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King Gnu井口を使った珍妙な作品。映画『ひとりぼっちじゃない』感想

ミニシアター系の映画って当たり外れが激しいよね。

この作品、個人的にはハズレ。
実は『シン・仮面ライダー』の翌週に観に行ったので、”動”のクソ映画を観た後に”静”のクソ映画を観た、という感覚でした。笑

STORY:
コミュニケーションが苦手な歯科医・ススムは、アロマ店を営む掴みどころがない女性・宮子と恋に落ちる。やがて彼は、自分を理解してくれる宮子を理解できていないことに思い悩む。そんな中、彼は友人から宮子の秘密を知ることになる。

緩慢なのに唐突なわけわからん展開

この作品、常に緩慢な空気感が流れています。
ワンカットがいちいち長く、眠くなる。
その割に、ストーリー展開は唐突。心情的にもついていけないし、『なんでそうなったの?』みたいなことが多過ぎ。

そもそも、この映画でやりたいことがサスペンスなのかラブストーリーなのかホラーなのか成長物語なのかがわからんのですよ。
こういうジャンルレスな映画って一番危険で。大傑作になるか珍品になるかどっちかなんですよね。
この作品はキレイに珍品になったなーという印象です。

セット・美術は見どころたっぷり

調べてみたところ、この原作者兼監督さんは元々映像作品の美術さんから脚本も務めるようになったというかなり変わった経験の持ち主みたいで。
まあ、僕みたいな凡人からすると天才の発想は理解できないのかもしれません。笑

ただ、やはり美術のセンスは素晴らしかったですね。
メインの舞台となる馬場ふみか演じる宮子の部屋のセットの沈美な雰囲気は中々作り出すのが難しいものだと思います。
出てくる中華屋とか、ロケーションも良い。この辺りは存分に才能が発揮されていたように思えました。

演者はみんなうまい

わけわからんストーリーと演出ですが、美術に加え演者もみんな頑張ってます。
特に、井口くんがここまで演技できるんだって言うのは驚き。
アーティストって表現力に長けている人が多いのでみんな結構演技はうまいんですけど、彼もご多分に漏れずって感じですね。
芸大時代に演技の勉強をされていたのようなので、元々素人ではないっていうのもあるんだろうな。

サブヒロイン的な河合優実の演技も良いですねー。
2021年の24時間テレビのスペシャルドラマに出ていた頃から彼女は印象的で。『サマーフィルムにのって』『線は、僕を描く』なんかで定期的に彼女の作品を観ていましたが、やっぱうまいですね。
この作品でも彼女が一番目立っていた気がします。

ヒロインの馬場ふみかはとにかくかわいくてスタイルが良かったですが、今回はそれだけだったかな。
多分、演出というか演技指導が僕に合わなかったんでしょうね。なんかやけにスローな喋りが気になっちゃって、ミステリアスさの演出がちょっとハマりませんでした。

ファンの間では考察合戦になっていそうなストーリー展開でしたが、僕は考察するほどの熱量を持って視聴できませんでしたね。
楽しめる人だけ楽しんでくれ、って感じです。

演者はみんな頑張っているので、推しの役者さんが出ているなら観ても良いのでは、と思います。

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