『すべての教育は「洗脳」である』を読んでみた

こんばんは!ざきさんです。
最近新しい自転車を買いました!これからだんだんと桜も見頃になってくるので色々なところにお出かけしたいなと思います。

今回から何回かに分けて、昨年読んだ中から印象に残った本をご紹介していきたいと思います。今回紹介するのは『すべての教育は「洗脳」である』(堀江貴文)です。ドキッとするタイトルですが、日本の教育に鋭く切り込む内容で学校教育の問題点をあぶり出す一冊となっています。


読んだきっかけ

数ヶ月前までは私自身、日本の教育に大きな課題感を持っていました。具体的には、周りを見渡しても日々お金を稼ぐためだけに嫌々働いている人が多かったり夢を語れる大人が少ないのは、学校教育における評価軸の少なさや学生の考えを問うことのない一方通行型の知識偏重教育に問題があるのではないかと感じていました。そこで、芸術分野やキャリア教育などの勉強にとどまらない広義の教育に関わる事業に関わりたいと思っていました。そんな思いを持っていたときにこの本を読んでみようと思いました。

本書のポイント

①現在の学校教育のフレームは戦時中から大きく変わっていない
②多くの人が無意識のうちに自身を制限をしてしまっている
③何かに没頭することこそが学びとなる

①現在の学校教育のフレームは戦時中から大きく変わっていない
これは、学校教育の目的や価値観が半世紀以上前のものがベースとなっていることを意味します。戦時中にはそつなく何でもこなすことのできる軍人が大量に必要とされていました。また、戦後も高度経済成長期を迎えましたが工場などでは大きな問題を起こすことなく言われた通りに働くことのできる人材が求められていました。そこで、このような標準的な能力が高く従順な人材をばらつきなく輩出するためには、学校教育が大きな役割を果たしました。具体的には、どの科目も満遍なくできることが良いとする評価システムや教科書検定制度によって国が定めた教科書に沿った標準化された教育などが行われています。(そもそも学校で使用する教科書が国家によって検閲されているのは先進国では稀であるそうです。)

一方で、現在は職業選択の自由が増し、決まり切った社会的なロールモデルというものが存在しません。不得意な科目にばかりに目を向けて全科目全てをできるようにすることももちろん大切ですが、自分が得意なことや好きなことに目を向け伸ばしていくことがより重要となっていくと考えられます。


②多くの人が無意識のうちに自身を制限をしてしまっている
先ほども述べたように、学校教育では基本的に良い部分よりも悪い部分に目を向けて注意されることが多いです。勉強だけでなく生活面においても「あれをやったらダメ」「これをやったらダメ」と何かと厳しく指導されることが多いと思います。逆に(おかしなことに)優秀すぎたり能力が高すぎる場合も、先生の手を焼く生徒だと見なされて冷たい視線が送られることさえあります。
そういった環境に長い間身を置いていると、気づかないうちに自分の行動を制限するようになってしまうのです。


③何かに没頭することこそが学びとなる
多様な職業選択や人生設計が可能になった今、自ら進んで学ぶことが生きる上で大切になっています。「学び」とは、単に歴史の年号を覚えたり連立方程式が解けるようになることではないとホリエモンは言っています。彼は、誰かに無理やりやらされる「お勉強」は必ずしも人生を豊かにするものではないと考えています。受動的な「お勉強」ではなく自分の好きなことにとことんハマり突き詰めて考えていくプロセスにおいて「学び」が生まれるのです。
何かに没頭したり熱中した経験は誰しもが一つは持っていると思います。それが勉強ではなくスポーツやゲームであったとしても、没頭して取り組むことで「どうやったらライバルに勝てるだろうか」「どうやったら仲間を増やせるだろうか」など、試行錯誤しながら得られるものは全て学びです。
大切なことは、“何をするか”といった対象ではなく、自分の頭をとことん使って“どう考えて”それを実際に“どう行動に移していくか”です。


感想・まとめ

本書を読んで内省したときに、自分も多くの常識に縛られてこれまで生きてきたことを感じました。その要因としては必ずしも学校だけでなく家庭環境にもあると考えられますが、それでもやはり学校教育の影響力の大きさは無視できないものだと思います。
ホリエモンの言っていることは極端なこともありますが的を得ていることが多いと感じました。日本の教育に疑問や課題感を持っている方には是非おすすめの一冊です。
ただ、読んだ内容をそのまま受け入れるのではなく、自分で一度咀嚼し自分なりの問題意識を持って調べていくことも大切だと思いました。私自身、本書を読んだ後に学校教育制度の変遷や教科書検定制度、現在の学習指導要領などを詳しく調べてみることで学んだことがたくさんありました。
皆さんにとって教育という身近だけれど奥深いテーマについて考える良いきっかけになったら嬉しく思います。

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