントに参加したり、積極的にシリアについて知ろうとしてきたのですが、去年の夏頃から「寄付をぼくも集めてみたい」と口にするようになりました。きっとPiece of Syriaの皆さんが情熱的に活動している姿を見て、「自分もあんな風に活動したい」と思ったのでしょう。

そんな中、息子が通う習い事の教室が主催する、小中学生向けのイベントでお商売ブースに出店できる権利が当選。好きなものを売って、お商売ができると言います。そこで売上金で寄付を集めようとチャリティショップを開きました。

力を貸してくれる大人たちのありがたさ

商品は、子供になじみがあり、なおかつ子供のお小遣いでも買えるノートとポストカードに決定。ただ、お客さんに買ってもらうために、シリアの現状や、寄付先であるPiece of Syriaの活動を知ってもらいたいとPiece of Syriaの方にお願いして写真や動画データ等をいただきました。
習い事の先生にも、頂いた動画や写真を当日ループ再生できるようCanvaで動画編集の仕方を教えてもらって編集。ipadをお借りして当日流しました。

私は、息子の思いに寄り添って、忙しいなかでも力を貸してくれる大人の存在が大変嬉しかったのですが、
息子は聖人君子のような子供ではないのでw、事前準備が甘く、怠惰な様子も見せていたので「力を貸してくれた人たちの気持ちをくれぐれも裏切るな」と釘を刺し当日を迎えましたw。さて、どうなることやら・・・

8歳のお商売

当日、一番最後に集合場所に到着したにもかかわらず、
息子が持ち前の積極性(厚かましさとも言う w)で、入口扉の真ん前、一番目立つブースを早い者勝ちで獲得。

そして持ち前の大きく、遠くまで通る声で(やかましい声とも言うw)
ドアの外まではっきり聞こえるくらいの声で呼び込みをしていると
「一生懸命やってるね!」「ほんとによくがんばってるね!」
と言って足を止めてくれる方多数。
息子の休憩中、私が立っていたときは全然お客さんが来なかったので、子供が売り込みをする姿って、すごくインパクトがあるんだなぁと実感。

「どうしてこのお店を出してるの?」
「これはどういうプロジェクトなの?」
と息子に話を聞いてくれるお客さんもいらして、
はじめは慣れなくて言い難そうにしてたけど、最後の方には、要点を短い言葉で伝えられるようになっていました。

中には「無意識が(現地の罪のない人たちを)殺してるんだよね」と言って商品に手を伸ばして、買ってくれたお客さん、
そして何も言わずに、そっと寄付としてお札を渡してくれる方もいらっしゃったりして。

こういうお客さんの言葉や行動に触れながら私自身も心が震えました。

習い事の先生からは、「これまでのお商売体験のイベントでは売れて10個程度かなぁ」と聞いていたので、売り上げはせいぜい2,3000円程度かな、と思っていたのですが、当日は奮闘し、3時間で13000円の寄付金を集めることができました。
予期せぬ嬉しさ。早速Piece of Syriaに寄付をさせていただきました。

自分が主体になって社会とつながってみる

実際にお商売をしてみることで
・プライシング
(戦略もなく値下げをしようとしていたので、「付加価値つけてどれだけ高く売るかを考えろ。安易に安く売ろうとするな」と注意w)
・ストーリー
(「なんでシリアなのか」息子だから持つストーリーに共感してもらえるようにシリアの接点をしっかり伝える)
・接客
・マーケティング
・プロモーション

一緒に息子と学べました。

また、シリアが今の内戦に至るまでを知るために国際情勢、歴史、地政学
戦略を立てるための論理的思考
セールスポイントを伝えるためのプレゼン力、作文力
こういったこともほんの少しだけど、学べたように思います。

息子にも「どうだった?」と尋ねると「お商売って楽しいね」って。

なぜ勉強が必要か、つまり、自分が社会をよりよくするために学ぶという学習の目的を、ちょっとは感じてくれてたら嬉しいな、と思います。

勉強の目的が「良い成績をとるため」「良い学校に受かるため」「マウントをとるため」だけでは、息も詰まるし、行き詰るので(私の苦い経験談を参照。勝負の局面ではこういう目的を持つことも必要かもしれないけど、ずっとそうではしんどい・・・)、
やっぱり子供には早いうちから「学びの楽しさ」を知ってほしいし「学びは社会をよりよくすること」という学習の目的にも気づいてほしい。

日ごろこんな風に思っている私にとって、今回の経験はよい手応えになりました。
子供の興味、関心に寄り添い、深め、広げる。
そして子供のアイデア、思いを社会に出してみて、相手の反応を受けてみる。
これからも子供が望めば、サポートしてあげたいな、と思います。
(だんだんと子供が自立して、自分でプロジェクトをまわせる力や社会関係資本が身につくといいな)

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