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やりづらい人とチームワークには役割分担が重要

はじめに

仕事の中で、やりづらい人や、やり方が異なる人と協力しなければならない状況は多々あります。実際に、同僚との仕事の過程で関係がこじれることは珍しくありません。この記事では、そんなやりづらい人との仕事のコツを紹介します。

動画も作成したのでこちらもどうぞ。

1. 役割分担の重要性

やりづらい人との協力における課題

協力関係において「やりづらさ」を感じる場面が生まれる背景には、主に二つの課題が存在します。


  • 成果の重視: 仕事の性質上、過程の難しさに関わらず成果を出すことは不可欠です。これは、それぞれの知識やスキルを最大限に活用し、目標達成を目指すということを意味します。

  • ストレスの軽減: 仕事を進める上で、成果を出すことは必須ですが、それを行う中でのストレスはできる限り避けたいというのが一般的な願望です。

効果的な役割分担

これらの課題の解決策として、「役割分担」が重要です。お互いの能力を最大限に活かし、不要な接点を減らすことで、上記の課題を解決することができます。

接点が多いと、意見の不一致が生じやすく、それがストレスの原因となります。理想としては、やりづらい相手とも熱心に議論を交わし、良い成果を上げることですが、継続的にそのスタンスを維持するのは難しいです。そこで、効率的な方法を紹介します。

具体的には、「プロセスの一致より、最終的な成果の一致を重視する」役割分担を心がけることが推奨されます。

人それぞれのやり方には正解がなく、この点を合わせようとすると議論が増え、接点が増えます。対照的に、成果に関する合意は明確にしやすく、接点を減少させることができます。

以下に具体例を示します

  • 例 1: 結果の集計
    良い例:「あなたはこのアンケート A を集計して」「私はこのアンケート B を集計する」
    悪い例:「結果を集計するのに Excel を使おう」と、方法まで合わせようとする。

集計において、手動かソフトかといった具体的な方法に「正解」は存在しません。ある人にとっては手動が、また別の人にとってはソフトが効率的であるかもしれません。一つの方法を強制することは、不要な接点や議論の原因となり得ます。そのため、上記の「悪い例」のようなアプローチは避けるべきです。

  • 例 2: 新製品のマーケティング戦略の立案
    良い例:「あなたは競合分析を行ってください。」「私はターゲット顧客の調査を行います。」
    悪い例:「競合分析は、まずウェブサイトの情報をから SWOT 分析を行い、その後、3 人以上の顧客にインタビューをしてください」と、分析の方法や手順まで具体的に指示する。

マーケティング戦略の立案には、多岐にわたる情報や手法が必要ですが、具体的な方法や手順は、担当者の経験や知識、さらには利用可能なリソースによって異なる場合があります。一つの具体的な方法や手順を強制することは、担当者の専門的な知識や能力を十分に活用できないリスクがあります。最も大切なのは、必要な情報や分析を正確に行い、それをもとに戦略を立案することです。そのため、結果や目的に焦点を当てた役割分担が効果的です。

  • 例 3: 資料作成
    良い例:「あなたはデータの収集を、私は資料の整理を担当」
    悪い例:「データの収集にこのツールを、進捗管理にこのツール」

具体的なツールや方法にも多くの選択肢があります。あるツールがある人にとっては使いやすく効率的でも、別の人にとっては使いにくい、または習熟するのに時間がかかるかもしれません。そのため、具体的なツールまで決めることは、その人の能力や効率を制約する可能性があります。
また、特定の「やり方」を決めることは、解のない議論をすることとなり、メンバー間での対立が生じやすくなり、ストレスが発生しやすくなります。

2. 責任分界の重要性

これまで、役割の分担の大切さを説明してきましたが、役割だけでは十分ではありません。それぞれの役割に関連する「責任」の範囲も明確にすることも重要です。これを「責任分界」と呼びます。

役割は「何をやるか」を示すもので、具体的なタスクや活動を意味します。一方で、責任分界は「どの結果に責任を持つか」を示すものです。これにより、特定の成果や結果に対する責任が明確になります。

例えば、あるプロジェクトで「進捗管理」を担当する人がいるとします。この人が行うタスクは、プロジェクトの進行状況を追跡することです。しかし、責任分界を設定することで、プロジェクトの進捗が遅れている場合の報告義務や、必要な資源が不足している場合の取得責任など、具体的な結果に対する責任が定義されます。
これにより、役割のヌケモレが減り、不要な責任のなすりつけ合いなども発生しづらくなります。

まとめ

総じて、「プロセスの一致より、最終的な成果の一致を重視する」役割分担と責任分界は、プロジェクトの成功のための二つの柱として、密接に関連しています。役割だけでなく、責任分界を明確にすることで、プロジェクトの効率と成果が向上し、余計な接点を減らすことに寄与します。

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