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【読書 走る本】『海外のいろんなマラソン走ってみた!』りんみゆき

題名に惹かれて入手した本です。「海外のマラソン大会」、何とも楽しそうな響きです。今はコロナで海外どころではありませんし、そうでなくとも私にとって海外旅行はかなり高嶺の花ですが、この本を読んで、機会があれば海外のマラソンを走ってみたい、と思いました。

著者のりんみゆきさんは香港在住の方。プロフィールによると、CAや日本語教師を経て、今は通訳やライターの仕事をされているそうです。ニュージーランド出身の旦那さんが数百キロのアドベンチャーレースに出るような方で、りんさんもそこまでハードコアではないもののランニング大会に、ときには旦那さんやお子さんと一緒に出られていて、その記録を綴ったのがこの本です。

ここに出ているのは10の国と地域のランニング大会の話。ホノルルマラソンやシドニーマラソンといった有名どころから、日本でも最近行われているスパルタンレース(著者が出たのは香港での大会)、標高4000mを超えるマレーシアのキナバル山に登る「クライマソン」、3日に渡って行われるネパールのマルチデイマラソンなど、さまざまです。本の表紙はポップで軽い感じですが、旦那さんの影響もあるのでしょう、かなりディープな大会にも出られています。

ただ、著者はいたって普通のランナーです。フルマラソンでいえば多分4時間ぐらいの記録を持つ方でしょう。そのため、私のような平凡な市民ランナーが「もし実際に自分がこの大会に出たらどんな感じなのだろう」と想像しながら読むことができます。そこがこの本の魅力です。ネパールのマルチデイマラソンなど、現地の人や他の参加者との交流の様子を読むとすごく楽しそうです。

家族で、あるいは子供の世話を旦那さんや両親に頼んで一人や夫婦でシンガポールやベトナム、マレーシアなどに週末弾丸旅行してマラソン大会に出るという著者のフットワークのよさは、純粋にすごいなと感じます。でも、日本国内のランニング大会ですら飛行機に乗って行くところは時間的、費用的にあきらめてしまうことが多い私には、なかなか真似できそうにありません。

多少ならば、お金と時間をどこに集中投資するかという覚悟と選択の問題でどうにかなるのかもしれません。でも、著者のように時には家族を連れてあちらに行き、こちらに行き、というのは、それなりの資力がないと難しいだろうなと感じます。

もちろん、普通の人にはなかなかできないことをしているからその体験がこうして本になったりするわけです。自分が長い距離を走れる年齢のうちに、一度でも二度でもこんなランニングの大会に出てみたいなと思いながら読むのに、とてもよい本でした。

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