佐佐木 由美子

社会保険労務士・MBA。働き方や社会保険制度などについて経済メディアや専門誌に寄稿。著…

佐佐木 由美子

社会保険労務士・MBA。働き方や社会保険制度などについて経済メディアや専門誌に寄稿。著書に『1日1分読むだけで身につく 定年前後の働き方大全100』(自由国民社)等。 ブログ https://www.workstyle-blog.jp/

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    育児と仕事(時々介護も)の両立を支援するさまざまな公的制度を取り上げて解説します。情報をアップデートして、ぜひ職場でご活用ください!

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    これからの働き方を考えるヒントに。「1日1分読むだけで身につく 定年前後の働き方大全」の大事なポイントをじっくり読みたい方へ。働き方をシフトするときに知っておきたい社会保険や公的制度の活用法など解説します。

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変わりたいのに変われない⁉ 現状維持バイアスにご用心

今の状況に満足しているわけではないものの、あえて変わろうとするのは何かと大変……。 「変わりたい。けれど、変わりたくない」 そのようにアンビバレントな感情に揺れ、結局「だったら今のままでいいか」と考えてしまうことはありませんか? たとえば、今の職場に満足しているわけではないけれど、転職するまでの勇気はないなど。 もしかしたら転職することで、希望の職種に就けたり給与アップしたりするかもしれません。 一方、「そういう職場は、人間関係がギスギスしているかもしれない」といっ

    • 知ってる?養育期間の特例措置~3歳未満の子がいるとき

      子育てと仕事の両立については、さまざまな支援制度がありますが、社会保険において、意外と知られていな役立つ制度があります。 そのひとつが、「養育期間の従前標準報酬月額のみなし措置」というもの。 これからお子さんが生まれる、あるいはお子さんが今3歳未満で、厚生年金保険に加入している人は、ぜひチェックしてください! 養育期間の従前標準報酬月額のみなし措置とは? お子さんが生まれると、女性ばかりでなく男性も育児休業や産後パパ育休を取得する人が増えています。 育休明けで職場復帰

      • 定年後の再雇用で知っておきたい 社会保険の同日得喪のしくみ

        定年後、引き続き同じ会社で再雇用される方は少なくありません。 その際、仕事内容や勤務時間の変更など様々な理由から、再雇用後の給与が大きく下がる場合があります。 このとき、社会保険料も給与の減額にともなって自動的に低くなる……と思われるかもしれません。 しかし、自動的に引き下がるわけではありません。 「ある手続き」をしないと手取り額が減ってしまうという問題があります。 それは、社会保険における「同日得喪」の手続です。 定年後の再雇用に関しては、「同日得喪」の手続きを

        • 育児休業はいつから取得できる?申出のタイミングは?

          育児休業は、いつから始めることができるかご存知でしょうか? 実は、男性と女性とでは、育児休業の開始日が異なります。 実子を出産した女性の場合、産前・産後休業があるため、生まれてすぐ育児休業ができるわけではありません。 具体的には、産後休業が終了する日の翌日以降、つまり出生日から数えて57日目から育児休業を取得することができます。 一方、男性の場合は、配偶者の出産予定日または子どもの出生日以降に育児休業を取ることができます。 出生時育児休業(通称「産後パパ育休」)につ

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          共働き世帯の子の健康保険、被扶養者認定はどちらに?

          夫婦共働きで子どもが生まれるとき、特に夫婦の年収が同じくらいの場合、健康保険において夫婦どちらの扶養にすべきか悩んでしまいませんか? 2021年8月1日から、共働き夫婦における被扶養者の認定について、取扱い基準が明確化されました。 この内容を踏まえつつ、健康保険における被扶養者の考え方について解説します。 共働き夫婦の被扶養者の認定基準とは? 夫婦の両方が健康保険の被保険者であり、二人で家族を扶養する状態を「夫婦共同扶養」と言います。 共同扶養だからと言って、夫婦でそ

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          在職老齢年金とは?働きながら年金をもらうときの留意点

          定年を迎えたあとも、再雇用等で働き続ける60代は増えています。 会社で働きながら、年金を受給しようとすると、場合によっては年金がカットされてしまう仕組みがあることをご存知でしょうか? 老齢厚生年金の額と給与や賞与の額(総報酬月額相当額)に応じて、年金の一部または全額が支給停止となる場合があります。これを「在職老齢年金」といいます。 在職老齢年金制度とはどんな仕組み? 在職老齢年金制度に関連があるのは、老齢厚生年金を受け取る権利があって、なおかつ給与を受け取っている人です

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          やりたいことに理由はいらない

          友人らと話をするとき、会話の中で時々気になることがあります。 それは何か行動を起こそうとすると、目的や理由を問われることです。 「それをやるメリットは?」 「もっと生産的な方法があるのでは?」 「それで、どのようにマネタイズ化するつもり?」 ビジネスとして行うことなら、そういった質問がきても不思議ではありません。 むしろ、明確な目的やベネフィット、高い生産性が求められることは自然なことでしょう。 ただ、ビジネス以外のプライベートなことであっても、目的や理由を尋ね

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          育児・介護と仕事をうまく調和していくために

          男女ともに仕事と育児や介護等の両立できるように、国全体としてバックアップしていくことは、とても大事なことだと考えています。 育児や介護は、決して女性だけのものではありません。 性別にかかわらず、家族の育児や介護に携わり、どう仕事と生活の調和を図っていくかということは、大切なテーマです。 そのための法律改正なども進められていますが、私たち自身においても様々な情報をアップデートしておくことは今後ますます欠かせません。 利用できる制度があれば、ぜひ積極的に活用していきた

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          定年退職後、同じ会社で再雇用されるときの年次有給休暇はどうなる?

          年次有給休暇といえば、以前に定年退職を迎える予定の方から、「そのまま同じ会社で再雇用される場合、残っている休みはどうなるでしょうか?」という質問を受けたことがあります。 定年退職後に、同じ会社で嘱託社員という形で引き続き働かれる方は、結構多いですよね。 お休みに関することは、気になる方も多いのではないでしょうか。 嘱託社員として引き続き働く場合 60歳で定年退職を迎え、その後は継続雇用制度を利用して同じ会社で65歳まで嘱託社員として働く……そういう方は、結構多いと思いま

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          未来を先取りして自分にタグをつけよう

          独立予定の方と話をしていたとき、「社労士はいいですね」と言われたことがあります。 どういうことか聞いてみると、資格があるからわかりやすい、とのこと。 つまり、士業であれば大体どんなジャンルの仕事か想像できるし、実績に関係なく堂々と名乗ることができるのがいい、と言うのです。 彼女の場合、何か資格が必要なビジネスではありません。 屋号は決めたものの、自分をどう名乗ればよいのか、いわゆる「肩書き」に悩んでしまうとのこと。 会社組織であれば、「COO」や「マネジャー」など役

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          今から考えておきたい 定年前後の働き方とお金のこと

          「人生100年時代」という言葉をよく聞くようになりました。 40代後半にもなってくると、「定年」や人生後半の働き方について考える機会が増えていくのではないでしょうか。 もっと早いうちから、将来のことを考えている方もいるかと思います。 「定年」とは、労働者が一定の年齢に達したことを退職の理由とする制度をいいます。 今でこそ定年年齢を見直す企業が出始めていますが、少し前まで定年といえば60歳=引退と考える人は珍しくありませんでした。 しかし、高年齢者雇用安定法の改正や年

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          「手放す勇気」が未来を拓く

          普段から忙しいと感じているあなたが、何か新しいことを始めたいと思ったとしましょう。 仮に1日15分程度の時間があればできてしまうことなら、今の生活ペースを変えずに、スケジュールに組み込もうとするかもしれません。 ただ、そんな風に新しいことを始める度に、ちょっとずつ時間を投入していたら、いつの間にかもっと忙しくなっていきますよね? まして、まとまった時間を要するものであれば、他に使える時間は削られてしまいます。  私たちの人生にとって、貴重なリソースは「時間」です。

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