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アジア勢一同唖然としたあの体験も異文化ゆえ?

この本を読んだら、「あの体験も、そういえばこの体験も…」と芋づる式にどんどん思い出されることがあり…。もうひとつ、書かせてください!

米系半導体企業に勤めていた時のこと。ひとつの部門がスピンアウトして別会社になり、私は新会社の人事担当として転籍する羽目になりました。

30人程度の小企業なので人事担当者もひとり。上司には、社外から採用された経理畑の方が管理部長として就任。小さい会社で管理部長というとだいたい経理のプロが来るから人事はおろそかにされるよね~、と人事の立場でその経験をした人なら思うのではないでしょうか…。

それはさておき、でもその管理部長がなぜか、初めて開催される人事のグローバル会議に出席せず、私に代理で行けと言われたので、行きました。

元の会社はカリフォルニアのシリコンバレーが拠点でしたが、スピンアウトした会社の本社はメイン州。当時はロブスターとL.L.Beanが二大名物と言われていましたが、今はどうなんでしょう? 

で、会議の日々の中、海外からはるばる参加しているメンバーへのウェルカムとチームビルディングも兼ねての、ロブスターの夕食会が開催されました。もう、あんまり昔のことなのでどんな味だったかまったく記憶にありませんが、その後の出来事は20年以上経った今も鮮明…。

ディナーが終わり、海外参加組はホテルに帰るわけです。本社のスタッフが「今、車を呼んだから」と言ってくれたので、みなで雑談しながらロビーでお迎えの車を待っていました。

ところが、本社のスタッフはどんどん先に帰ってしまい、ロビーに残ったのは、詳細は忘れちゃったけど韓国と香港と中国もいたかな?、そして日本からの私も含めて全員アジア勢でした。

最後のアメリカ人スタッフがその場を去り、自分たちだけが残され、お迎えの車は待てど暮らせど到着せず…。そんな状況でどんな会話が展開すると思いますか?

「ゆうこ、日本だったらこんなことあり得る?!」って誰かに聞かれました。もちろん、その時の会話は英語でしたが(笑)。
「ううん、絶対にない。日本だったら、ホストが最後まで残ってきちんとお見送りしてから自分たちが帰るよ!」と私。
「そうだよね~、それが普通でしょう~」という台詞はともかくとして(なにせ古い話なので)、心情はそこで完全一致していた、と記憶しています。

この時は、普段、日本では浮いている私もしっかりアジア陣営の一員になりきっていました!

ここでまた、この昔の体験もこの本に基づき振り返ってみたいのですが、まだ一度しか読んでないので、理解が浅い所は悪しからずご了承くださいませ…。

それでも、ひとつ、このケースに該当するのでは?と思えるのは”集団主義/個人主義”。この本に掲載されている分類では、アメリカは個人主義が突出していますが、アジア圏は日本が(意外に)中間で、あとは集団主義の部類です。

このロブスターレストランでの置き去り事件も、”アメリカ人スタッフの何人かが先に帰ったけど、残って対応してくれた親切な人が二人いた”とかちょっと異なる展開だったら、個人の価値観の問題かとも思えます。が、実際には全員帰ってしまったゆえに、残された私たちの衝撃も大きかった。ここはやっぱり国民性が反映していたのかしら?と私には思えます。

なお、私個人は、基本的にも根本的にもかなり個人主義だと自己分析しています。が、一方で、この時点で日本社会で社会人として10年超やってきていますし、まして子連れで再就職した日系損害保険会社では丸3年間みっちりどっぷり違和感にまみれて溺れそうになりながら揉まれましたので、そういう意味では、日本のビジネス社会の流儀も知識としてはあるので、この時の判断基準としてはやはり「お客さんのお世話は最後まで全うしないと!」だったのだと思います。

と、ここまで書いてみて、うっすらとした記憶が蘇ってきました。

確か、この翌日、アメリカ側のスタッフたちのエクスキューズとして「今週は毎日会議で帰りが遅いから、みんな自分の家族のケアもしなくちゃいけないので、昨日は先に帰ってしまってごめんなさいね」のようなものだったと思います。

確かに、相手の立場に立てば、さもありなん、ですよね…。

この体験は折に触れ思い出してきました。このことによって「アメリカ人って!?」とネガティブなイメージを持つことはありませんでしたが、価値観や優先順位の違いなのかな? とインパクトは大きかったです。

他にもいろいろ思い出して振り返ってあてはめてみて「なるほど~」と思うことがあります。が、大切なのは、この『経営戦略としての異文化適応力』を手にした今、このような体験をどう理解して今後に活かせるのか、ですよね?

相当に奥が深くて、それほど簡単でもないとは思いますが、個人レベル、ビジネスレベルから国際的な課題・問題まで応用範囲が広いのでは?と思えます。

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