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机上の空論

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徒然なるままに。
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#小説

猫に捨てられた飼い主

猫に捨てられた飼い主

都合のいい時にだけ眉を垂らしてあごを引き、上目遣いで見つめてくる。

気分次第で頬を擦り寄せ足を絡め、唇をなぞって身体を這うように甘えてくる。

そんな君が可愛くって、愛おしくって、そして堪らなく羨ましかった。

「私は今日飼っていた猫に捨てられた。」

深夜2時。

ベットの中で気持ちよく眠っていた私の耳元で鳴るスマトーフォン。夢と現実の狭間でぷかぷかした頭をお越し手を伸ばす。

「こんな時間に

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すくーる、かーすと。

すくーる、かーすと。

「全然、大丈夫!」

いつからか、この言葉が口癖になっていた。

まだ暑さの残る9月。

高校3年生になった私は、高校生活最後の文化祭のお化け屋敷リーダーになった。

......................................................

「リーダー!これ、ここ置いといていい?」

「...えっ、あっ、うん!」

_ガタッ

_バシャッ

「ああっ...

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